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最強のベーシックインカム:AIとロボットが働く時代のおカネのシステム|駒田 朗

AIやロボットが現実に人間の仕事を奪っていく世の中で、「ベーシックインカム」が有効な施策として再び脚光を浴びている。以前にもベーシックインカムの導入について議論されたことはあるが、その考え方が受け入れられることはなかった。一部の人の考え方からみんなのベーシックインカムへと昇華されれば、今後さらなる脚光を浴びることになるかも知れない。そんなベーシックインカムを学ぶ書籍。

お金を配って景気を回復しよう

ばらまきマン「ベーシックインカムという政策は主張する人によって様々な違いがあるから、いくら貰えるかは一概に言えない。毎月8万円という人も居れば毎月 10 万円と主張する人も居るよ。しかしオレは最初から多額のおカネを配るんじゃなくて、給付金額を小額からはじめて徐々に増やす方法をお勧めしているんだ。例えば全国民に毎月1万円を支給することからスタートする。そして様子を見ながら次の年は毎月1万5000円、その翌年は毎月2万円のように、徐々に貰える金額を増やしてゆく方法だ。急に多額のおカネを配ると社会が混乱するかも知れないから徐々に増やすわけ。 そうやって国民におカネを徐々に配るとみんながおカネを使うようになるから、消費が増えて国民が豊かなるし、景気も回復するし、経済も成長するわけだ。ふっふっ、一石二鳥、いや三鳥の凄い政策だろ」 みう「ふ~ん最初は毎月1万円かぁ、でも1年間だと合計で 12 万円だから馬鹿にできない金額よね。もし4人家族だったら年間 48 万円だからすごい金額なのです。でも、それってバラマキっていうヤツじゃない? そんなことして大丈夫なの? バラマキは悪いことだって新聞やテレビが言ってたから、ばらまきは悪いことなのです。最低です」 ばらまきマン「ほほう、ではおカネは欲しくないのかね、お嬢ちゃん」 みう「みゃ~欲しい、欲しい、欲しい、おカネはぜ~ったい欲しい。でもわたしは1円も損したくないです。損したくないけど、おカネはください」 ばらまきマン「はっはー(恐ろしいほどストレートな性格だな)。おカネは欲しいけど自分は損したくない。大部分の庶民の正直な気持ちはそういうものだね。おカネを配ることはバラマキだから良くないと新聞テレビが毎日のように繰り返しているから、そう信じ込んでいる人が多いけど、本当はおカネが欲しいはずだし、おカネがあれば衣類や家電製品を買ったり、旅行をしたいと思うはずだ。しかしおカネを配ると損をするといわんばかりの報道を365日も見せられているから、おカネを配ることに不安感を抱く人が多いんだ。

ベーシックインカムの話題にのぼる時、大抵は生活するのに困らない額を全額支給という大胆な政策が脚光を浴びる。しかしこれは何も一気にそうする必要はなくて、月々10,000円からの給付でも良いという選択肢があるのを僕は知らなかった。確かに月々数万円でも家計が助かるし、もしAIやロボットが徐々に人々の仕事を奪っていくなら、段階的に給付額を上げていき収入減を補填するというのも一つの案だ。景気を刺激しつつ経済成長を目指すならAIやロボットによって生産性が上がった分を配っていくのも良いのではないだろうか。世の中にお金が配られればものがどんどん売れて景気にも良い影響を与える。それを皆で享受すればいいだけだ。生産能力が増して世の中に人間の作りし生産物で溢れれば、お金の循環を促すためにベーシックインカムが役に立つだろう。世の中の仕事が50%になる世の中では絶対に必要な政策だと思う。でなければ人々の仕事をAI開発ロボット開発や生産に従事するように導くなどの大胆な舵きりが必要だ。

世の中のお金が増えると税収も増える

増税する前に検討すべきことがある。

①これまでの社会保障費を付け替える

②世の中のおカネが増えると税収が増える

この二つがあるから増税は最小限に抑えることができる。まず最初に①今まで社会保障の費用として税金や保険料として集めていたおカネがあるから、それを財源として付け替える方法がある。たとえば毎月5万円のベーシックインカムを支給するようになれば、年金や生活保護、失業手当として支給されてきたうちの5万円は支給しなくても良くなる。そのぶんだけおカネが浮くわけだから、それを新たな財源として組み込めばベーシックインカムの支給額をさらに増やすことができる。そしてベーシックインカムの支給金額を徐々に増やしていった場合、将来的に生活保護や年金として支給されている金額とベーシックインカムによる支給額が同額になるなら、給付型の社会保障はベーシックインカムに統合される。そうなると社会保障の財源として徴収されてきた税金や保険料はすべてベーシックインカムの財源となるわけだ。

この新しいお金の回し方によって税収もアップするし、仕事を奪われた人間の救済にもなり社会が円滑にまわるのがベーシックインカムに期待されること。フリーライドと揶揄するだけでなくこうした側面から考えてみるのも必要なのだ。

ベーシックインカムの必要性を論じた書籍で、ばらまきと非難する人たちを説得するかのようにその利点をレクチャー、読み終わってみるとベーシックインカムも導入しても良いのではと思えるものとなっています。

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