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結果主義のリーダーはなぜ失敗するのか?マネジメントの罠とは?

      2018/10/07

「目標必達!」と叫ぶほど、部下はノルマを果たせない!? ――部下には厳しくしている。でもその分、自分だって必死にやっている。「目標必達」を合言葉に、皆を鼓舞し続けてきた……それなのに……振り向けば誰もいない!? こんな目に遭う可能性は、実は、「会社に忠実」で「優秀」な管理職ほど高い。部下に色々注文をつけているようで、結局は「とにかく結果を出せ」という指示しか出していない。このようなリーダーの隣には、不祥事や部下のメンタルダウンのリスクが常に存在している。上司側のみならず部下側の心理も知り尽くしたコンサルタントが、「優秀な人ほど陥るマネジメントの罠」の危険性を説く。

とにかく結果を出せというリーダー

言い訳などせずに──結果を出せ! 方法は任せるから──結果を出せ! 法令を遵守したうえで──結果を出せ! どんな手段を使っても──結果を出せ!なにげなく口にする場合は、 かのケースが多い。その際、あえて説明しなくても、を含意していることは〝本来〟当然である。法令遵守=コンプライアンスは企業活動の前提条件であり、これを無視してまで「結果を出せ!」などと〝本来〟リーダーが言うはずはない。にもかかわらず、現実はどうだろうか。「不正をはたらけ」と表立っては言わないまでも、それとよく似た文脈で部下を追い込んでいるリーダーがいるのではないか。いや、「いるのではないか」ではなく、「かなり大勢いる」というのが筆者の見立てである。つまり のケースだ。二〇一五年に発覚した東芝の不正会計問題も、その翌年に露見した三菱自動車の燃費偽装問題も、根底にあるのはの結果主義だった。より正確には「結果至上主義」というべきだろう。

自動車の燃費を水増しする事件などもちょっと前に起こった。厳しい各社の燃費競争によって、実現の難しい燃費を目標に掲げた結果。数値の改ざん水増しが行われたというケース。スポーツ団体の旧態依然とした体質が日々報道されている。一般の企業でも過度なトップダウンによって下部の人間が追い詰められ、不正を働くのは日常茶飯事になっているのではないか。リーダーにはコンプライアンスが叫ばれる今の時代にそった導き方が求められる。とにかく法令遵守が大前提であるという号令をかけないと、こうして不正をして結果を得ようとする輩が出てくるのは経験上も明らかだ。

不祥事の温床となる結果至上主義

東芝の元役員や子会社の社長が、NHKの報道番組『クローズアップ現代』で生々しい証言をしているので、一部を引用してみる(『東芝 不正会計の衝撃~問われる日本の企業風土』二〇一五年七月二九日放送)。 「△△さん(社長名)は対外的に必要以上に高い目標を公表してしまう。下のものが『そんな数字無理でしょ』っていうくらいの」(元執行役) 「△△さんはあからさまに『経理なんて言われたとおりに数字をつけておけばいいんだ』と発言し、そうした考えがほかの幹部の間でも広がっていった。△△さん以来、経理の立場が弱まった」(子会社元社長)「私としても『こんなことでいいのだろうか』と正直思った。ただ、自分が何か発言すればどうなるというレベルの話ではなかった」(元取締役)「財務部の社員が、『社長はこの部分について攻めてくるぞ』とか『ここはきちっと準備したほうがいいぞ』といったアドバイスをしてくる。社長の分身みたいな存在。社長の意に沿う数字を作ることに一生懸命になってしまった」(子会社元社長)本来は会計のチェック機能を担う部署までがトップの暴走に巻き込まれ、最後はトップの意のままに「数字を作る」はめに陥ったことがわかる。

とにかく結果を出せという上層部。そのしわ寄せが下で働く者にとってプレッシャーとなる。技術職について詳しく、それは無理な目標だとわかる上司ならば良いが、そうでない場合は悲劇が起こる。大企業などともなると一社だけの問題ではなく、子会社にもその負担は及ぶ。結果子会社を巻き込んだ形で、不正や不祥事が明るみになるまでそういった行動は続くのだ。様々な不祥事が明るみになるなか、これからの企業は自分のところは大丈夫と言えるぐらい徹底してコンプライアンスの意識を植え付けないと、下層部には声が届かない。

残業ゼロへの挑戦が仕事の質を高める

仕事量が多ければ残業もやむなし、と考える人が少なくないようだが、コンサルタントの目から見ると、残業が慢性化している職場には共通した傾向がある。□ メンバーの多くが始業時刻ぎりぎりに出勤する。□ そのため業務にとりかかる時刻が遅く、受け身の仕事が多い。□ 仕事の段取りや優先順位づけがきちんとできていない。□ スケジュール管理がなりゆき任せで、途中変更がよくある。□ ミスややり直しが頻繁に発生し、業務の進捗状況が悪い。□ 終業時刻まぎわになって上から仕事の命令が下ることが多い。□ 上がのんびり残業をしているため、下もしかたなく付き合う。□ 残業を織り込んでダラダラ仕事をしている雰囲気が蔓延している。□ 結果として部署全体のモチベーションが低い。仮にあなたの職場が慢性的な残業を強いられているとしたら、右の項目を反対の表現にしてチェックリストをつくってみることをおすすめする。

日本の企業は大部屋でワイワイガヤガヤしながら仕事をするのが当たり前となっているが、それによって生産性が下がり、残業が状態的になっているケースが多いようだ。一人一人に個室を与えて集中して就業時間内に業務を終わらせるようにしたらちゃんと同じ量の仕事をさばけたなんて実験結果もある。

上層部から降りてくる目標はときに下部にはプレシャーとなり、何をやってもいいから結果を出せと聞こえることも。そうなってくると不祥事や不正の主たる原因となり目標を達成したとしてもそれが偽りのものとなることだってある。結果主義に走る前に車内を取り巻く環境を整備しなければ結果主義のリーダーによって思わぬ痛手を負うこともある。

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