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かまわれたい人々|森 真一

      2019/11/12

◎「家族」はペットのネコだけ/◎ひとりぼっちの「男性おひとりさま」/◎「仕事」に依存する会社人間/◎「お客様相談室」に人生相談をもちかける/◎性的な遊びをせず、「お喋り」のためだけに風俗嬢に貢ぎ続ける・・・など、現代社会に生み出された『かまわれたい人々』、「孤独」の底に隠された「願望」を探る。

コンビニは、店員に「かまわれない」で気楽に買い物ができる場所

物質的豊かさがもたらしたものの代表が、コンビニエンスストア(以下、コンビニ)です。場所によっては、数十メートルしか離れていないところに、数店のコンビニがあります。そして各店舗とも、売れ筋中心とはいえ、多種多様な商品をそろえています。コンビニは、店員に「かまわれない」で気楽に買い物ができる場所です。とくに単身者にとっては、スーパーマーケットよりも、身近で便利な存在です。おもしろいことに、コンビニの店員に愛想がないとよく批判されますが、その愛想のなさがいい、という意見も聞きます。コンビニの店員に顔を覚えられたら、もうそのコンビニにはいかない、ちがう店にいく、というひとまでいます。顔を覚えられると、話しかけられたり、なにを買うか見られているようでイヤ、うっとうしい。そういう理由だそうです。ここにも、現代人が「かまわれない自由」を優先している姿がうかがえるでしょう。もうひとつ、コンビニつながりで考えておきたいのが、ペットボトルの飲料についてです。ふだんコンビニでもっともひんぱんに購入するのは、ペットボトルのお茶や缶コーヒーだ、というひとは多いでしょう。わたしの場合はそうです。「コンビニ=ペットボトル飲料(あるいは缶飲料)」とまではいいません。でも、わたしにとって、ペットボトル飲料はコンビニのシンボル的商品です。

僕の感覚だと、コンビニをはじめとするサービス業従事者は笑顔である方が気持ちがいい。いつもニコニコしている店員さんと不愛想な人だと前者の方が好感が持てる。しかし、不愛想だからといってそのコンビニを避けるまではいかないのが実際のところだろう。最悪コンビニで便利に買い物できれば、店員の応対はどうでもいいという人が多いのではないだろうか。それに加えて、ニコニコした店員さんだとちょっと得した気分になるくらいの感覚ではないだろうか。

「お一人様」が増える世の中

「おひとりさま」は気楽でいいな、と思った方は多いかもしれません。たしかに気楽な感じがします。しかし、その気楽さは努力によって支えられています。努力なしに「おひとりさま」の生活を楽しむことはできません。素質も、もちろん大切です。「ひとり暮らしの基本のキは、ひとりでいることに耐性があること」(上野、前掲書、一〇三ページ)だからです。持って生まれたものなのか、成長の過程で身につけたものなのかはわかりませんが、いずれにしても、ひとりでいることにさびしさや孤独をそれほど感じない素質を、多くの「おひとりさま」は持ちあわせているようです。たとえば、『おひとりさまマガジン』で、「ひとりでいたくないときや孤独を感じるときにどうするか?」のアンケートに、ほとんどのおひとりさまが、「ひとりでいたくないと思ったことはない」「そもそも孤独を感じない」と回答しています。そういう素質を持つとはいえ、「おひとりさま」も孤独を感じるときはあります。本書で再三述べてきたように、「かまわれない自由」はかんたんに「かまわれない孤独」へと転化するからです。「かまわれない自由」を最大限に楽しもうとする「おひとりさま」の場合は、「孤独」になってしまうリスクもとりわけ大きいと考えられます。ハイリターン、ハイリスク、だからです。また、ひとり暮らしゆえ、急病になったり、泥棒やストーカーが部屋に乱入してくるリスクもあります。

ちょっと前にテレビの特集番組で、「何もしない人」を貸し出すという職業を取り上げていた。お一人様が増える中、会社とも家族や友達とも関係ない赤の他人にそばにいてもらうだけという需要に応えた仕事だ。特にかまってもらうわけでもなく、ただそこにいてもらうだけなのだが1日3〜4件仕事が入るのだという。レンタルおっさんの進化版みたいなこの職業、自分の身の回りの人とだと利害関係が生じてしまうため、愚痴とかを喋りづらいという需要に見事にマッチした新しい仕事だ。

かまわれない自由

「かまってくれる」ペットの存在が、「かまわれない孤独」のリスクを最小化し、「かまわれない自由」の享受を最大化している事態を説明してきました。つぎに、ペットが人間どうしをつないでいる様子、とくに、見知らぬものどうしのあいだに淡い関係をつくりだす働きを紹介しましょう。本章の冒頭で紹介した、わたしの知人の女性が経験したエピソードからはじめます。彼女は神戸のある分譲マンションで暮らしています。いろんな夢と野望を持つ「おひとりさま」で、それなりに楽しく忙しく、充実した毎日を送っているようです。彼女はあるとき、ふと、小さいころからの夢を実現しようと思いたちました。イヌと暮らすという夢です。でも、そのとき住んでいたマンションはペット禁止。それで、イヌと暮らせるマンションに引っ越しました。引っ越したといっても、もとのマンションの目と鼻の先にあるマンションなのですが。

かまってくれるペットの存在があるので、日常でかまってくれる存在がいなくても良いという考え方も逆説的に考えられる。

SNSなどの登場により、世の中かまってほしい需要は満たされるようになりつつある。ペットと暮らすのもかまってほしい人の欲求を満たす手段の一つ。僕のマンションは、ペット禁止なので、ペットが飼いたければ引っ越さなくてはならない。なんだかんだ言って、かまわれたいという欲求は誰にでもあるのではないだろうか。そんな人々の生活を掘り下げたかまわれたい人たちの書籍。

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