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「お金」で読み解く日本史。いつの世もお金で狂乱する人々

      2018/07/04

「仮想通貨」「現金消滅」「銀行消滅」の時代!いつの世も「お金」で狂乱する日本人――だからこそ「お金」で振り返る歴史の教養!人やモノではなく「お金の動き」で見ると日本史の根幹がわかり、歴史は100倍面白くなる!原始の物々交換から、貨幣の誕生・流通、現代の仮想通貨、貨幣消滅・銀行消滅の近未来まで、私たち日本人と「お金」の深いかかわりを読み解く。ビジネスにも役立つ新たな視点の日本史の必読書。

中央集権体制は貨幣経済の浸透から

国力を高めなければ、中国大陸の唐や朝鮮半島の新羅に征服される恐れがある。それを回避するには政治・経済・軍事など、あらゆる面で唐を手本に大胆な近代化を図る必要があった。当時でいう近代化とは、法による統治や戸籍の一元管理、貨幣経済の全国化を通じた中央集権体制の構築であった。貨幣経済を広く浸透させる前提として、通貨を大量に用意せねばならない。それまでも畿内では、中国大陸や朝鮮半島から輸入した貨幣が出回っていたが、全国的には絶対量が不足しており、国産化するのが望ましかった。そこで持統天皇の八年(六九四)三月、鋳銭司という令外官(臨時の官職)を設けたが、国産貨幣の第一号が発行されるのはそれから一四年後のことだ。

朝廷では唐の開元通宝をモデルとした通貨を鋳造。和同開珎と命名し、銀銭と銅銭が発行されたが、メインとなって使われたのは銅銭の方だった。しかし全国的に広まることはなく、畿内を中心に流通しただけで、朝廷の思惑は外れることに。これから、「お金」というものを流通させ定着させるために長い年月を要することとなる。

『東方見聞録』に紹介された黄金の国ジパング

誰しもマルコ・ポーロという人名と『東方見聞録』という書名に覚えがあるだろう。マルコ・ポーロはイタリア北東部の港町ヴェネツィアの商人で、商売敵のジェノヴァとの戦いに敗れて捕虜となり、一二九八年から翌年にかけて牢獄生活を送った際、同房の物語作者ルスティケッロに、自らの知識と体験を話して聞かせた。その後、出獄したルスティケッロがマルコ・ポーロからの聞き書きとして世に送り出したのが『東方見聞録』である。同書には日本について言及した箇所がある。蒙古が日本へ襲来した顛末や、仏教をさすと思われる偶像崇拝に関する記述が大半を占めるなか、西洋の読者らの興味をとくに引いたのは、「サパング(ジパング)は東方の島で、大洋の中にある。大陸から一五〇〇マイル離れた大きな島で、住民は肌の色が白く礼儀正しい。また、偶像崇拝者である。島では金が見つかるので、彼らは限りなく金を所有している。しかし大陸からあまりに離れているので、この島に向かう商人はほとんどおらず、そのため法外な量の金で溢れている」(月村辰雄・久保田勝一訳『マルコ・ポーロ東方見聞録』岩波書店)という一節だった。

当時日本は今では考え難いが、金の一大産地であったことが記されていて、それは間違い無いだろう。日宋間の民間貿易にも日本からの輸出品として刀剣などとともに金が輸出されていたようだ。現在では自動車産業などによる輸出で利益を上げているが、掘れば出てくるほどの大量の金や石油などの鉱物を持っているとその国にとって大きな利益となる。南鳥島周辺の排他的経済水域(EEZ)内に世界需要の数百年分に相当する莫大なレアアース資源が存在することがわかったが、採掘にコストがかかりすぎるなど問題も。

「楽市・楽座」を始めたのは織田信長ではなかった

戦国時代の群雄割拠の状態は、随所に設けられた関所を通過するたびに関銭を徴収され、商人はそれを売値に跳ね返らせる。関所の撤廃は経済の活性化につながり、領主の懐も潤うはずだ。戦国大名の居城周囲に城下町が発展したが、そこで商売ができる者は、座という組織に加盟した特権商人に限られていた。市場の参入を自由化した方が収益は上がるに違いない。大名の多くはそう考えつつも、前例のないことを実行するには、勇気が必要であった。最初に大胆な一歩を踏み出したのは、近江国南部を支配する六角定頼だった。

座商人による独占の廃止、市場税・商業税を免除した楽市が文献上の初見である。座そのものを廃止する楽座は、越前国北庄で柴田勝家が実施したものが初見。同年に織田信長も安土城下に発布した。

徳川家康は全国平定の第一歩に貨幣を統一

慶長五年(一六〇〇)九月、分裂した豊臣家臣団が中心となった関ヶ原の戦いが起こり、唐軍を率いた家康方が勝利すると、家康は全国平定の第一歩として貨幣制度の統一に着手した。家康は幕府の設立に先立ち、後藤庄三郎に江戸に金座と銀座を設けさせ、全国に流通する慶長小判と丁銀(基本的に銀四三匁)の製造を命じた。

最近では仮想通貨が流行っている。皆の所に仮想通貨の取引データが残ることを信用としているが、大量のNEM流出問題以降、ホワイトハッカーたちがその行方を追ってはいるものの未だ、犯人の特定に至ってはいない。一部は闇の仮想通貨に交換されたりして資金洗浄が徐々に進んでいるとの報道も。

いつの時代も「お金」は人を熱狂させる。仮想通貨の登場などは、不景気な時代に育った若者たちの心をがっちり鷲掴みにして、一時期暴騰した。最近では暴落直後の寄り戻しで回復しているそうだが、投機的な取引が今も続いている。普及が進めば、少しは安定してくることだろう。歴史の中で「お金」について学べる書籍です。

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