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「反日」の敗北|石平 , 西村 幸祐|日本が取るべき行動戦略を語り尽くす

反日の敗北と冠して現在の日本が中国、韓国とどう向き合っているかを深堀。今後、日本が取るべき行動戦略を語り尽くす。

習政権の「防空識別圏」と強硬外交

「対日包囲網」は失敗に終わりましたが、習近平政権は外交面において非常に強硬的です。「尖閣問題」をめぐっての対日姿勢はその典型です。日本政府が尖閣諸島の国有化に踏み切ったのは2012年9月のことでしたが、この年の 11 月の習政権発足以来、中国側の一方的な挑発がエスカレートし、中国海警局の公船による日本の領海侵犯はほぼ日常となってしまい、有人・無人機の領空侵犯も何度もありました。2013年1月には、中国海軍が日本の海上自衛隊艦に対してレーダー照射の実施という危険極まりのない挑発行為をします。そして 11 月、中国政府は東シナ海上空の航空の自由を勝手に制限する「防空識別圏」の設定を発表しました。さらに、年末に安倍首相が靖国神社に参拝すると、中国は安倍首相のことを「安倍」と呼び捨てにして、全面対決の姿勢を明らかにしました。習政権の対日外交はこれで、妥協と和解の余地をいっさい残さない「戦闘的な革命外交」の境地にまで達します。その矛先は南シナ海周辺の東南アジア諸国にも向けられている。特に今年に入ってから、中国が南シナ海各国の漁業活動への恣意的な「規制」を一方的に発表したり、ベトナムの漁船を破壊したりと、まさに傍若無人です。フィリピンやベトナムなどの関係国は猛反発して中国との対立姿勢を強めていますが、フィリピンのアキノ大統領にいたっては、いまの中国を第二次世界大戦前のヒトラーになぞらえて批判しています。米中関係も溝が深まるいっぽうです。2013年6月に習近平が訪米して、オバマ大統領との長時間会談に臨んだとき、米中は歩み寄って「大国関係」の構築を模索した痕跡もありましたが、その後、中国が「防空識別圏」の設定を発表し、さらに南シナ海上空まで拡大しようとするに至って、アメリカの習政権に対する不信感は一気に高まりました。

中国の東シナ海における暴れっぷりは目に余る。フィリピンやベトナムなどの関係国は猛反発して中国との対立姿勢を強めているにもかかわらず、世界はこれを止めることができない。「一体どうなってんの?」素人目から見た感想がこれだ。

失態続きの反日NHKは変わることができるか

いちばん危険なのは、昔のNHKが、 80 年代ぐらいまではある程度政府寄りだったことです。年齢層が高い人ほど、NHKは変なことは放送しないという信頼感を抱いている。TBSやテレビ朝日などの民放とは違うというイメージがあります。そういうイメージがあるなかで、「JAPANデビュー」という番組の第一回が、台湾統治を扱っています。日本が過酷な統治をしたという内容です。日本が「人間動物園」という名前で、ロンドンの博覧会に台湾の先住民族、タイヤル族(高砂族)の人々を連れて行って見世物にした、と放送しました。博覧会の写真を見せられて、取材を受けた人が泣いてしまったとか、そういうことを延々と放送したのです。放送後に抗議が殺到し、これはあまりにもおかしいのではないかとの世論の後押しもあり、視聴者や番組出演者を含めた集団訴訟で裁判にまで発展して、島田というディレクターが参考人として質問を受けるという前代未聞の事態になりました。私も取材で裁判は傍聴しています。結局、地裁では訴えた側が負けたけれども、高裁では逆転判決で、NHK側が賠償金を払うことになった。上告して最高裁の判断を待っているところです(判決は2013年 12 月の段階でのこと)。なぜこんな番組をつくったのかといろいろ考えると、私は 李 長春 の意向が色濃く反映されたからだと推測しています。当時、共産党中央政治局常務委員、中国共産党中央宣伝部を統括していた李長春が、2006年に上海で行った国際シンポジウムで「反ファシズム世界統一戦線をつくろう」という講演をしたときに、台湾の独立派とか、民族分子を根絶やしにしなければいけないということを言って、台湾も、反ファシズム戦線の一角として、ちゃんと意識しなければいけないということを言っているわけです。彼の言い分をまとめると大陸側、中国共産党と台湾は同じなのだということを位置づけしたことになる。それが2006年のことで、この番組は2009年に放送されている。結局、台湾の独立を志向する親日派というのが許せないわけでしょう。だから、日台分断を目論んだ。それは中国共産党がいまいちばんやりたがっていることです。

普通に生きていると反日、親日とかあまり意識しないよな。ああ、あいつは親日だとかこのコメンテーターは反日だとか面倒くさい。どちらの立場の人がいたっていい。それこそ多様化の社会の中で最低限のモラルを持っていればそんなことは日々の生活に微々たる影響しか与えない。この本に書いてあるような反日の危険な思想的なものを実際に持って、それを行使する人はいくらもいないのではないかという印象。

破綻する中国そして自滅する韓国。日本のお隣さんとの関係を見直すのにはちょっと偏った意見が多いが、まあそんな人もいるよねといった内容の書籍。

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