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3万人の大学生が学んだ 恋愛で一番大切な“性”のはなし|村瀬 幸浩|「人間と性」をテーマに講義

学生向けに「人間と性」をテーマにおこなった講義を要約して紹介しながら、学生たちのリアルなレポートを元に編纂した書籍。大人が子供に対して避けがちな性の話をきちんとしていこう。

からだの(肉体的な・生理的な) 快感 こころの(精神的な・心理的な) 快感

からだとこころ、あえて分けて考えてみようと思います。なぜなら、性の快感というと肉体的・生理的な快楽ばかり強調され、その象徴としてのオーガズム(性的絶頂感)は一般に男性にとって体験しやすいために、性の快楽は男のもの、男の射精によって得られるものという意識がとても強くあるからです。とくに男性は子どもの頃からペニスを触ると気持ちがいいことを知っていて、それが性器触り(タッチ)になったり、やがて精通による射精の快感を自覚(そう単純ではないが)することを通して、性の快楽の意識、イメージが強固なものとなりがちです。あわせてさまざまな性の情報がそれを繰り返し補強するわけですから、射精こそが性の快楽、快感の核心であり、それこそがセックスであると思い込むようになっても無理ないことといえるでしょう。しかし、そうした性のあり方、快楽、快感追求の仕方は往々にして自己中心的でエゴイスティックになりやすく、相手の人を窮地に追い込んだり悲しい目に遭わせることになります。ならば、射精の快感を得て緊張を解消するために自分ですればいい。相手を煩わせなくて実行できるのですから、自分だけの意思で。私はこれを「セルフプレジャー」と言っています。これは何も男性だけのことを言っているわけではありません。女性も同様です。なぜならセックスする相手、セックス・パートナーがいつもいる人ばかりではないし、離別、死別も含め、いない人も、いない時もある。むしろ人生の中でパートナーがいない期間の方がずっと長いのではないでしょうか。また、いたとしても、相手の感情も欲求も意思もそれぞれその人のものであって、相手の人を無視して利用することは、配偶者であっても付き合っている人であったとしても犯罪的な行為となります。そうした状況のもと、快感を得ることを断念したり、欲求を我慢したり他のことで紛らわせることも結構ですが、自分で解消しようとすることもまた大いに結構です。だからセルフプレジャーというように考えたらいいと思うのです。ユッタリした気分で、自分の好きなセクシュアル・ファンタジーに浸って…。

セルフプレジャー、自慰行為を意味するなかなか良い表現かと思います。こっちの呼び方の方がポジティブで浸透してほしいです。自身の好きなセクシュアル・ファンタジーに浸ってというのも妄想の言い換えでなかなか良い。体と心の快感を分けて考えた上でセックスやセルフプレジャーについて考えると乱暴な性に対するイメージも払拭されるかと思います。

性の多様性──人はみな多様性の中のひとり

性同一性障害(GID=gender identity disorder)というのは医学的な疾患名、病気の名前です。この「障害」という言葉に反発する当事者もいます。当然ですね。自分は自分であって、勝手に「障害」などと決めつけないでほしい。ただ、障害として認められて治療や手術の道が開かれるということで、受け入れざるを得ないということでもあるのでしょう。

障害=disorderとは、注文通りいかなかった、決まり通りいかなかった──つまり人間の性分化(男と女に分かれる)に当たっては、性器が分かれること、脳が分かれることの2つがあるのですが、これは同時に行なわれるわけではない、時期が違うのです。分化する時の胎内環境、ホルモン環境などによって〝性器と脳が別の性別やさまざまな中間形〟をあらわすことがある、ということがわかってきたのです。この問題には精巣決定遺伝子(SRY)が絡みます。本来、Y染色体にあるべきこの遺伝子が減数分裂の際にX染色体に乗ってしまうことがある。そうすると、XYなのに精巣ができないとか、XXなのに精巣ができるケースが生じてくるというのです。

つまり受精の瞬間に男と女という性別がハッキリと決まるのではなく、もともとは性別としてはどちらにもなる可能性がある──染色体とか遺伝子とかホルモンが適当な時に適当に働くことによって男女に分かれていく、その分かれ方についても段階的(グラデーション)であって、性器も脳も両性の中間形も含めてまさに多様なのです。しかし、いったんできあがってしまうと、後で薬を飲んだり注射をしても変えることはできないのです。どうしても、という場合に脳を変えることは不可能だから、性器をつくり変えることで脳の性別に合わせようというのが性別適合手術というわけです。もっとも性同一性障害の人たちがみな性器を変えたいと願っているわけではありません。性器はそのままでよいが、異なった性別の人間として社会的に自己表現したいし、受け入れてほしいという人(トランスジェンダー)。異なった性別の人の服装を身にまといたい人(トランスヴェスタイト)。性器を変えることで自己のアイデンティティが統合できる人(トランスセクシュアル)。そして、こうした自覚を持つ人たちは、自らを「トランスジェンダー」と表現しています。

性差についても色々でそこには段階をグラデーションに分けて男性から女性の間にさまざまな状態の人がいることを理解する。トランスジェンダーと言っても細分化すればキリがなく、各項目について人それぞれのケースがあります。多様性を認める世の中になれば良いかと思います。つい最近もトランスジェンダーの人のトイレの問題について取り上げられており、自身の思う性別のトイレに入るときそれに紛れて悪意ある盗撮などの目的とする人間が出入りしやすくなるといった問題点が浮上していた。しかし盗撮などのガチ犯罪は同性によってカメラをセットしたりする場合も多く必ずしも異性がトイレに入り込みセットしているわけではないのでそのような議論は的外れだ。

恋愛で一番大切な性の話を包み隠さず皆でするための土台作りを助けてくれる書籍。性欲、性差、なかなかそういった話をする相手が身近にいない人にも読んでほしい性の問題。お子さんを持つ人などにも子供にどうやって性について教えるかの参考になるので是非!

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