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スポーツがアメリカを変えた!?民主主義と巨大ビジネスの狭間で

      2018/05/31

自由と平等の理念を持つ、移民の国アメリカ。全米がスーパーボウルに熱狂するなど、スポーツが大きな存在感を持つ。野球をはじめとするアメリカ発祥の競技は、社会や文化とどう関係しているか。人種や性、地域社会の問題にアスリートたちはどう向き合ってきたか。大リーグの選手獲得方法やトランプ大統領とプロレスの関係は、現代アメリカの何を象徴しているのか。スポーツから見えてくる、超大国の成り立ちと現在。

競技時間の制限と特典に対する意識の変化

ルールの統一は、お互いがそれを承認すれば競技として成立することを意味すると同時に、勝利の条件も明確にする。そして、これも中世と近代のフットボールを隔てていく。中世のフットボールは、制限時間というものがなく、どちらかのゴールに球がたどり着くまでエンドレスだった。だが、学校の校庭で子供たちは延々と試合はできない。つまり、勝利の条件の一部として、時間制限が必要になってきたのだ。だが、フィールドが校庭に限定されると、それだけゴールは得やすくなるわけで、中世の祝祭のように、どちらかがゴールした時点で試合終了というのでは、敗軍の腹の虫は収まらないだろうし。勝負自体も味気ない。となると、試合を面白くするには、制限時間内にどちらが多くゴールを奪ったかで勝敗を決する方が合理的だということになる。こうした、中世の祝祭フットボールにはなかった制限時間や得点という概念の登場も、フットボールの近代化を体現している。

このようなフットボールの近代化の一方で、球を持って走ってはいけないという禁止事項に執着した学校は、今日のサッカーの土台を築いていった。その過程でラグビーのようにオフサイドが禁止事項として定着していったようだ。フットボールだけでなくサッカーやバスケットなど様々なスポーツで、ルールの改正は今日でも行われており、より見る人を惹きつけ観客を動員する方向へと舵を切り始めている。全てのスポーツは選手はもちろん観客たちを楽しませるという共通の目的があるためルール改正によるゲームの面白さの追求はこれからも続いていくだろう。

野球発展

野球は、バスケットボールほどのスピード感はないし、投手が打者をじらすために間を取るような局面も多い。そこには、時計によって管理された産業社会のせわしなさとは一線を画す、のんびりとした雰囲気が漂っているのも事実だ。野球に見られる、こうした近代化と前近代性の混在も、実は南北戦争と深く関係していたのだ。

南北戦争後、野球はプロスポーツとして整備されるとともに、競技としても一段と洗練されていった。打率や防御率などデータとともに観戦を楽しむスタイルは野球独自のものだろう。最近では他の競技もこれに倣ってデータをよりエキサイティングな試合にするため活用するようになったスポーツも多くあるが。

「私を野球に連れてって」

野球が他の競技の追随を許さぬ神聖な国技としての地位を獲得できた背景には、ある歌の存在も無視できない。今でも大リーグの試合で七回の裏の地元チームの攻撃に入る前にスタンドの観客が総立ちで合唱する、「私を野球に連れてって」である。一九〇八年に作られたこの曲は、当初から人気を博し、一九三〇年代には実際に大リーグの試合で歌われるようになっていた。

この曲が作られた当時、アメリカにはまだ女性参政権がなく、良妻賢母の理想像に反旗を翻す行動憚られた時代。だが、、産業社会の発展とともに、家庭に埋没する生き方に疑問符を投げかける女性が出てきた。事実上男しかプレーできなかった野球に興味を持ち、遅くまで観戦しようとするケイティという女性が「私を野球に連れてって」の主人公。型破りな彼女の行動に感化される女性も多く現在ではそれが子供が親に野球に連れていって欲しいという要望を伝えるものに変化していったようだ。

ゲームのスピードアップを図り成功したバスケットボール

バスケットボールのルール改正では、得点シーンを増やすための試合の迅速化に力点が置かれてきたといってよい。例えば、五秒ルール(審判からボールを受け取ったら五秒以内のコートに投げ入れないと反則)、一〇秒ルール(得点された後は一〇秒以内に相手陣にボールを持ち込まないと反則)、バックパス・ルール(自陣にボールを戻してはならない)、二十四秒ルール(自軍のボールになってから二十四秒以内にシュートを打たなければ反則)などである。そもそもバスケットには、オフサイドの概念がなかったので、得点の量産とは相性がよかった。

現在のNBAの試合でも100点を超える得点が入る試合も珍しくない。そのスピード感がファンを熱狂させるのだ。そして、バスケットボールとほぼ同時期に考案された競技であるバレボールとの人気の格差は、この得点の量産にあるのではないかと思う。僕は中学時代バレーボール部だったので今でもバレボールを観戦することがあるが、昔のサーブ権があるチームにしか得点が入らないルールからより得点を量産できるようルール改正されたのも、この辺が理由なのではないかと思う。

アメリカにおける三大プロスポーツ(アメリカンフットボール、野球、バスケットボール)のルール改正の歴史や現在に至るまでの様々な出来事が書かれています。これらのスポーツを見る目が少し変わるような内容になっております。

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