アブラハム・マズローといえば、いわゆる「マズローの5段階欲求」という言葉が即座に思いつくに違いない。中には「生理的欲求」「安全の欲求」「所属と愛の欲求」「承認の欲求」「自己実現の欲求」と5段階欲求のそれぞれにつく名称を正確に答える人もいるだろう。またそのような人の中には経営学を学んでいて「マズローの5段階欲求」を従業員に対する動機づけの基礎理論として接したことがある人もいることだろう。しかしながら、マズローの原典は難解なことから読む人が少ない。入門者が陥るこのような障害を回避しつつ、マズローの人と思想を手軽且つより深く理解できるように書いたのがこの書籍です。
性科学の道へ進む
自己主張の強い女性は性的好みや行動も積極的であり、逆に自己主張の弱い女性は性的に非積極的で性的行動も紋切り型だというものでした。
おお!やっぱり自己主張の強い女性ほどエロいのか!!僕の少ない経験からも感じていたことが科学的にも正解だったとは。それにしても性が極端にタブー視されていた当時に、このような研究をしていたとはかなり尖っているなマズロー。しかしこの分野で先駆をなしたものの、それほど話題にならないで、実際、フェミニスト作家ベティ・フリーダンがマズローの研究を題材にベストセラー『新しい女性の創造』で注目を集めるのは30年も後もことである。
欲求の階層(ジャングルで暮らす5人)
まずAは、危険なジャングルで数週間暮らし、時々食べ物や飲み物を見つけては飢えをしのいでいます。次にBです。この人物はただ生きているだけでなく、ライフル銃を持ち、中から閉められる扉のついた洞穴の隠れ家で暮らしています。3番目のCは右記のものを全て持つとともに、一緒に暮らす2人の男がいました。さらに4番目のDは食べ物や隠れ家のほかに、親友と一緒に暮らしています。そして最後のEです。この人物は右に掲げたものをすべてもち、しかも彼は集団のリーダーとして皆から広く尊敬されています。
単に生き延びている状況のA「生理的欲求」、はより安全な環境のB「安全の欲求」を望み、安全な環境が手の入れば、集団に自分の身を置きたいC「所属と愛の欲求」と考えるようになる。さらに集団に身を置いたら、ほかのメンバーと信頼関係を結びたいD「承認の欲求」と思いそれが達成できれば、その集団の中で尊敬を集める人物でいたいと思うようになるE「自己実現の欲求」。これらの欲求が高いレベルで達成できてはじめて、より高次の欲求である「自己実現の欲求」が生じることとなる。一般的な人間では生理的欲求85%、安全の欲求70%、所属と愛の欲求50%、承認の欲求40%、自己実現の欲求10%程度が満たされていると考えられています。
自己実現者に共通する15の特徴
- 現実をより有効に知覚し、それとより快適な関係を保つこと
- 受容(自己・他者・自然)
- 自発性・単純さ・自然さ
- 課題中心的
- 超越性ープライバシーの欲求
- 自律性ー文化と環境からの独立、意志、能動的人間
- 認識が絶えず新鮮であること
- 神秘的経験ー至高経験
- 共同社会感情(共同体感覚)
- 対人関係(少数との深い結びつき)
- 民主的性格構造
- 手段と目的の区別、善悪の区別
- 哲学的で悪意のないユーモアのセンス
- 創造性
- 文化に取り込まれることに対する抵抗、文化の超越
4. 課題中心的:経営者ピーター・ドラッカーは成果をあげる人になるには、自身のミッション(使命)に気づくことが大切だと述べましたが、自己実現者はこのミッションを理解し、それに従って生きていると言える。
9. 共同社会感情(共同体感覚):自己実現者は心理学者アルフレッド・アドラーが指摘した共同社会感情(共同体感覚)を強く持つ。共同体感覚を得るには私的な論理で行動するのではなく、共同体に貢献するよう行動する必要があります。自己実現者はこの特徴が際立っているという。
10. 対人関係(少数との深い結びつき):現代社会ではSNSで「お友達」を大勢作るのが流行しています。これは自己実現者の対極に位置する行動だと言えるかもしれません。
フロー体験に至るための方法論
まず、適切な反応を必要とするはっきりとした目標に向き合うことです。次に目標に向かう行為において自分がどれがけうまくできているか、フィードバックによって確認できることです。最後に自分のスキルがチャレンジしているないようにぎりぎり届くことです。
①目標が明確、②フィードバックが適切、③チャレンジとスキルのバランスが取れている。このような時人はフロー体験を得る可能性が高まります。そしてこのフロー体験が人間の幸福には欠かせない。普段は意識していないが言われてみれば集中して本を読んでいる時など、これがフロー体験か?といった事象に見舞われることは度々ある。音楽や性行為で至高体験を得られたとしても、それは「絶対確実な方法」ではなく、「あちらさんの都合でやってきて、また去っていく」ものだ、とマズローは言う。
税金に関するマズローの主張
フランスの経済学者トマ・ピケティの資本論でも、マズローと同様に、累進課税は経済格差是正のために好ましいと主張している点が興味を引きます。また、マズローは優良企業に対する税金優遇制度というちょっと変わった仕組みも提案しています。
累進課税で富の再分配をしそれが格差是正につながり、優良企業に税制優遇措置をとることでブラック企業なども減らせるのではないかと現代でも通じそうなマズローの主張が印象に残る。
マズロー心理学の存在も知らなかった僕だが、KindleUnlimited読み放題書籍になっていたことでダウンロードしてみた。以外にも骨太な入門書となっていて、マズロー心理学なんて聞いたこともないと言う人にもオススメです。
※この書籍はKindle Unlimited読み放題書籍です。月額980円で和書12万冊以上、洋書120万冊以上のKindle電子書籍が読み放題になるサービスが初回30日間無料となっております。PCの方はサイドバーのリンクより、スマホの方は下の方へスクロールしていただければリンクが貼ってありますので興味のある方はどうぞ。なお一部の書籍はキャンペーンなどで無料になっていて現在は有料となっている場合もありますのでその場合はあしからず。
【サブスク】 Kindle Unlimited
僕が利用している読書コミュニティサイト
【本が好き】https://www.honzuki.jp/
【シミルボン】https://shimirubon.jp/