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承認をめぐる病|斎藤 環

僕は承認欲求が人一倍強い。なのでSNS大好きっ子(おじさんですが)最近でこそ「いいね!」の数は気にしなくなりました。だいぶ前にあったInstagramのアップデートでいいねの数を見るのにワンアクション増えたことで面倒なのでいいねの数を気にしなくなりました。承認を巡る葛藤を精神科医の目からみた自分を愛せない人のための書籍です。

若者文化と思春期

スクールカーストとは、いわば「教室内身分制」である。新学期の教室内では、しばしば複数のグループ( 同質集団)が発生する。グループ間にははっきりとした上下関係があり、極端な場合、個々の生徒たちは、グループを超えて交流することはまずないとされる( 土井隆義『キャラ化する/される子どもたち―排除型社会における新たな人間像』岩波ブックレット、二〇〇九年)。ちなみに「キャラ化」はこうした同質集団内でなされることが多い。それでは、何がスクールカーストの序列を決定づけているのか。「コミュ力」、すなわち「コミュニケーション・スキル」である。ただし、ここでいう「コミュ力」とは、場の「空気が読め」て「笑いが取れ」るような才覚のことを意味している。カースト最上位のグループは、自分は一切いじられることなく、ほかの生徒をいじって笑いが取れるエリートの集団だ。中間層グループは、適切に空気を読んで、いじる側、笑う側に荷担しようとするギャラリーである。そして最下層を占めるのは、スキルが低いために他の生徒に絡むことが不得手で、いじられ、笑われ、あるいはときにいじめの対象となるような生徒たちだ。こうした序列化もまた、「キャラ」と同様、自然発生的に決定づけられる。教師はこうしたカーストの存在を認識していない場合もあるが、むしろその存在を認めたうえで、積極的にクラス運営に活用している場合すらあるという( 鈴木翔『 教室内 カースト』光文社新書、二〇一二年)。

僕は高校の時、現在で言えばスクールカーストの下層の中のリーダー的存在だった。ある日グレゴリーのバックパックを購入して学校に持っていったら、イケメングループの持ち物と被ってしまい、〇〇がかわいそうだよなどと理不尽な物言いをされた。持ち物さえ自由にならないのかと下層ながら憤りを覚えた。それだけカースト下層には学校生活で様々な制約が生まれるとその時感じた。

終わりある物語と終わりなき承認

承認欲求そのものは、人間にとって普遍的なものだ。ただし最近の若い世代に特異な傾向として、マズローの欲求段階説でいえば、より高次な欲求であるはずの「承認欲求」が全面化しつつあるように思う。どういうことだろうか。マズロー仮説に従うなら、通常は生理的欲求→安全欲求→関係欲求→承認欲求( →自己実現欲求)、という順番で欲求が生ずる。つまり衣食が不足した状況下では承認どころではないはずなのだ。それが若い世代では、極端にいえば「衣食住よりも承認」といった“逆転”が生じつつある。しかもその承認が「キャラとしての承認」であるという点に、もうひとつの“問題”がある。「キャラ」とは、文字どおり「キャラクター」の略称だが、単に「性格」だけを意味しない。それは個人の意志とは無関係に設定される、コミュニケーション・ネットワークにおける位置づけのことだ。SNSにおけるアバターがこれに近いが、その位置を自分で選択することはできない。中間集団の中で自生的に棲み分けと属性の決定がなされた結果得られたもの、それがキャラなのだ。

最近の子たちは様々なキャラクターをSNSで使い分けていると聞きちょっと驚いたことがある。複数アカウントを使い分けるなんて器用なスキルが求められるのかとちょっと不思議な感覚になりました。

震災と「嘘つき」

「嘘つき」と被害者との関係には、以上のほとんどすべてが該当する。被害者は嘘つきのほうが多くの情報をもっていると信じている。嘘つきはしばしば、彼らの善意や正義感を強調する。それはあたかもカルトの教祖と信者のような関係に近づくだろう。いったんそうなってしまうと、教祖がどんなデマを飛ばそうと、その嘘が暴かれようと、被害者は事実をねじ曲げてでも「嘘つき」の言動を正当化しようとする。ここまでくると事態は深刻である。被害者は自らが被害者であることを決して認めない。すでに外傷性の絆によって、彼らは状況を正確に認識することが難しくなっている。もし騙されていた事実を認めてしまうと、彼らの自我が破壊的なダメージをこうむってしまうためだ。こうして、被害者が「外傷性の絆」を抜け出すことは、次第に困難になっていく。 しかし、その困難さは、「嘘つき」のほうも同じだ。彼らも、すでに後に引けなくなっている。彼らにとっては被害者からの支持のみが、唯一の存在基盤なのだから。いまさらデマの謝罪や訂正などできるはずもない。彼らにできることは、ひたすら嘘を重ねながら、「外傷性の絆」をいっそう緊密なものにすることだけだ。政府や東電、あるいは「アメリカ」や「御用学者」といった「敵」の存在もまた、「外傷性の絆」を固いものにしてくれる。カルトが社会への被害妄想や敵視によって信者をつなぎとめようとするのと同じやりかただ。

ネットの情報は玉石混淆。フェイクニュースを見破るスキルと、一次情報を取りに行くスキルが求められるってことですね。

SNSの普及とともに承認欲求という言葉が世間でよく使われるようになった。その承認をめぐる様々な事象を紹介した書籍。

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