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「ヘイトスピーチはどこまで規制できるか」マイノリティーに寄り添う心を持とう

      2016/11/14

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「朝鮮人を殺せ」と路上で叫ぶ人間は、日本人全体からすればごく少数といえ、多くの人が過激なヘイトデモを嫌悪する。しかし、攻撃対象の当事者たちがこの社会に怯え、時に絶望するわけは、このヘイトスピーチに共感を覚える人が少なからずいるということ。差別の煽動はこの国で連綿と行われてきたことではあるがマジョリティーが自ら差別を直視することはなかった。「ヘイトスピーチってひどいよね」と否定する人々が目の前の差別を見ようとしない、見えないというところに問題がある。ヘイトスピーチ被害に対して、現行法はどこまで対処できるのか?「表現の自由」を前に立ちすくむわけにはいかない!歴史家・憲法学者・弁護士たちによる議論を書籍化したもの。

日本のレイシズムとヘイトスピーチ

「近年、特定の民族や国籍の人々を排斥する差別的言動がいわゆるヘイトスピーチであるとして社会関心を集めています。こうした言動は、人々に不安や嫌悪感を与えるだけでなく、人としての尊厳を傷つけたり、差別意識を生じさせることになりかねません」

そういえば、先の都知事選の立候補者にも「在日特権を許さない」と活動している団体の人間が立候補しており、その政見放送をみて嫌悪感を覚えたばかりだ。僕の家の近くにも朝鮮学校があるがそこの生徒たちは日本で生まれたにもかかわらず、こういった差別を受けることとなる。民族の違いというのはそこまで大きな障壁を作ってしまうのか甚だ疑問だ。

法規制をめぐって

日本の政府や地方自自体は啓発というレベルにいまだ止まっています。人種差別撤廃委員会の審査を受ける際に日本政府が行っていることはいつも同じで、表現の自由があるのでなかなか規制できないということです。

「我が国の現状が、既存の法制度では差別的行為を効果的に抑制することができず、かつ、立法以外の措置によってもそれを行うことができないほど明確な人種差別が行われている状況にあるとは認識しておらず、人種差別禁止法等の立法措置が必要であるとは考えていない。」(二〇一〇年一月、人種差別撤廃委員会への日本政府報告・第4条関連)

2016年5月24日、衆参両院の法務委員会の全会一致で「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」(別称:ヘイトスピーチ規制法、ヘイトスピーチ対策法、ヘイトスピーチ解消法)が成立施行された。この法律はヘイトスピーチ防止に向けた啓発・教育活動や、被害者向けの相談体制の拡充などが柱で、罰則は設けていない理念法である。表現の自由との関連で〝罰則なし〟になったのだろうか。より詳しいことが知りたい方は本書を読むか、ググってもらえれば分かるだろう。いずれにせよ、在日朝鮮人が日本において日本人や他の外国人と平等の立場で生活しようとすることを下品かつ侮辱的な言動で妨害するような行為はあってはならない。

日本はすでに人種差別撤廃条約上の義務を負っている

人種差別撤廃条約というものがある。憲法があって、次に条約、そして法律という優先順位からすれば、1996年以降人種差別撤廃条約に基づいて、日本でも人種差別を行ってはいけないこととなりそれは違法である。しかしこの事実も、あまり知られていないし機能していないように思える。ヘイトスピーチ規制法についても罰則がないなど、運用するにあたって微妙な舵取りが要求されることとなりそうだ。

カウンター、民間レベルの抗議活動

一時、新大久保では五〇〇人以上の在特会のデモを押しかえす形で、それを上回る市民が集まりました。「レイシストは帰れ」「レイシストは出て行け」と。カウンターのやったことは非常に大事なことだと思っています。

テレビなどの報道でも取り上げられていたので、ヘイトスピーチに対してカウンターたちが抗議行動を起こし揉み合いになる光景を見た人も多いだろう。こういった民間レベルの抗議活動はヘイトスピーチに罰則が設けられなかった現行のヘイトスピーチ規制法を補完する役割となるだろう。日本の人口からすればごく少数1%にも満たない数のヘイトスピーチ参加者。「朝鮮人をぶっ殺せ!」と声を荒げる彼らが強いのではなく、それを見て「気にしない」、もしくは「その気持ちもわかる」といった大多数の人間が怖いのだという。

カウンターのように抗議活動に参加しないまでも、マイノリティーに対する配慮(LGBTなどもそう)はこれからの日本を形成する上で必須だとも言える。

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