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消費増税で本当に財政再建できる?他にやり方は?

      2018/06/26

全く減る気配のない日本財政の“借金”。国債の大半は国内消化だから大丈夫と言われるけど本当にやっていけるの? いつも話題になりながら全く成果が上がらないのは既に手遅れ? 消費増税で本当に財政再建できる? 他にやり方はないの?……借金問題をはじめ日本が抱える喫緊の課題を手がかりに、“国家の財布”を見る目を鍛える。

なぜ消費税が選ばれたのか

高所得者に相対的に重い負担を課すことができる所得税と異なり、消費税は低所得者も負担せざるを得ない租税です。それでも社会保障サービスが充実するならば、その恩恵は高所得者よりも低所得者に向かうと考えられます。現に、「社会保障と税の一体改革」では、住民税非課税世帯への現金給付や低所得者の社会保険料の軽減など、様々な低所得者対策が講じられることになります。消費税の税率引き上げによる負担増だけに注目するのではなく、それが財源となって受益をもたらす社会保障サービスを含めて考えるならば、このたびの消費税の税率引き上げも、能力説により解釈することができそうです。

借金1000兆円返済のターゲットとなった消費増税。税率引き上げは社会保障サービスなどから考えると妥当なのかもしれないが、消費を促すにはちょっと問題がありそうだ。やはり高所得者に厳しい税負担となる税制は受け入れられないのだろうか。

「累進税」を上げればいいのに‥‥

高所得になれば高い税負担となる税制は「累進税」です。累進税の定義は、税負担を所得で除算した「平均税率」(=税負担 ÷ 所得)が、所得の増加とともに上昇する租税です。所得が増加しても平均税率が一定ならば比例税であり、平均税率が低下すれば逆進税となります。典型的な累進税は所得税です。たとえば、年間200万円の所得の人の税負担が 20 万円ならば平均税率は 10%(= 20 ÷ 200)で、年間500万円の所得の人の税負担が100万円ならば平均税率は 20%(=100 ÷ 500)です。この所得税は、所得の増加とともに平均税率が上昇しているので累進税です。垂直的公平は累進税を支持します。ただ、累進税と一口にいっても、どの程度の累進性をもつ租税が望ましいのでしょうか。社会が不平等化しているときは、租税によって所得再分配を行って税引き後所得を平等化していくことが望まれるため、強い累進税が支持されます。反対に社会が不平等でなければ、強い累進税による平等化は必要ありません。社会がどの程度、不平等の状態なのか、または社会がどのような価値判断をもつかによって、税制の累進性の程度が選択されることになります。

いつも僕が言っているのは「累進税」を上げればいいのにということ。所得が多ければ、高所得者は所得税が上がったところで生活に影響があるとは思えない。せいぜい贅沢品を少し我慢すればいいことだし、高所得者同士のマウンティングのし合いが少し収まって逆に精神衛生上良いのではなどとも思ってしまう。本当の金持ちであるウォーレン・バフェットなんかは自分にもっと税金をかけろということを言っているし、ある程度の富を築いた人は、寄付の文化で社会に還元している。日本ではこの寄付や自己犠牲の文化が薄いので、やはり累進課税でがっつり税金をいただくべきだと常々思っている。

軽減税率の導入の難しさ

軽減税率を適用してもらうために業界から多くの陳情がなされ、たびたび訴訟が起こされています。どの国も軽減税率の線引きには苦労しています。いったん、ある物品に軽減税率が認められれば、自分たちの物品にも適用してもらおうと、様々な業界からの要求が出てきます。これが業界と政治に癒着をもたらしかねません。軽減税率を設けることは、その物品に対して「隠れた補助金」を与えることと同じです。消費税以外の租税でも、一部の物品に対しては課税を免除する租税特別措置という仕組みがあります。租税特別措置も、その業界に対する「隠れた補助金」だとして問題になりました。軽減税率も租税特別措置と同様の性質をもつのです。

消費税を増税するといつも話題に上るのが軽減税率の導入。しかし、この制度を導入している国では自分の会社、業界が関わりの深い商品も軽減税率の対象にして欲しいと陳情がなされ、訴訟も起きる事態に。制度を完璧なものにするにはかなりの労力を必要としそうだ。

より良い社会保障サービス

近年の財政危機の根底には、よりよい社会保障サービスを求める声に応えようと大衆化した政治が、公債という安易な資金調達手段をいかにして統制するかという根本的な問題が横たわっているのです。また、日本ではバブル経済が崩壊、それに引き続き2008年にリーマンショックが起こり、企業の倒産が相次ぎました。失業者も増え、生活保護世帯の増加は顕著です。この非常事態に対して日本をはじめとする多くの国々では、財政の歳出を増やすことで対応してきました。さらに、日本をはじめとした多くの先進国で、家族のあり方が多様化しています。核家族化が進み、単独世帯、共稼ぎ世帯が増え、家族で老人や子どもを世話することは困難になってきています。こうした家族の限界を、年金制度、介護制度、子育て支援制度によってカバーしようとしているのが政府です。

人々はより良い生活をするために社会保障サービスの充実を求めます。それに貢献していると言う意識を納税者に持ってもらうことが大事。累進課税で働いても働いても税金をごっそり持っていかれると言う高所得者もいるかと思うが、そういう人たちには社会に帰属する意識が希薄だと思う。寄付の文化がない日本では社会貢献としての税金納付の位置付けを理解すれば、高額納税者にさらなる累進課税を与えてもそれは誇らしいこととして喜ぶこともできるだろう。

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