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「言葉にできるは武器になる。」言葉の紡ぎ方で人を動かす方法を学ぶ

      2016/11/14

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缶コーヒージョージア「世界は誰かの仕事できている。」「この国を支える人を支えたい。」やリクルートのタウンワーク「その経験は味方だ。」「バイトするならタウンワーク。」などのコピーを手がけ、TBS『日曜劇場99.9』でコミュニケーション・ディレクターなども務めた著者。自分の思いをどうやって「言葉」にして「伝える」か?人の心を動かす「表現」には秘密があるのか?有名事例を紐解きながら解説した書籍。

志を持ち、共有する。それが人の心を動かしていく。

「伝わる」と「動きたくなる」の間にあるもの。それは志を共有しているか否かだ。自分が行おうとしていることに対しどれだけ本気で向き合っているかにかかっている。人は物事に真剣に向き合っている人の意見は信用し協力しようとする傾向がある。一方、利己的で「どうにか協力させようとしているな」と感じると、聞き手は言葉の端々からそれを読み取りその本心に敏感に反応し一気に心を閉ざしてしまう。他者に想いを伝えたいのであれば、本気で考え、何か協力が必要ならば、成し遂げたいことや理由を明確にせねばならない。

内なる言葉の解像度を上げる

多くの言葉を知ることで語彙力をつけたり、表現方法を身につけることも大切である。しかしながら、多くの言葉を知っていたからといって自分が言いたいことを的確に表現できるようになるとは限らないし、どんなに美しい言葉が並んでいても伝えようとする内容に深みが増すわけでもない。

実際、人の心に染み入る言葉は簡単な単語で構成されていることが多い。そのため語彙力が直にコミニュケーション力に直結するとは言い難い。

自分という壁から、自分自身を解放する。

人は知らず知らずの内に様々な壁に囲まれて、自分の考えを制限してしまている。その壁というのは、大きく6つに分類できる。

  • 常識の壁:自分自身の中にある常識が先入観となって、思考を狭めてしまう。
  • 仕事モードの壁:「仕事だから」と考えることで、本音が出る余地がなくなる。
  • 専門性の壁:つい専門性という武器を用いて、課題を解決しようとしてしまう。
  • 時間の壁:時間がなくなることで、焦ってしまい、考えることに集中できなくなる。
  • 前例の壁:過去の経験則から、「おそらくこうなるだろう」と推測してしまう。
  • 苦手意識の壁:苦手というレッテルを自分に貼ることで、考えが萎縮する。

このように分類し、壁を俯瞰してみると、その全ては「自分という壁」であることがわかる。つまり人間は自分という壁の中でしか物事を考えられないのである。そこで効果的なのは他人の視点で物事を捉え、考えること。よくブログやオウンドメディアでペルソナ設定(企業が提供する製品・サービスにとって、最も重要で象徴的なユーザーモデル)をしっかりしようというのはここから来ているのだろう。自分の物差しだけで物事を考えていては自分の可能性を狭めることとなってしまう。

対句でギャップを作る

〝負けるが勝ち〟に代表される対句。「場合によっては、争わないで相手に勝ちを譲った方が自分にとって有利な結果になり、自分の勝ちにつながる」と言う文を同じニュアンスで内容を伝えつつ、およそ15%の語数で表現している。

<努力・行動>

  • 努力する人は希望を配り、怠ける人は不満を語る。                井上靖
  • 人間は負けたら終わりなのではない。辞めたら終わりなのだ。    リチャード・ニクソン
  • 生きるとは呼吸することではない。行動することだ。               ルソー

<価値観・才能>

  • 大きな目標があるのに、小さなことにこだわるのは愚かです。       ヘレン・ケラー
  • 恐れは逃げると倍になるが、立ち向かえば半分になる。          W・チャーチル
  • 天分は持って生まれるもの。才能は引き出すもの。            ココ・シャネル

<生活・仲間>

  • 楽しいから笑うのではない。笑うから楽しいのだ。        ウィリアム・ジェームズ
  • 多数の友を持つものは、一人の友も持たない。              アリストテレス
  • 人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇である。   チャールズ・チャップリン

時代や国を越えて多くの人に届くフレーズ、ここで挙げたものは全て対句で成り立っている。ポイントは自分の言いたいことの逆を文章の前半に置くことで、後半の本当に伝えたいことの内容を際立たせることにある。前半のネガティブ要素が踏み切り台となて後半部分を大きくジャンプさせるのだ。

後半部分では「断言は人々を導く旗になる」、「〜と思います」が意思を弱める、「みんなに伝えようとすると、誰にも伝わらない」、常套句が「あなたらしさ」を奪っている。「専門用語や完全に理解していない言葉を使わない」など頭の片隅に置いておくと良さげなメソッドが満載。言葉を紡ぐことに困った人やブログの執筆や仕事のメールに至るまで幅広い人に対応した書籍です。

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