銀行に預けていても低金利すぎて増えない。現金で持っていても物価高などにより実質上目減り。そんな時代のお金の置き場所として株式を選択する理由を解説。株式投資を5つのステージに分けて個人投資家として大きく成長するために、知っておくべきことを見ていこう。
日本の現金主義は 世界的に見ると「異常」
日本人はもともと現金が大好きです。お年玉や冠婚葬祭など、現金が活躍する場面は、たくさんあります。近頃になって普及してきているとはいえ、日本の個人消費に占める2020年のキャッシュレス決済の割合は 29・7%にとどまっています。
お隣の韓国では、キャッシュレス決済は決済全体の 95%前後を占めており、中国でも約 77%に達しているのとは対照的です(一般社団法人キャッシュレス推進評議会「キャッシュレス・ロードマップ2021」より)。
その現金好きに、デフレが拍車をかけました。デフレ下では、相対的にお金の価値は上がりますから、現金で持っていたほうが安心だという風潮が広がったのです。
日本銀行(日銀) が発表した2021年4〜6月期の「資金循環統計」によると、2021年6月末時点で、 個人(家計) が保有する金融資産は1992兆円。そのうち現金・預金が1072兆円と過去最高を更新し、全体の 53・8%を占めています。
バブル崩壊直前の1990年では、現金・預金が占める割合は 48・5%でしたから、日本人の現金主義はデフレの影響で強まっているのです。
1072兆円のうち、銀行などに預けている預金は970兆円で、自宅に現金として保管する「タンス預金」は102兆円と、ともに過去最高となっています。
2021年度の一般会計の総額は106兆6097億円ですから、 タンス預金の総額は、なんと日本の国家予算に匹敵する規模なのです。
一説によると、日銀が刷っている紙幣のうち、およそ半分は〝タンス預金〟として眠っているともいわれています。2020年には、新型コロナ対策で1人 10 万円の特別定額給付金が配られましたが、それが消費に回されることは少なく、タンス預金に納まったとの見方もあります。
私が小学生で預金を始めた頃、郵便局の定額貯金の金利は年率7・12%(1980年4月時点) でした。預けっ放しにして「複利」で運用すると、10年後にはおよそ2倍になる計算です。
ところが、いまのゆうちょ銀行の定額貯金(2021年10月4日現在)は、3年以上でも0・002%。通常貯金(0・001%)と大差ない超低金利で、100万円を預けても受けとれる利息は年間20円にしかなりません(さらに税金が引かれます)。これでは複利で何年間運用したとしても、お金はまったくといっていいほど増えないのです。
それでも利息がつくだけ、まだマシです。タンス預金は利息が1円もつきませんし、多額の現金を自宅に置いておくのは防犯上危険でもあります。
泥棒に盗まれる恐れもありますし、火事になったら紙幣は燃えてしまいます。居住地によっては、大地震が起こって津波で流される可能性だってゼロではないのです。
それに対して、日本で個人が株式などに投資している金額は、金融資産全体の10・0%、投資信託が4・3%にとどまっています。これは世界的に見ても、極めて異例なのです。
子供の頃お年玉をもらうと貯金するのが一般的な日本。なぜ日本ではこのようにお金のリテラシーが低いのか?確かに銀行に預けていれば金利で増える時代もありましたが今は違います。その頃の慣習を今でも引きずっているのは大変なリスクです。インフレによる物価高であなたの資産は目減りしていくのです。一方、株式やインデックスに投資していれば会社や企業群の業績の上振れに応じて株価が連動して上がるのでお金の価値は変わりません。それどころかキャピタルゲイン、インカムゲインにより資産は増えていきます、
株式は現金より信用度が高い
信用という視点で見直すと、株式投資の新たな魅力も見えてきます。
現金と株式を比べたら、ほとんどの人は現金のほうが信用できると考えるでしょう。しかし、インフレによる現金価値の低下リスクを踏まえるなら、現金より株式のほうが信用度は高いと私は思っています。
株式には、企業のビジネスや資産といった信用の裏づけがあります。
たとえば、トヨタ自動車(7203) は、世界で1、2を争う自動車生産量を誇り、プリウスやミライといった画期的な製品を生み出す優れた技術力があります。
アップル(AAPL) のiPhoneは、世界で9億台以上使われています。世界の人口は約 79 億人ですから、約9人に1人がiPhoneユーザーということになります。
アマゾン・ドット・コム(AMZN) は、本国アメリカはもちろん日本でも5000万人以上が日常的に利用しています。
私は三菱地所(8802) に投資していますが、それは三菱地所が東京の超一等地である丸の内エリアに、「丸の内の大家さん」といわれるほど、多くの土地や建物を保有しているからです。
こうした企業の「稼ぐ力」「成長力」あるいは「資産」といった株式の信用を裏づけるものの価値が、一夜にしてゼロになることはまずありません。
仮に信用の裏づけが揺らぐような事態が起こったとしても、よほどのことがない限り、株価を指定しない「 成 行 注文」で、株式を売却することができます。
個別企業の信用性が評価できないのなら、日経平均株価やニューヨーク・ダウといったインデックス(株価指数) と連動した運用成績を目指す「投資信託」や「上場投資信託」(ETF) に投資する手があります。
これは「インデックスファンド」と呼びますが、いろいろな〝株式の詰め合わせセット〟と考えればわかりやすいでしょう。
日本やアメリカなどのインデックスファンドに投資すれば、上場しているさまざまな企業の株式を少しずつ保有することができます。企業の内実はそれぞれですが、多くの企業に分散投資することで信用リスクを担保できます。
企業の稼ぐ力がいきなりゼロになることはありません。なので現金主義の人が恐れているほど株式投資は怖いものではありません。個別企業の業績を図る術を持たないのならインデックスファンドやETFに投資すれば上場している複数の会社に分散投資していることになり安全性はさらに高まります。さらにドルコスト平均法により毎月決まった額を投資することで期間を分散すれば高値掴みのリスクを低減するので初心者にはこの方法がおすすめ。
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