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老後がこわい|香山 リカ|老後はどーなる? 老後の不安・疑問に答える本

老後の不安を煽る老後に必要な資金の目安が公表されてからだいぶ経つ。いつまで働けば、経済的に不安はないか。老いた親の面倒は誰がみるのか。終の棲家はどこにするか。誰と暮らすか。遺言状・お墓の準備は必要?など老後の不安や疑問を解決していく書籍です。

「親との死別」のショック

この女性は三〇代。私も横森さんも四〇代。これはこの世代特有のできごとなのだろうか。現代人の精神的発達は、昔に比べて一〇年も二〇年も遅れていると言われるではないか。だとすると、四〇代の私たちも親子関係においては、従来の二〇代、いわゆる小娘レベルの心理状態でいるのかもしれない。だとすれば、もう少し年を重ねて五〇代くらいになれば、さすがにもっと冷静に自分の親の死を受け入れるようになるのではないか……。

そんな言い訳をつぶやきながら、横森さんのエッセイが載っているアンソロジーをパラパラめくると、そこには五〇代、六〇代になっても親の死を乗り越えられないでいる人の文章も載っていることがわかり、愕然とする。

そのひとり、評論家の俵萠子さんの場合は、自身が六五歳のときに九二歳の母親を失った。立派な〝大往生〟である。しかし、俵さんは「予想外の悲しみに襲われて、時折、ひょいと涙が出る」と率直に語る。自分でもこの反応が不可解で、「いったい、こりゃ何だ?」と考え込み、「考えたからといってわかるものではない。母のことは皮膚感覚化しているのだ」という結論に達するまでに、二年もかかったという。

しかも、そういう結論が出たからといって、その悲しみが少しでも癒えるわけではなさそうだ。本を書くといちばん喜んでくれた母がいなくなった、という痛手は変わらない。「これから愛娘とステキな母娘関係を築いていこう」と希望を抱く横森さんと違って、俵さんはエッセイの末尾にこう記している。

だれのために本を書けばいいのかわからなくなった。いままだ、私はその困惑の中にいる。しかし、いつまでも、こうしているわけにはいかない。母の死は、もの書きである私に、最後の〝自立〟をつきつけているのだろう。

親の死、最後の自立を突きつけられるというのには確かにそうだろうなと思った。なんだかんだで親は死ぬまで親な訳で生きているうちは何かと頼りがちになってしまうというのはわかる気がします。

誰のための医療なのか

自分で払える医療費まで国や保険制度でまかなってくれ、と言うつもりはない。最高級医療を国民全員が等しく受けられるようにすべきだ、とも言わない。コストダウンは社会全体の傾向なのだから、それが医療の世界にも適用されるのは当然だ。

しかし、医療や介護を本当に必要としている人くらい、あまり無理のない自己負担でそれを受けられるようにはできないものなのか。海野氏の言う「支払い可能な応能負担制の医療・介護等の健康維持サービス」という考えだ。

先ほどの海野氏の論文にあった高齢低所得女性のみならず、多田氏のように世界的名声を勝ち得た人までが、適正な医療やリハビリを受けられない事態になっている、というのがかえって事の深刻さを浮き彫りにしていると思う。

一方では、都会を中心に自由診療を掲げる美容外科やアンチエイジングクリニックが林立し、数十万、数百万のお金を投じて〝生き死ににかかわりない医療〟を受けようとする人もいる。必修化された二年の研修医制度を終えて巣立つ若き医師たちも、こぞって美容外科や皮膚科に進みたがる。全国の大学病院の調査では、研修終了後の志望先調査では「形成外科は四一%増、皮膚科二四%増、麻酔科二三%増」という数字が明らかになった。反対に、脳神経外科や小児科は大きく減少している。「仕事がきつく、しかも生命に直接かかわる診療科への希望が減っている」というのが調査を担当した医学部教授の分析だが、仮にも医療を職業として選択しようという若者が「お金が儲かり責任が軽い仕事がいい」と思っている、というのが現状なのだ。

高度な医療が浸透してきて今まで治らなかった病気が治療可能になってきているが本当にそれらは必要か?高額すぎる治療法を求めて群がる人たち。僕は体に不調を感じて検査したら末期のガンでそのまま天国にみたいな死に方を望んでいるのだけどどうだろうか?

老後の不安に答える書籍。孤独やお金、医療の問題など老後特有の問題を著者の知識で解決に導きます。

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