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増えるDV被害。夫と妻、双方からの告白で真相に迫る

      2017/11/20

なぜ男たちはDVに走るのか。職業・年齢・生い立ちなど、加害者たちに共通点はあるのか。男たちに暴力をとめさせる手だては。加害者、被害者双方の生の声を多く集め、様々なケースからDV問題の本質を浮かび上がらせる。

暴力の始まり

口論が絶えなくなって三ヵ月が過ぎた頃、信彰さんはごく些細なことで、なんの前触れもなく怒り出すようになった。物を壊したり、物を投げるようになった。しかも友美さんが言った覚えのないことをあげつらって、「侮辱した!」とキレるのだった。それは養育費の件にかぎらず、たとえば口喧嘩の最中に「あんたは、腐った男だ」というような汚い言葉で自分をののしったと激怒した。友美さんが「言ってない!」と言い張っても聞く耳を持たなかった。あまりにも頻繁なので、「幻聴が起こっているのかも」と彼女は心配した。友美さんが理詰めで問い質すと、彼はあからさまに話し合いを放棄するようになった。「思考が止まるんだ!止めてくれ!」と訴えたり、「君は大学出で頭がいいから、中卒で馬鹿な僕には君の言っていることがわからん」としょんぼりした。それでも友美さんが諦めず、わかりやすい言葉をわざわざ使って、「こうでしょ、ああでしょ、ねえ、そうなんでしょ」と説明を求めていくと、信彰さんは「子供扱いするな!」と激怒した。

このケースだとほどなくして友美さんに暴力を振るうようになる。「絶対に許さない、別れる!」と別れを切り出すと彼は部屋に閉じこもり酒を飲み何時間も出てこなかった。不憫に思い「二度とやらないなら許してあげる」と声をかけると急に明るくなり、優しくなる。これでたいていの人は騙されるのだ。暴力を振るった後、二度としないと言いつつ、優しくなるのは典型的なDV加害者の特徴。同じパターンの繰り返しで暴力を振るうようになり、いっこうにやめる気配がない。顔や頭を叩いたり腹を蹴ったりと暴力は次第にエスカレートしていきます。DV加害者との約束はあてにならないのですぐさま警察に訴えた方が良い。DVは犯罪です。

精神科の受診を拒否

玲子さんは精神科医に相談した。「旦那さんをすぐにつれていらっしゃい」と言われたので、おそるおそる「一緒に病院に行ってほしい」と頼んだが、逆に俊介さんは「俺をきちがい扱いするのか!」と激怒して通院を拒否した。俊介さんの両親に相談したこともあった。すると、玲子さんのほうが叱られる始末だった。「あなたの操縦が下手だからよ」「男の人は外で大変なんだから、奥さんはうまく家庭を切り盛りして休ませてあげるのが務めでしょ」などと母親からねちねち責められた。夫の印象を悪くしないために自分の両親には相談しないつもりだったが、いよいよ追い詰められたとき、藁をも掴む思いで実家に相談に行った。最初は「あの真面目な俊介君がそんなことするはずない」と信じてもらえなかったが、具体的に詳細を話していくと、両親はようやく娘の話を信じて父親が話をつけることになった。

このケースも父親にはきちんと話し合い、手荒なことは二度としないと約束したにもかかわらずDVがおさまることはなかった。DV被害者には共通して自分にも落ち度があるという認識があり、一方的に相手のせいにできないというのがあります。夫の母親にねちねち責められたのなんて気にせず、離婚を決意したほうが良い。経済的理由やなんかでなかなか別れられないというDV被害者も多いだろうが、肉体的、精神的に追い詰められるほうがよっぽどきつい。相手は殴らずにはいられない病気だと思いきっぱり縁を切ること。暴力の瞬間の証拠を持って警察に駆け込むのもいいだろう。

暴力に対する反省の言葉がない

私がインタビューした幾人かの加害者男性は、彼らなりの罪悪感のもとに自らの体験や心境を吐露していた。しかし和人さんの口からは、最後まで暴力に対する反省の言葉が出てこなかった。いろいろと事情はあったにせよ、彼の加害性は尋常でないのは明らかだ。心からの反省なくして、「わかってほしい」と共感を求められるのは、はっきり言って迷惑千万だった。しかし共感できる部分がぜんぜんないと言えば嘘になる。あくまでも彼の話の範囲であるが、理沙さんという女性のキャラクターの特異性には、私の自然な感情の流れとして、どうしても嫌悪感を持ってしまった。私はやはり男性であるから、夫の側から考えて、「もし自分が同じ立場だったら、どうするだろう」と想像する。特に、どんな状況であれ、「あなたが触ると穢れる」などと罵られたら、逆上しないではいれれないだろう。

加害者からみたこのケース。「あなたが触ると穢れる」などと言われたらさすがに辛いが、だからと言って手を上げていいということにはならない。繰り返すがDVは犯罪です。そんなことを言う妻とはさっさと別れてしまえばいい。もし本心でないのならば、そこで妻の態度もあらたまるかもしれない。

DVの実態を被害者と加害者との双方からのインタビューでつまびらかにした書籍。暴力により支配されるのではなく、逃げる勇気も必要だと言うことがわかる内容でした。

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