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『日本の子どもの自尊感情はなぜ低いのか』幸福度の低い子供たち

      2017/10/23

無邪気に見える子どもたちも、大人の行動を冷静に見ています。言葉で表現することができなくとも、大人の言動の真意を見透かしていると言えます。大人が無意識ながら子どもの人格を尊重しない行動をとってきた。そのことが子どもにとっては心理的な外傷体験となるばかりか、子ども社会でもそれらの行動を模倣してしまう。子どもの自尊感情を育むには、産まれてきたひとりひとりの子どもの人格を認めることが重要です。

「自尊感情」を問い直す

「自尊感情」とは、外見・性格・特技・長所短所・自分の持っている病気やハンディキャップなど全ての要素を包括した意味での「自分」を、自分自身で考えるという意味です。これらの「肯定的な面」に目を向ければ、「自信、積極的、有能感、できるという気持ち、幸せな気持ち、自分を大切に思う気持ち」などと表現できますし、「否定的な面」をとらえれば、「劣等感、消極的、無力感、できないという気持ち、不幸でつまらないと思う気持ち、自分をみじめに思う気持ち」などと表現できます。当然のことながら、自分の欠点やハンディキャップをふまえた上で、自分自身のことをどう考えていくかという概念になります。ですから、「欠点を長所ととらえる発想」、「他人がハンディキャップと考えることを自らはねのける気持ち」、などというのも自尊感情と関連していると言えます。

自尊感情が低い子供たちの中には自分の居場所が見つけられない子が増えています。居場所のなさは孤独感に直結し家庭や学校などの社会でも心の居場所がなく依存対象が少ない。経済が豊かになり衣食住に困ることはない世の中でこれは一体どういうことか。昔の子供たちと言えば、食べること、寝ることは楽しみの一つであったが最近では睡眠不足など不規則な生活担っている子供も少なくない。それに加えスマホの普及でLINEなどを繋ぎっぱなしで日常を友達と過ごす子供たちには、気の休まる時間がないのだ。いじめられている子供がいた場合、これらのツールによる縛りで、学校から帰ってきても友達との関係が永遠と続く。それでも仲間から外される恐怖で断ったり接続を切る勇気はない。勉強の苦手な子の宿題を手伝ってあげるなど、スマホの普及による良い面もあるが、多くの子供たちは窮屈さを感じているという。このように子供が精神的に悩んでいても、逆に生活に満足していても、親は気づきにくいと言える。

小・中学生版QOL

小学生版、中学生版QOL尺度を用いた調査において、浮上してきた問題があります。両尺度において、全体の結果が予想以上に低かったために、「低いQOL」を平均値として捉えなければならなくなってしまう、ということです。そうすると、実際に精神的な問題を持つ可能性のある子どもたちの状態を、「平均的」(他の子どもと差がない)と見てしまう可能性が出てきます。特に、下位領域の「自尊感情」の評価においては、あまりに低い結果が出ているため、自尊感情が低い状態が一般的と捉えられることになり、精神的な問題を抱えている低得点の子どもでも、統計学的な処理を行うと差が認められないという結果が得られる可能性があります。

そういった自尊感情が低く平均値が低い子供たちを救う方法として次のようなスクリーニング方法が紹介されている。まずクラス全員の子供を対象にQOL調査を行う。その中でQOLが下位10〜15%(クラスで3〜5人程度)の子供、及び担任の先生が何らかの気になることがある児童や生徒を対象として、スクールカウンセラーたちで面接を行う。それにより子供たちの個別の問題点の有無、その内容を、医師や臨床心理士が確認。特に他機関に相談が必要な子供達を検討します。

このような方法で、子供たちのQOLを計るとしているが、実際に学校や家庭で閉塞感がある子供や、いじめられている子供は、アンケートなどでも本当のことを書かないし、面接でも元気なふりをするもんです。僕がそうでしたが、いじめられているという事実は堪え難いほど不名誉なことだし、人に言えることでもない。なので大人たちが見えないところで行われているいじめやなんかを可視化するため防犯カメラでも設置するぐらいしか方法はない。子供たちは大人に見られては困るので防犯カメラのサポートしている範囲ではいじめを行えなくなる。いわゆる安全地帯ができるわけです。それでも裏でいじめは行われるでしょうが。

子供とどう関わったらよいか?

夫婦喧嘩などで怒鳴りあうことは、ある程度はどの家庭のもあることですが、度が過ぎると子どもに大きな不安を与えることになります。児童虐待防止法では、配偶者間暴力のある家庭で育った子どもは、心理的虐待を受けたこととみなすという考え方がなされています。

子供は大人をよく観察しています。特に両親の言動を観察し自分のとるべき行動を模索しているといってもよいでしょう。このことを忘れてはなりません。

情報過多で窮屈なツールに縛られる世の中で子供が自尊感情を育むにはどうすればよいのか。教育者や親御さんに読んでほしい一冊です。しかし本当に読んでほしい親御さんはこのような本に興味も持たないでしょうがww

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