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『闇ウェブ』買えないものは何もない!悪魔のネットショッピング

「ダークウェブ」というものをご存知だろうか? 2015年、アメリカで史上最悪のサイバー闇市場「シルクロード」の運営者に終身刑が言い渡された。「シルクロード」は「闇のアマゾン」とも言われ、違法薬物などを扱い、大金を荒稼ぎしていた。また同年、シカゴの二児の父が、世界最大の不倫出会いサイト「アシュレイ・マディソン」の個人情報が盗まれ、ネット上で公開されたことを受けて自殺した。通常の検索ではたどり着けないネットの深淵がここに。

出会い系サイト「アシュレイ・マディソン」

ドナルドが自殺したのは、世界最大の不倫出会い系サイト「アシュレイ・マディソン」のデータ流出事件が北米のメディアで一斉に報道された当日だった。アシュレイ・マディソンは「人生は短い。不倫しましょう」との謳い文句を掲げ、全世界に三七〇〇万人のユーザーを抱えていたが、二〇一五年七月に「インパクト・チーム(Impact Team)」を名乗るハッカー集団からサイバー攻撃を受け、膨大な会員の個人情報が盗まれていた。会員情報を盗み出したインパクト・チームは、アシュレイ・マディソンを運営するカナダのアヴィド・ライフ・メディア社に対して、サイトの永久閉鎖を要求した上で、こう警告していた。「この要求が飲まれなかった場合、我々は全顧客の記録、プロフィール、彼らの性的妄想、ヌード写真、会話、カード決済、実名、住所、そして従業員に関する文書とメールアドレスを公開する」

結局、アヴィド・ライフ・メディア社は取引に応じなかったため、「時間切れ」を伝え会員情報はネット上に公開された。不倫出会いサイトなので、情報が公開された人は自業自得としか言いようがないが、これにより自殺者まで出ている。これと同じようなことが、ショッピングサイトなどで起きたらと思うと背筋が凍る。ネットに情報を流されて困るような行動を普段からしないことを心がけるしか防御の方法はない。

今やサイバー犯罪の主戦場はインターネットの奥底。史上最悪のサイバー闇市場シルクロードのインパクト・チームがアシュレイ・マディソンの会員情報を公開したのもダークウェブだ。社会全体がインターネットに繋がっているので、日本も決して無縁ではない。一時期、2ちゃんねるが麻薬取引の温床になっているというようなことを聞いたことがあるが、現在では犯罪者にとって足がつく2ちゃんねるは現在では嫌われているようだ。

ダークウェブとその他の空間の違い

まずダークウェブと他の空間との大きな違いは、そのアクセス方法にある。サーフェイスウェブもディープウェブも、基本的にウェブブラウザーがあればアクセスすることができる。しかし、ダークウェブは専用のソフトウェアによる通信方法でないとアクセスできない空間だ。そのため一般的な検索エンジンの自動収集プログラムはもちろん、知識がないユーザーにはアクセスすることができない世界となっている。

具体的な通信方法も掲載されていたがここには書かないが、これらの通信方法は匿名性が高く犯罪者にとって捜査当局からの格好の隠れ蓑となる。元々は迫害を受けている政治活動家やジャーナリストの中で使われていた技術なので根絶していいものかどうかは賛否両論だろう。ダークウェブの特徴の一つとして「情報を探すのに非常に手間がかかる」というのがある。僕らが普段使っているサフェイスウェブのように一般的な検索エンジンが使えない世界なので、狙った情報を効率よく探す方法がない。サーフェイスウェブやディープウェブにある掲示板やリンク集などのコミュニティから地道に辿っていくしかない。やっと見つけたその場所も明日にはなくなっている可能性も。

夜逃げ同然で姿を消しては現れる彼らにたどり着くには、アンダーグラウンドコミュニティーに案内を頼むか地道に探すかのどちらかだ。僕らが使うサーフェイスウェブにはこうした危険な情報はほとんど出てこないので心配する必要はないが。

盗まれたクレジットカード情報はいくらで売られているのか?

盗まれたクレジットカード情報は、闇市場で最も取引の多い商品の一つだ。セキュリティ企業マカフィーのレポートによると、販売されているデータにはソフトウェアで生成されたカード会員番号(PAN)、有効期限、CVV2番号(セキュリティコード)の有効な組み合わせも含まれているという。販売者は盗難カードのデータに「追加の情報」を水増しすることで少しでも高く売ろうとしているようだ。平均単価は、クレジットカード会社、クレジットカード情報、有効期限、氏名、セキュリティコードのセットで、一件六〜一〇ドル程度だ。販売されたデータの中に利用できないものがあった場合、入手から一時間以内であれば無料で交換することを謳う業者も多い。

こういった情報に加え、引き落とし銀行口座、生年月日、請求書送付先住所、暗証番号など全ての情報が入ったものは「全ての情報(Fullzinfo)」と呼ばれ一件三五ドル程度だという。盗まれたカード情報は、口座残高が高いほど高値で取引されるそうだ。

ダークウェブは僕らの身近にあるようで、サーフェイスウェブとは違う空間。触らぬ神に祟りなしといったところか。下手に手を出して世界最大の不倫出会いサイト「アシュレイ・マディソン」の登録者のように痛い目を見ないように注意喚起して終わる。

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