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『書く技術・伝える技術』倉島 保美

目指すのは相手に「読ませない」文章!

ビジネス文書で求められるのは、
●伝達性(内容が効率よく伝わる)
●論理性(内容が論理的に構成されている)
●作業性(文章を速く書ける)

つまり “書き手も読み手も「負担がかからない」文章テクニック"です!

基礎編⇒理論編⇒実践編と順を追って説明する構成で「書く技術」が飛躍的に向上する一冊です。

「読ませない」文章を書こう

読み手が、情報入手のために仕方なく読む以上、書き手は、読み手に負担をかけない文章を書かなければなりません。読み手に負担をかけないために第1に重要なことは、読み手になるべく文章を読ませずに、それでいて必要な情報を伝達することです。たとえどんなに有益な文章であっても、文章の中には、必要な情報と不要な情報が混在しています。なぜなら、必要な情報とは、読み手によって変わるからです。ビジネスの世界でいうならば、管理職と担当者では、同じ文章を読んでも、必要な情報が異なります。1年目や2年目の社員にとっては必要な情報でも、10年目の社員には不要だということはよくあります。したがって、ビジネス文章では、不要な情報を読ませないテクニックが必要です。同時に、必要な情報を読ませるテクニックが必要なのはいうまでもありません。

必要な情報を最小限で要約し、読み手に一読で理解される文章が理想。ビジネス文書のみならず、文章を書くときは読み手になるべく負担をかけさせない文章が良いでしょう。まずは結論から書き、文章の冒頭には重要な情報をまとめて書くようにすると、読み手が最小限の労力ですむようにします。これができると読み手は時短につながるので評価されるようになるでしょう。結論や重要な情報がなかなか出てこない文章では、どこまで読み進めれば良いのかという問題が出てきます。それだけ文章の冒頭はインパクトがあるのです。

会社の上司に、「いいから早く結論を言え!」と怒られた経験がある人も多いのではなかろうか?上司や会社のトップとやりとりするときは結論から述べないと雷が落ちます。トップは忙しいので、まず結論を知りたがります。それを理解しているのとそうでないのとでは差が生まれます。

パラグラフを詳しく具体的に展開する

パラグラフ内では、補足情報を使ってトピックを詳しく説明します。この補足情報こそが、文章の説得力を生みます。補足情報は、「それはどういう意味か?」「それは本当か?」に答えるように付け加えます。パラグラフでは、述べようとしているトピックに対して次のように展開していきます。

  • より詳しい情報で、トピックを深く解説する
  • 言い換えをすることで、トピックをわかりやすくする
  • 具体例を挙げることで、トピックをよりわかりやすくしたり、説得力を持たせたりする
  • 理由を述べることで、トピックに説得力を持たせる
  • データを述べることで、トピックを補強する

補足情報を詳しく具体的に述べると、文章に説得力が生まれます。トピックを述べただけだと、そのトピックに納得しない読み手が出てしまいます。例えば、「厳しい経済状況の中、多くの企業で選択と集中が進んでいる」と述べた場合、「そうかなあ。そんなに選択と集中は進んでいるかなあ」と思う人も出てきてしまいます。そこで、「選択と集中が進んでいる」理由や具体例、データを示すことで、読み手に「なるほど、選択と集中が進んでいるなあ」と思わせるのです。この「なるほど」と思えるトピックが、縦につながり横に並びして文章を構成するので、文章全体や結論に説得力が生まれるのです。

ビジネス文書や、プレゼンなどでもトピックに説得力を持たせるのは有効です。統計データなどがあるとなお一層良いでしょう。論文が出ていたりしたらそれを差し込むことで一気にトピックの説得力が増すことでしょう。

正しく書けているかどうか判断する方法

文章が正しく書けているかどうか判断する簡単な方法があります。それは、各論のパラグラフの先頭分だけで、意味が通るかチェックすることです。本書で説明した法則の2と3を守った文章は、パラグラフの先頭分だけで意味が通ります。「法則2 詳細はパラグラフを使って書く」に基づいてひとつのトピックをひとつのパラグラフで述べ、「法則3 パラグラフの冒頭には要約文を書く」に基づいてパラグラフのトピックを冒頭に書くと、先頭分だけで意味が通ります。正しく書けた証拠だといえます。

逆を言えば、先頭分だけで意味がわからなければそれは正しく書けていない読みづらい文章ということになります。

日本では学校教育の中で、文章を書くことに対して特別な教育がなされていません。書く技術・伝える技術を改めて勉強することが必要だと感じました。ビジネスの現場でも、テキストを書く機会が多い人などにも有効なライティング術を指南!

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