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「いいね」の先にある熱が伝わる顧客戦略とは?

      2018/04/03

「消費者は嘘と退屈が嫌い」スマホ時代のコミュニケーションは「広く浅く、多くの人へ」から「熱狂的ファンを突破口に拡散」へ。熱狂を巻き起こす企業の顧客戦略は「囲い込み」ではなく「顧客と共に未来を描いていくこと」にシフトしている。本当に大切な顧客は誰なのか。「熱量」をキーワードに新たな関係構築のヒントを探る。

スマホとSNSが変えたもの

TIME誌は年末にその年を象徴する人物を表紙に掲載することで知られるが、2006年12月に表紙を飾ったのはデスクトップPCだった。そのディスプレイには「YOU.」と一言表示されていた。「あなたが主役ですよ」というメッセージである。その下には”Yes,you control the Infomation Age.Welcome to your world.”という言葉が添えられた。情報時代の主役はマスメディアではなく個人であると宣言したのだ。芸能人やセレブが一般大衆への影響力の中心にいることは今も変わらないが、ユーチューバーやインスタグラマーなど、特定のプラットフォームで数百万、数千万規模のフォロワーを抱える人々がそこに加わった。そしてライブ動画を最長しながら、あるいはインスタグラムの写真投稿から商品を購入することがシームレスに可能となった。

僕も2年以上前にInstagramに登録してからほったらかしにしていたのだが最近になって本腰を入れてやってみようと頻繁に写真を(とはいえ読んだ本とかばかりだが)投稿するようになった。プロフィールにブログのアドレスを加えておいたら、少ないがブログへの流入も見られた。スマホで写真をとってチャチャっとブログの宣伝ができるのである。インスタグタムからの流入者は、Google検索からの流入者に比べ、滞在時間が長く多くの記事を読んでくれていることがデータからも読み取れた。なんとなく始めたInstagramでPV数も15%〜30%程度増加したのである。主に「フォロー」や「いいね」するのはハッシュタグに読書関連のワードが入っている投稿に集中させることでより狭い範囲の人たちにアピールできることがわかった。僕自身もフォローさせていただいている人の投稿を見て面白そうなほんと出会える確率も数段上がった。同じ書籍を多くの人が紹介していたら、Amazonでポチってみたりと読書ライフが一段上に上がった感じだ。

ビリー・ジョエルは彼の本当のファンを大切にすることに決めた

ビリー・ジョエルはあるとき、ライブの最前列にはいつもお金持ちで、女性をはべらせている観客が並んでいることに気づいた。彼らは葉巻をふかし、「さあ、楽しませてくれ」と言わんばかりの態度で、ライブの間は立ち上がって騒ぐこともない。ステージに近い席のチケットは転売されて高額になるため、リッチな人々の比率が高くなってしまう。しかし、そんな人たちを目の前にして歌っているうちに、彼は本当に自分の曲を好きで聴いてくれているファンはどこにいるんだと思い始めた。アーティストの姿は豆粒のようにしか見えなくても、会場を満たすその音楽を楽しみ、立ち上がって歓声をあげる。ライブの高揚感はそうした多くのファンから生まれる。前方の席を買えるほど経済的に余裕はないけど、アーティストに会いたい、遠くからでも楽しみたいと思ってやってくる人たちがいる。そのことに気づいてから、彼は最前列のチケットを販売するのをやめた。そして、会場の入口にスタッフを配置して、後ろの方のチケットを手にしてやってきたファンの何人かに、サプライズで最前列のチケットと交換しませんかと申し出ることにしたのだ。

最前列のチケットを手にしたファンの気持ちは言わずもがな。最近ではライブを中心に活動するアーティストが増えてきていて活況を呈している。僕はライブに行くほど一人のアーティストにハマることがないちょっと冷めた人間だ。人混みが苦手というのもあるのだが、AppleMusicで聴けない楽曲は聴かない(そもそも存在に気づかない)。たまに話題となる曲をテレビで知ってそのアーティストを検索するも、AppleMusicにラインナップされていないアーティストを他の媒体で探そうとも思わないという情熱のかけらもない人間だ。ビリー・ジョエルのこのプラチナチケットとの交換というのは、より熱烈なファンにアプローチするといった点で優れていると思う。近頃のアイドルでいえば握手会にきてくれるファンとの交流を大事にするといったところがこれに値するだろう。

SNSの普及により企業と顧客の距離は変わってきた。インフルエンサーが影響力を持つのでそういった人たちを巻き込んでブランド戦略を練ったりする企業も多い。しかしその下にいるライトインフルエンサーともいうべき、消費者がより親近感を持てるセレブでもなんでもない一般の人たちによる宣伝効果もバカにできないものがある。より多くの人に自分たちのブランドや商品に熱狂してもらうこと(こうした人たちは積極的に商品を他者に宣伝してくれる)がこれからの企業に求められる資質だ。

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