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『人類の未来 AI、経済、民主主義』これが知の巨人の答えだ!

      2017/09/30

経済や情報がグローバル化、国家、民族、宗教に根ざした争いは後を絶たない。日々情報が溢れて社会がますます複雑になると、誰しも自分が信じたいものだけを拾い見て、近視眼的に。AI、経済、民主主義、我々が抱える複雑系の問題に対して、シンプルな一見わかりやすい物語に惑わされずにどのように情報を切り取り、検証し、判断すればいいのだろうか?

「シンギュラリティ」はファンタジーか

イスラエルの歴史家ユヴァル・ノア・ハラリによると、われわれはおそらく最後のホモ・サピエンスであり、あと一〇〇年ないし二〇〇年しないうちに、われわれは自らを滅ぼすか、あるいはテクノロジーを使って無機的なポスト・ヒューマンに発展していくだろう、と。過去四〇億年、生物は「自然選択」によって進化してきて、生命は有機的(オーガニック)な存在にとどまっていたけれども、今後は初めて、インテリジェント・デザイン(創造説が説くような「万能な存在」というものになった人類が、自らをデザインすること)によって進化していくことになり、ホモ・サピエンスとの間には、超えることのかなわぬ差が生じていって、約50%にも上る人間が職を失い、役立たずになるだろう、と彼は予測しています。

このようなことは空想、ファンタジーだとするのがチョムスキー氏。確かにロボット化が進んでいますが、人間はもっとクリエイティブで満足できるような仕事に就けばいいだけで、ロボット化は労働市場にそれほど影響をもたらさない。テクノロジーの進化は確かに止めることはできないが、AIが人間の知能を超えるというアイディアは、今のところファンタジーだ。ディープ・ラーニングも同じで、AIが膨大なデータを使って繰り返し学習を重ねることで最終的に実際の知能を真似るところまでいく。グーグルが開発した翻訳機能などに使われていて劇的に精度が上がったと一時期話題になったが、やはりおかしな翻訳回答をすることはまだある。実際の知能の働きとはまだ乖離があるように思う。

ポスト・ヒューマン

われわれはすでに、コンタクトレンズ、インプラント、ペースメーカー、人工関節、人工臓器、人工骨盤、などバイオニックな存在になり始めている。また、抗生物質やワクチン、衛生環境の改善などによって、寿命はここ一〇〇年の間に二・五倍も伸び、この先さらに伸びていく可能性が十分にあるようだ。人類が遺伝学、ナノテクノロジー、ロボット工学などを取り入れることで、「ホモ・サピエンス」という存在から、知能、身体能力、判断力などを飛躍的に伸ばした「ポスト・ヒューマン」という存在になっていくこの急速な流れは、もはや止められないとも言える。

今後の未来では、映画『ターミネーター』で描かれる、AI対人間といった敵対関係でなく、AIは人間の中に組み込まれていって、人間はAIと一体化していくという。加速後的に成長を遂げているテクノロジーは遠くない未来、全く予測不能な臨界点に到達する。その地点を、物理学の用語を借りて「シンギュラリティ」と名付け、それが2045年までにその地点に到達するというのがカーツワイル氏だ。

ゲノム解読プロジェクトでは1%解読するのに7年かかったが、100%解読するには単純計算すると700年かかることになる。しかし指数関数的に解読が進めば、1年目に1%だったものは2年目は2%、3年目は4%、4年目は8%というふうに、倍々に速度が上がっていき、あと7年で読み取れると予想したのがカーツワイル氏で実際その通りになった。

AIの知能の発展

一つずつ、コンピュータが人間よりもうまくなっていっている。車の運転もそうです。六年前、AIはまだ犬と猫の区別さえつかないじゃないかと批判された。現在は犬と猫の区別もできます。他にも一万種類の判別ができるし、モノによってはすでに、イメージ認識能力において、コンピュータのほうが人間に優っている場合もあります。まだ非常に特殊なタスクではありますが、それほど狭い特化したものということでもありません。タスクは徐々に広いものになりつつあります。

AIによる画像判別は防犯にも使えて、街のいたるところに設置された防犯カメラの画像から容疑者を判別し犯人逮捕などに繋げることも。歩き方の特徴などからも個人を特定できるとなんかのテレビ番組でやっていました。人間の手で防犯カメラ映像を何時間も凝視し続けなくてはならなかったのが大きな進歩を遂げようとしています。自動運転の技術にしても、飛び出し等の緊急回避などもパーフェクトじゃないにしろ、人間の運転よりはるかにマシな結果が得られるまでになりました。

グローバリゼーションの功罪

デービット・リカードの「比較優位」の考え方に基づけば、自由貿易はどの国にも利があるはずなのですが、実際には、グローバリゼーションは貧しい国々にとって必ずしも有益でないことが明らかになりつつあります。

今でもグローバルな交易は、問題を抱えつつも全体としては世界にとって有益であると考えられています。特に生産者ではなく、僕ら消費者にとっては自由貿易はモノの価格が下がったり、品質の良いものが手に入ったりといい事尽くめのような気もします。生産者を過剰に保護し続けると高品質なモノへの労働力の移動が起こらず、発展を妨げてしまう可能性もあると考えています。

人類の未来がどのように変化するのか、考えるきっかけとなる書籍で、各方面の巨人達が未来について語っています。

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