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部長の月給68.2万円!ホワイトカラーは給料ドロボーか?

      2018/10/02

日本のホワイトカラーの労働生産性は、本当に低いのか?メディアなどでよく報じられる労働生産性の国際比較によれば、OECD(経済協力開発機構)加盟三〇カ国中一九位、主要先進七カ国(G7)のなかでは最下位となる。しかしこれは、ブルーカラーも含めた労働者全体の労働生産性であって、ホワイトカラーの生産性だけを抜き出したデータは存在しない。本書では、入手可能なすべてのデータをもとに、あらゆる角度から日本のホワイトカラーの実力を論じる。

聞きなれない「ホワイトカラー・エグゼンプション」とは?

当初、労働ビッグバンの各種の政策のなかでも一番の目玉とされたのが、いわゆる「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入であった。 「ホワイトカラー・エグゼンプション」制とは、それまで日本人には耳慣れない言葉だったが、米国などでは広く普及している制度であり、日本社会にもそれを適用しようというのである。「エグゼンプション」とは、ルールの適用を除外するという意味だ。具体的には、年収が八〇〇万円を超えるなど一部の高収入の正社員ホワイトカラーについて、思い切って法定労働時間規制(一日八時間、週四〇時間)から外してしまおうというもの。年収をどこで区切るかによって、エグゼンプションの対象範囲は大きく変わるが、日本経団連は年収四〇〇万円以上を提案した。柳澤伯夫厚生労働相は、九〇〇万円以上が望ましいのではないかと発言している。この制度が導入されると、仕事の成果によって正社員ホワイトカラーの給料が決まるので、労働時間のしばりがなくなり、基本的に残業代はゼロとなる。政府や経済界は、この制度を導入すれば、年収を減らすことなく労働時間を削減することができると考えており、正社員ホワイトカラーの労働生産性の上昇、ひいては日本経済の成長促進効果が期待できるとしている。しかし、後で詳しく述べるが、正社員ホワイトカラーの賃金を成果のみによって決定すると、逆に正社員ホワイトカラーのサービス残業(=ただ働き)が増加する危険がある。

日本のホワイトカラーは欧米諸国と比べて残業が多くそれにより賃金と労働のバランスが悪くなり、生産性が低くなっているといわれている。「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入でサービス残業が増えるという懸念はあるが、そんなのは底辺の年収のブラック企業に所属する正社員にだって言える話。実際にこの制度を導入した諸国の実情を見てみるとただ働き(サービス残業)が増えるといったことは起こっていないそうです。自分の評価を上げるために仕事をがんばるようにはなるが、それが慢性的なサービス残業に繋がるわけではないようだ。日本では高度プロフェッショナル制度と呼ばれるこの制度、「定額働かせ放題プラン」「過労死促進法案」などと揶揄されているが実際に適用されるのは高度プロフェッショナルな職能を持った人たちなワケで、会社がサービス残業を強いるならば、転職すればいい。雇用の流動化にも繋がるので多分思ったよりそんな事態にはならないのではないかと思う。

社内ニートって?

深夜までオフィスに残って仕事をする働きすぎの正社員ホワイトカラーが増加するかたわら、まったくやる気がなく、いつも定時になるとあたかもプレーリードッグのようにそそくさと帰宅してしまう正社員ホワイトカラーも増加している。そして、最近では、後者に属する人のなかから「社内ニート」と呼ばれる若者が出てきている。ニート( Not in Employment, Education or Training: NEET)は、働くことや学ぶことを放棄し、労働市場に参入してこない若者たちを指す言葉であるが、「社内ニート」は、会社に入社した後、なんらかのきっかけで働く意欲をなくしてニートと同じ状況に陥る若手社員を指す。「社内ニート」に関する公式な統計が存在しないため、その数がどれくらいに上るかは実際のところわからないが、いろいろな職場でそうした人たちが増えていると聞く。昔から、どの会社においても、やる気のないホワイトカラーは多かれ少なかれ存在していた。しかし、それは「窓際族」という言葉に代表されるように、どちらかといえば定年間近の中高年ホワイトカラーに限定されたものであった。しかし、近年のホワイトカラーで特徴的なのは、やる気のないホワイトカラーの年齢層が中高年から若年へと広がりをみせているという点だ。そうした風潮のなかで、「社内ニート」という言葉も誕生したと考えられる。

社内ニートという言葉は初めて聞きました。働く意欲を無くしているが、皆と歩調を合わせて、残業代だけはせしめるなんて人もいるらしい。表向きには仕事をしている風に装っているので、実態が掴みにくいのだそう。昔だったら窓際族という呼ばれかたをする、中高年のホワイトカラーが想像されたが、今では若い人の中にもこういった社内ニートが増えつつあるらしい。会社は実態を把握したら、やりがいを感じられる部署に移動させるなどの対策が必要。

高度プロフェッショナル制度が施行される前にホワイトカラーのあれこれを知るのに適した書籍。会社の隅に追いやられた社内ニートなどは生産性という面でも非常に問題だ。僕は病気を発症して仕事を辞めてしまったが、もし会社に籍を残していたら、社内ニートに自分がなっていたかもしれないと感じた。人ごとではなホワイトカラーを取り巻く環境の変化は必見!

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