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捨てられない民主主義。乱世に必要な政治リーダーとは?

      2018/03/14

米朝衝突の危機に加え、帝国主義化する中露の指導者は独裁者と化しつつある。グローバリゼーションの進展で、経済も政治も格段にスピードが速くなり、迅速な意思決定を求められるようになった。手間もコストもかかる民主主義に対する市民のいらだちは募るばかりだ。だからといって、民主主義は捨てられない。こんな乱世に、政治のリーダーはどうあるべきなのか…。

北のミサイル発射にアラートを鳴らすのはやり過ぎ!?

佐藤 「北のロケットが日本の頭上を通ることなど、許されない」という人は、いまこの瞬間にも、ロシアや中国をはじめ、日本上空をいろんな国の人工衛星が行き交っていることに、想いを馳せるべきだと思うのです。

手嶋 そうやって検証してみると、ミサイルの発射にアラートまで鳴らすという行為が、いかに「やり過ぎ」だったかということが、ますます一目瞭然になりますね。

佐藤 誤解なきように申し添えておけば、いまのはあくまで現状分析で、北朝鮮擁護のように取られるのは本意ではありませんよ。国連決議に反している以上、日本政府が北朝鮮に対して強く抗議したのは、当然のことです。

日本上空を無数の人工衛星が飛び交っているのは事実だが、それは攻撃能力のない打ち上げロケットから放たれたものなので、国民は不安を感じることなくいられるのだろう。もしそれが核弾頭を積んだミサイルならやはりJアラートは鳴らすべき。アラートを聞いて屋内に避難することで助かる命もあるかもしれないからだ。直撃したら避難もあまり意味のないものになるかもしれないが、とっさに頑丈なビルや地下に避難することで助かるのならそれでいいだろう。もちろん避難に適した建物や地下空間が田舎ではほとんどないなどという議論も生まれてくるが。

武力発動のもう一つのケース「先制攻撃」

手嶋 武力発動のもう一つのケースは、先制攻撃です。このまま北朝鮮の核・ミサイルの開発・実験を放置していれば、アメリカの安全が脅かされる。そう断じて先んじて攻撃に踏み切る。一種の自衛のための措置だと主張するのでしょう。トランプ政権は当初、水面下でレッドラインを仄めかしていました。六度目の核実験に踏み切るか、ICBMの発射実験をすれば力の行使を、と。これは報復攻撃と先制攻撃の中間に位置すると言ってよいかもしれません。しかし、レッドラインは相手がそれを超えれば、武力発動に踏切らざるを得ないため、危険な側面が秘められています。

アメリカにとってレッドラインとはどこにあるのだろうか?興味深い発言を共和党の有力者が話していたという。公海上での水爆実験がレッドラインになると兼ねてから示唆していたが、水爆実験ならどこで行ってもそれが新たなレッドラインとなるとの見解だ。

核兵器を持つ持たないの話になるといつも思うのだが、全ての国が核の保有を一斉にやめて国連などが厳しく管理すれば、核開発や軍事費に回すお金がもっと有効に使えるようになるのではないかと思う。素人の浅はかな考えかもしれないが、国連など世界的機関の影響力が弱すぎることに問題があるのではないかと思う。

全てはアメリカのために

手嶋 そうです。トランプは、「すべてはアメリカのために」と唱えることで、東部エスタブリッシュメントのメディアの予想を覆して見せました。でも、我々からするとちょっと異様にも映るトランプ候補の主張を、広範に受け入れる素地があるのもアメリカ社会なのです。そういう潮流が社会の底流に流れていなければ、こんな「奇跡」は決して起きません。こうした地域に住む人々は、八〇〇〇万人とも言われています。信じられないかもしれませんが、その多くは公的な教育を受けずに、エバンジェリカル(米福音派)の教会から送られてくる教科書を使って、親に教えられているのです。それが先祖代々、連綿と続いていて、これからも続いていくのでしょう。彼らは、自分たちの「精神の王国」に国家権力が入り込んでくるのを断固として認めません。北アメリカの屋台骨をなす地域に、我々の想像を超える「内向きのアメリカ」が息づいている。アメリカはアメリカのためにーーこうした主張を掲げるトランプ政権をきっぱり支持する人々がいる。確かに我々がそんな人々の存在を理解するのは至難の技ですね。

公的教育を受けずに教会から送られてくる教科書で学ぶ人が八〇〇〇万人!?これには驚いた。こうした背景を知ると、トランプがいかにして支持を得たのかが分かる気がする。アメリカファースト、景気は上向きだがこれからどこへ向かうのか?

中国との大きな摩擦

佐藤 いみじくもバノン氏が名指ししたように、対中貿易というのは、政権にとって、経済面で最大の課題と言えます。だからといって、そこで「国境に壁を作るぞ」と同じようなスタンスでアメリカ・ファーストを貫徹しようとすれば、中国との大きな摩擦は避けられません。彼らは、たぶん我々が想像する以上のジレンマに陥っているのではないでしょうか。

すでにワシントンまで射程に収めるICBMを持つ中国。外交ゲームという観点からすれば、北朝鮮とは比べ物にならないくらい厄介な相手なのではないだろうか。

トランプ、金正恩、習近平、世界のリーダーたちは今何を思うのか。気がつけば「独裁化」が進むが民主主義は捨てられない。乱世の権力者たちにリーダーとはどうあるべきかを問うていく。

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