51Blog

興味のあることや本の感想などを綴っていく雑記Blogです。

7つの階級:英国階級調査報告|マイク・サヴィジ

   

エリートを自覚しているくせに、自分は「普通」だと強調する現代的なエリートの姿、あからさまにはスノッブな態度はとらないが、自分の審美眼や知識をひけらかしたい豊富な文化資本の所有者など、英国階級調査参加者の偏りを補正するために行った追加的なインタビュー調査からは、現代のイギリスを生きる人々の生の声が知られ、非常に興味深い。

階級の区分──初期社会学のパラダイム

階級分類の起源は、社会的地位の境界を明確にした職業区分を願うエリート意識から切り離すことができず、労働者階級にも社会的に認められる部分が多少はあったとしても、エリート層にとっては、中流階級(=非肉体労働)と労働者階級(=肉体労働)を明確に区別することが最も重要だったのである。各階級の文化や道徳的価値観に対する関心が根本にあったのは当然の帰結だ。だが、それは、特定のグループが他よりも秀でていると主張することを喚起することにもなる。民主主義が力を増していた時代の思潮と真っ向から対立するから、これは不適切な区別だとの批判に晒されることになった。  当時のイギリスは、民主的な政治制度への移行期にあった。 1918 年には男子普通選挙が実施され、 1928 年には女子も参政権を獲得した。労働組合運動は先鋭化していた。しかも、 1929 年の大恐慌に端を発した大量失業と貧困の時代を迎えていた。もちろん、専門職の多くは自らの文化的優越性を疑っていなかったが、そのような時代に、それをあからさまに主張すれば、激しく嫌悪される危険性が高かった。その結果、階級を社会学的に分類する際の文化の役割は、「はぐらかされる」こととなった。それは、同じ階級同士の中では語るのが許されることだが、通常は公言するべきではないことになったのである。

人類皆平等といくら綺麗事を言っても格差は確実に存在するし、なくなる事はないだろう。そんな中、階級を分けることによって自分の置かれた位置を容認し、納得せざるを得ない場合も。天は人の上に人を作るし、人の下にも人を作るのが世の定めということか。

資産と階級

親からの援助、とりわけ裕福な親からの援助は、若年層にとって大きな意味を持つ。親の 29% は別居している子に経済的援助をしており、子の独立期を迎える人が多い 45 歳から 54 歳に限ると、その割合は 45% にのぼる。イギリスの多くの人々の間で、かなりの富が相続されている。それは富裕層に限られたことではないが、資産額上位 20% の人々は、下位の人々と比較して資産を相続する可能性が高く、その金額も大きい。上位 20% の平均相続額は 5 万 9000 ポンド[約 797 万円]で、下位 20% は 2 万 7000 ポンド[約 365 万円]である。このようなメカニズムで、富裕層の資産はますます蓄積される。ジョン・ヒルズらはそうした実態を、「裕福な家系の優位は長期間継続する」と結論した 。  一般論として資産の重要性を明示したが、資産の最も重要な構成要素として、住宅に言及しておきたい。イギリスでは、住宅の資産価値は 1920 年代には平均国民所得とほぼ同じだったが、現在では約 300% に高騰している。 2000 年の統計では、住宅資産は純資産総額の 76% に相当し、アメリカの 54% など、他の先進諸国と比較しても割合が大きい。それでは、経済資本において住宅資産はどのような意味を持っているのだろうか。

僕の大学時代の友人の言葉で衝撃的だったのは、実家の母親からの電話で、「生きていくために、金が必要だ!送ってくれ!!」と懇願する様子を見たときだ。確かに一人暮らしでバイトもそこそこしかしていない学生にとって仕送りは生命線だ。僕のように実家暮らしで、バイトもフルにやっていた人間からすると奇異に見えたわけだがここにも格差が生じていたのだろう。

社会的紐帯と不平等

重要なのは、高所得層には地位の高い職業の知人が多数いる可能性が高いということだ。高所得層はさらに大きな接点へとつなぐ「橋渡し型社会関係資本」を持っていると言える。知人にエリートがいれば、その人を通して、別のエリートを紹介してもらえる機会が増えるからだ。彼らは「弱い紐帯」で他のエリートと結びついており、有益な情報や噂話などを共有できる可能性が高いのである。それとは対照的に、「熟練労働」のグループには、社会階層による特徴が見られない。あらゆる所得層の人たちが、このグループの7つの職業のうち、平均して3つ弱の職業の知人がいると答えている。これは大きい数字で、熟練労働グループの職業の人は幅広い職業の知人がいることを示している。受付係やショップ販売員、郵便局員などを含むこのグループの職業の多くが、さまざまな階層の人々と接触する機会が多い仕事であることがその理由と考えられる。また、この職業グループには電車運転士など人の目に触れない職業も含まれている(したがって、これらの職業の知人がいるという人はあまりいない)。しかし、定型労働のグループはもっと孤立している。低所得の人々と比較して、高所得層には定型労働グループの職業の知人がずっと少ない。

エリートと呼ばれるような大学に入っていると友達もエリートなわけでそこに階級社会的な構造が見え隠れする。

英国を舞台に階級社会を7つに分けて徹底調査。16万人にも及ぶサンプルから見えてきたものとは?

 - Book , , , ,