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興味のあることや本の感想などを綴っていく雑記Blogです。

『子どもの「心の病」を知る 児童期・青年期とどう向き合うか』

   

精神的な問題を抱えた子どもたちが増えている。わが子の異変に人知れず悩みを抱えている親たちも多い。だが、専門家に相談するにしても、精神科は気軽に訪れるにはまだ抵抗がある。児童や思春期・青年期という難しい年代の子どもたちの心に、いったい何が起きているのか?発達障害、過食症、PTSD、躁うつ病、統合失調症、ひきこもり、家庭内暴力―本書は、家庭で子どもから大人に育つプロセスを追いながら、児童期・青年期の臨床精神医学のエッセンスを細大漏らさず収録した心の航海図である。

子供の発達と愛情の大切さ

イギリスの児童精神科医ウィニコットは、非行や精神的、性格的な問題を抱えた人には、深刻な愛情剥奪体験(愛着の対象であり愛情や世話をしてくれる存在を奪われる体験)が多いことを臨床経験の中で知り、子どもの健全な自我の基盤の形成に、母親の全身全霊をこめた愛情が非常に大切であることを説いた。彼は、子どもの成長に抱っこ(ホールディング)が果たす役割の重要性に注目し、「抱っこ」が「共に生きる」原点であり、他者との関係を築く出発点であることを強調した。重篤な性格障害の人などでは、幼い頃、しっかりと守られ、支えられる「抱っこ」の環境が損なわれていたことを、多くのケースの治療の中で明らかにした。愛情剥奪や見捨てられ体験の影響は、その子が大きくなってから起きる場合でさえ心に浅からぬ傷を残すが、母親をもっとも必要としている早い時期に、母性的な愛情を奪われることは生涯にわたって深刻な影響を残す。そうした体験は、比較的短期間のものであっても、免疫系や内分泌系、脳や身体の成長にも支障をきたす。成長ホルモンの分泌が低下して成長が止まったり、免疫力が低下して病気がちになったり、脳の発達にも遅れが生じやすくなるのである。

一般的には子供の頃、親に抱っこされて愛情の中で成長していく。しかし、それが叶わないと、成長の過程で何らかの障害が出てくることも。病気や脳や身体の成長に支障をきたす場合もあるそう。子供に愛情を注ぐ自信のない人は子供を持つ前に少し考えた方が良いだろう。愛情を注いでくれるはずの親が、子供をほったらかしにするようでは、子供がかわいそうだ。何らかの理由で子供と触れ合えないのであれば、然るべき施設への入所も考えた方が良い。

一方、幼い頃の母親との離別によっても愛情剥奪体験は起こる。母親が仕事やなんかで手いっぱいで、愛情を注げない場合と同様子供の成長過程で支障をきたすのだ。子供は親に心配かけまいと必死で我慢する場合も多く見受けられ、大丈夫そうに振舞っていても、のちに問題を起こすケースも多々ある。

暴走する神経 統合失調症

ムンクの「叫び」と発病  有名なムンクの『叫び』というリトグラフは、ムンク自身が統合失調症を患い始めた頃に制作されたものである。両手で耳を押さえ、外の世界に押しつぶされそうになりながら、絶叫するさまは、統合失調症の人に押し迫ってくる、世界が変容するような不安と恐怖を、生々しく語っている。『叫び』を描いた当時、ムンクは統合失調症の前駆期にあった。神経が過敏で高ぶりやすくなり、人々の視線が自分に迫ってくるように感じられ、己の存在が足下から溶けていくような恐怖に怯えていた。まさに発病の予兆に震えながら、ムンク自身の世界没落体験を画面にしたものなのである。ムンクの作品がありありと教えてくれるように、統合失調症という病の中核的な症状は、外の世界が自分というものを圧倒し、侵入し、崩壊させてしまうという存在の危機なのである。外界の猛威を必死に防ぎ止め、自らの存在を守ろうとするぎりぎりの過程が、統合失調症の経過を複雑なものにしていく。多くの場合、統合失調症は、非常に長い経過をたどる。見え隠れしながら、ゆっくりと症状が忍び寄ってくる時期もあれば、止めどもない勢いで、急激に悪化する局面もある。ムンクが迫害妄想や追跡妄想、幻聴といった統合失調症の本格的な症状を示したのは、『叫び』の制作からさらに八年後のことである。二十代で最初の異変が兆し始めてから、十年以上経過していた。  ムンクは自分が監視され、後をつけられ、秘密がひそかに調べられ、密告されようとしていると感じるようになる。誰もが自分の噂をし、悪口を言っている声を聞き、新聞の記事までもが自分のことを書き立てている気がした。女の声が「殺すぞ」と脅し、窓の外から聞こえてきた物音から、自分が包囲されていると思う。だが、そこから逃れようとしても、嘲りの声はどこまでもついてくるのだった。ムンクは、ついに友人に頼んで、自ら精神病院を訪れたのである。

僕も統合失調症なので誰かに監視されつけまわされている感覚に陥り、自分自身の行動が筒抜けになっているような感覚に陥るのはわかる。僕の場合は、母親が鬱で精神科に入院歴があったので、精神科を受診することに抵抗はあったものの比較的スムーズに精神科へ通うように。(入院するときは幻聴や妄想が激しく医療保護入院だったが)

心の病は意外と身近にあるものと考えてください。会社の同僚や友達、家族や子供など精神科を受診した方が良い場合は意外と多いと思います。もし我が子がシグナルを発していたらみなさん気づくことができますか?この本は精神疾患全般を網羅した書籍となっているので、それぞれ異なる症状の様々な疾患の特徴が詳しく書かれていて網羅的です。心の病を知るには良い入門書となることでしょう。

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