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0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書|落合陽一

人生100年時代に必要な教育、デジタルネイチャー時代に身につけるべきスキルは何か?今を生きる人のための学びの教科書。学び始めるのに適正年齢はない。学生、社会人、子育て中の親、生涯教育について知りたい人などあらゆる世代に響く書。

受験教育の価値観は入学したら捨てる

大学受験を突破するための教育は、大学での学び方とは全く異なります。入試に勝つための戦略なり攻略法が、学問の価値だと思い込んでいる学生は、大学に入ってからほとんど伸びません。

大学入試で力を発揮すること自体はよいのですが、入試が終わった瞬間に、それまでやってきた価値基準をシフトできる人のほうが道が開けるように思います。これまでずっと受験勉強が重要だと言われていたのに、入学したとたん大学受験的な価値観を捨てるべき、などと言われると支離滅裂のように聞こえますが、今の小中高と大学の接続を考えると最適解になりつつあると思います。ゲームと割り切ったほうが高得点が取れるケースもあるはずです。ここで捨てなくてはいけないのは入試に関する価値観だけです。価値観以外の知識や、設問の意図を瞬時に読み解く力や、計算を速く解ける演算性能、受験に耐えうる健康的身体といったものは捨てる必要はありません。試験でよい点数を取ることがすべてという近代教育的な価値観だけを捨てるのです。今の時代は便宜的にペーパーテストのような一律評価の方法を採用しているだけで、その良し悪しや学び続ける能力に関係するかは自明ではありません。僕は当初、東京大学を目指していましたが、受験に失敗し、筑波大学に入ることになったので、それまでの自分が経験してきたロジックや進学校の哲学が今後通用しないということを入学時点で理解していました。僕の場合、得意な分野と苦手な分野に大きな偏りがあるので、結果、それが正解だったと思っています。つまり、今まで自分がやってきた業界と全く違う業界に行くという視点を持つことで、今までの自分のロジックは成立しないし、捨て去らなければならないと納得できました。

それまで積み上げてきた価値観を捨てるには、それまでの自分にこだわらない姿勢が大切でしょう。現代の大学受験では多様性はほぼ求められません。その一方で、大学入学後は非常に多様性のある価値観に向き合い、それぞれ適合していかなくてはなりません。すべてを忘れて大学受験に打ち込める一方で、大学受験が終わったら大学受験的な価値観とはきっぱり決別し、先鋭的で多様性のある価値観にシフトできるような、柔軟性の高い人が現状の歪な環境では大きく成長するのです。僕はこの歪な環境を直そうと日々、努力していますが、小中高大の現状を鑑みるに、あと十数年はかかるように思います。それがゆえに、大学入試に関してはマインドセットを柔軟に整備し、対処療法しかないのではないかと思っています。

大学受験はある意味攻略法のあるゲームみたいなものと思っていればほぼ間違いない。学びとはちょっと違う異質なものと認識しておいた方が今後のためになる。勉強する習慣をつけるという意味では良いがゲームという認識で大学合格というクリアをしてしまった途端勉強しなくなるのでは本末転倒。僕はそうやって学びの意味がわからず退学しました。しかし人生100年時代学びの重要性を考えると何歳からでも勉強はできると気付いた。というか継続しなくては社会の変化についていけなくなる。

今注目されている「STEAM教育」とは?

教育界で、STEAM教育の重要性が語られています。STEAMとは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)、そしてArt(芸術) の頭文字を合わせたものです。

2013年にオバマ大統領がアメリカの重要な国家戦略として、 STEM教育 を支援するという演説をしたことで大きな話題となりました。AI時代にこそ、想像力・感性が重要になるという視点から近年、STEM教育にArt(デザインを含むアート) を加えたSTEAM教育が注目されるようになりました。このSTEAMに関しては、その中でも特に重点的に学ぶべき要素について、第3章で具体的に紹介します。

AIやロボットとともにシステムに組み込まれる「使われる側」の人間になるのではなく、これからの時代に必要とされる教養を身につけ、創造性を生かしながら、新たなシステムを創造し、AIや人的リソースを「使う側」として活躍するための教育が、STEAM教育であると言われています。

僕としては、社会の中の機能的な位置づけとして、アートとサイエンスは比較的近いと思っています。アートとサイエンスは、何かを探求するプロセスです。それに対して、エンジニアリングやデザインは、何かを合理化して生産するプロセスです。そして、テクノロジーはその手段となるものです。つまり、アートとサイエンスによって着眼点が生まれ、エンジニアリングによって設計図が書かれ、テクノロジーという工法を使い生成される、それがAI時代のものづくりの新たな仕組みとなるのです。システムと実課題の間を取りもつ人材の価値は高まっていくでしょう。

そういう意味でも、STEAM教育と現在の日本の教育制度のギャップの一つは、大学受験によって、高校の段階で文系と理系に分けられてしまうことです。もちろん、それぞれの教科は学問の基礎として重要ですが、これからは教科を超えた総合力が問われるようになってくるでしょう。今日では、学ぶ上でも就職においても、文系・理系で分けること自体が、時代に沿わなくなってきています。自分の可能性にフタをせず、分断を横断して学び続けることが重要なのです。

僕らの時代は文系・理系がはっきり分かれており特化した勉強だけしてればいいという考え方だったが今は少々違うようだ。時代の流れに乗り遅れないためのSTEAM教育を意識しながら進学等も考える様にしたほうが人生楽に生きられる。歳を取ってからのこれらの勉強は結構きつい。文系で生きてきた僕はプログラミングなどもかじってみたが、なかなかお金になるレベルまで至らない。素地の違いが出てしまうのが昔ながらの教育を受けてきた人間。

100年生きる中で社会の変容などについていきながら生きるには学び続けるマインドが必要。勉強の習慣のない人は容赦なく置いていかれる。学校を卒業して月日が経つ人たちに特に読んでほしい書籍。

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