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2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望|落合 陽一

      2019/11/15

2030年の世界を見通すSDGs。これから2030年までに何が起こるのだろう。未来を予測するためのデータには、様々なものがありますが、ひとついえるのは、これからの社会は今までとは全く違ったルールによって営まれるということ。現在の世界はどうなっているのか、これから世界はどこに向かっていくのか。SDGsの枠組みを借りながら、世界の問題点を掘り下げると同時に、今起こりつつある変化について語ります。

これからの「世界」について

これからの「世界」について考える上で、重要な鍵となりそうな国際的な枠組みが登場しています。そのひとつが本書のテーマにもなっている「SDGs」です。官庁街や会議やイベントで、SDGsのロゴをかたどったカラフルなドーナツ型のバッジをスーツにつけている人を見かけた人もいるのではないでしょうか。先述したようにSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標) は、持続可能な世界の実現のために定められた世界共通の目標のことです。「持続可能な世界」とは、今現在生活している私たちの要求を満たし、かつ、将来の世代が必要とする資産を損なうことのない社会のことです。その実現のために、貧困から環境、労働問題まで 17 のゴールを掲げたSDGsは、2010年の国連サミットにおいて全会一致で採択され、2030年の達成を目標としています。

SDGs:Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)という言葉が世の中に出てくるようになってからだいぶ経つが意味についてはおぼろげな理解しかなかった。2030年までの目標達成をうたっているが、実際のところ難しいのではなかろうか。目標だけはしっかり掲げていても実行不可能なら絵に描いた餅だ。それでも有効な手段を日々講じていくのは必要なことだろう。

テクノロジーと人口で未来を俯瞰する

今日、テクノロジーが重要な意味を持つのは、インターネットの普及以降、 20世紀まで存在していたさまざまな境界を超える性質を持つからです。たとえば、ニュースのチェック、日用品の買い物、タクシーの配車から晩御飯の店探しや友達とのやりとりに至るまで、多くの生活の基盤が情報テクノロジーの上に成り立っています。そしてその情報テクノロジーは企業、業種、民族、国家などの壁を越えてさまざまな価値をやりとりしています。また、バイオテクノロジーやモビリティは、医療や食や移動障壁などの境界も再定義しようとしています。その中でも、情報テクノロジーによってそのような「境界」を超える優れたハードウェアやソフトウェア、およびITプラットフォームは、国家や人種や宗教を問わず、世界中の人々に商品やサービスを販売し、手数料や広告料によって富を徴収します。パソコンが多くの人の手に渡るようになった 90 年代には、マイクロソフトがウィンドウズOSで世界を席巻しましたし、現在はGAFAMが国境を超えるサービスで世界中の人々から利益を得ています。2019年1月時点のアマゾンの時価総額は、7970億ドル。2017年のブラジルの国家予算(推計) が7337億ドルであることを考えると、一企業でありながら一国の国家予算を 凌ぐ時価総額となっています。2019年4月時点の*3 フェイスブックの全世界のユーザーの数は約 23 億8000万人で、世界最大の人口を持つ中国の約 14 億人(2019年7月) をはるかに上回ります。

誰しもGAFAMが生み出すサービスや商品を扱う世の中。一つの国家よりも多くのユーザーを有するような現状になっている。一企業が一国の国家予算をも凌ぐ時価総額を持つことは市場にとってインパクトが半端ない。

労働──専門職の代替が急速に進む

SDGsの目標8は「働きがいも経済成長も」です。この分野で最大の技術的トピックは、AIやロボティクスによる、現状の職業に対する人間の労働の代替をどう捉えるかでしょう。AIが人々の雇用を代替する未来については、ここ数年、多くの識者が言及していますが、2020年以降それは段階的に進行すると考えられます。最初の大きな変化は、士業を中心とした資格専門職の代替といわれています。2030年頃には弁護士、裁判官、税理士、警察官といった、法律に基づいた判断が求められる職業の現場にAIが導入されるでしょう。これらの職業は対人技術も求められるため、人間はすぐには排除されませんが、その役割の大半が機械化され、人間は顧客からの対応を行なうインターフェースとしての役割に特化することになるでしょう。2030年代には、知的生産層へのAIの導入が始まるといわれています。研究者、コンサルタント、語学教師、クリエイターなどがAIと職能を分担するようになり、人自体が人とのコミュニケーションのためのインターフェースに近づいていくと考えられます。

AIと職能を分担する世界。そんな世界はもうすぐそこ。変化に対応できなかったらたちまち市場から弾き飛ばされるのではないだろうか。世の中を動かす事象がスピーディーな時代ならではの弊害もこれから数多く出てくるだろう。

すでに新しいルールで動き始めている世界。2030年を10年後に迎えた今どのような潮流が世界に巻き起こるのかを具に見えていく書籍です。新しい経済とSDGsについてより理解が深まる構成となっています。

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