抗体やウイルス、最先端の知見を世界的生命学者が細胞の話、生命学の基本からレクチャー。体にまつわるさまざまな疑問は融解し基礎である細胞についての理解が深まります。
科学的思考が身につけば、自分の身を守ることができる
2020年の世界も、新型コロナウイルスが恐怖に陥れました。みなさん困っていると思いますが、専門家も困っています。専門家にもわからないのです。
その上昔と違って、人の往来が多くなり、国境をまたぐようになったので、今回のようにあっという間にウイルスも世界に広がります。「病気のことは専門家に」と思っていると、誰もがわからないので自分が死ぬ可能性も出てきます。
また、専門家がすべてを知っていることもありません。専門家は自分の専門領域には詳しいのですが、逆にそこしか見ていない場合がほとんどです。みなさん、新型コロナウイルスの危機で肌感覚でわかったのではないかと思いますが、ウイルスの専門家はウイルスについて、経済の専門家は経済について情報発信しますから、それぞれ全体を見て言っているわけではありません。結局、不確かな状況のときは、自分で考えるしかないわけです。そんなとき、「科学的思考」を身につけていると、大変役に立つと思います。
コロナ禍で未知のウイルスとの戦いにさらされた僕ら人間は専門家らによってその対策に追われることに。ウィルスも変異して人間を襲い、人間は予防ぐらいしかやることができない状態。しかし、正しく恐れ三密の回避やマスクの着用、人との接触機会の制限などである程度感染は防げることがわかっている。コロナに対して引きこもり最強説(笑)科学的思考はやはり需要で馬鹿みたく人との接触をやめないでコロナに罹る輩を尻目に在宅で快適に過ごす。おうち時間を楽しむグッズやサービスを使いこなしストレスも溜めないで生きるこれがコロナ禍の勝ち組の生活。
オートファジーが大切な瞬間
もし生まれる前からオートファジーが機能しなかったらどうなると思いますか?
これを調べるために、胎児のときから全身の細胞でオートファジーが起こらないようにしたマウスで実験がおこなわれました。これらのマウスは、産まれて必ず 24 時間以内に死んでしまいました。詳しく調べると、このマウスはおっぱいが吸えなくなっていました。次に、脳でだけはオートファジーができて体の他の細胞ではできないマウスをつくったら死ななくなったので、「脳からおっぱいを吸うという指令が出せなくなっていること」が、全身でオートファジーができないマウスの死因だとわかりました。
しかしオートファジーの役割はそれだけではないことがわかりました。
母親とつながっているへその緒が切れ、栄養補給がたたれた赤ん坊のマウスは、筋肉や肝臓でオートファジーを激しく起こして、栄養をつくっていました。
生まれたてのふつうのマウスは、ミルクを飲ませないと当然死にますが、 24 時間は生きるものです。ところがオートファジーが全身でできないマウスは、生後 12 時間で死ぬことがわかりました。 つまり、出生時に全身の細胞でオートファジーを激しく起こして栄養をつくり、お母さんからの栄養補給がたたれたことによる飢餓を生き延びているのです。 人間では実験できませんが、おそらく、人間も同じ結果になるはずです。
絶食したときと出生のとき以外にも、個々の細胞でオートファジーの栄養補給が大事なことがあります。たとえば、胎盤をつくるときに胎児側の細胞が母親の子宮の壁に潜り込みますが、そのときにその胎児の細胞はオートファジーで栄養補給します。
ふつう、細胞は血液から栄養を取り込むのですが、潜り込みの間はそれができないからです。オートファジーを使った栄養補給の例は他にもいろいろあります。
ところで、もしオートファジーの役割が①の「栄養をとる」だけでしたら、おそらく今ほどの研究の広がりはなかったと思います。
栄養補給も大事ですが、オートファジーにはさらに重要な役割がふたつもあったので、多くの研究者の興味を引きました。次はそれらについて知っていきましょう。
オートファジー最近よく聞くようになった言葉だがその可能性は特筆すべきもの。多くの研究者がその役割を研究していて少しずつその全貌が明らかに。この書籍ではオートファジー研究の第一人者である吉森 保教授による解説が光る。人生100年時代のキーワードの一つとしても興味深いオートファジー。その深淵なる世界を覗き見よう。
オートファジーというトピックを中心に科学的知見を多数取り扱い噛み砕いて僕らに届けてくれる書籍。
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