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新装版 問題解決のためのデータ分析|齋藤 健太|知識ゼロからデータ分析がサクッとわかる!

新入社員から管理職までビジネスにまつわる問題解決のためのデータ分析を詳しくわかりやすく解説。問題解決力・仮説の構築・データ集め・分析、売上アップから新商品の開発まで、熱意でゴリ押しするのではなく数字を示せるビジネスマンに!

勘ばかりに頼る上司にならないために

昔の勘にばかり頼る上司、熱意だけは立派な部下、みなさんのまわりにもいるのではないでしょうか?

戦後から高度経済成長期にかけての「モノが足りない時代」であれば、勘や熱意だけでもモノは売れたかもしれません。

しかし、現在のようにモノが 溢れ、国内市場の成長率が鈍化し、また経済環境が目まぐるしく変化する中では、勘や熱意だけではどうにもなりません。

勘に頼らない“商売のセンス”を持つ上司であれば、あなたに数値的な根拠を求めてくるでしょう。

熱意だけでない“商売のセンス”を持っている部下であれば、おそらく数値的な根拠に基づいた提案をしてくるでしょう。

そう、 今日の“商売のセンス”は、勘でも熱意でもなく、根拠となる「数値データ」にその源泉がある のです。

「モノを売る」ということ以外にも、企業の中ではさまざまな取り組みがなされています。それらはすべて、次のような何かしらの「問題」を解決することを目的にしています。

◉いかにして売上を上げるのか

◉どうやってコスト削減をするのか

◉効率よく業務を進めていくためにはどうすればよいか

◉組織のコミュニケーションをより円滑にする方法はないのか ……等々

「仕事とは問題解決である」と定義できるほど、本書をお読みのみなさんも、何らかの問題に囲まれているかと思います。

本書でいう「問題」とは、いわゆる「困っている状態」のことを言いますが、それら数ある問題を解決するために、「データ分析」ほど威力を発揮するものはありません。

仕事とは問題解決の積み重ね。その一つ一つは小さくてもそれを解消しない限り問題はボディーブローのようにじわじわ会社の体力を奪っていきます。そうならないためにも、早期にデータから問題点を洗い出し先手を打つことが大事。数字は正直なのでうまくいっていそうなプロジェクトも実は最近下降線を辿っていたりする場合も。お客様からの評価がダイレクトにあらわれるのが数字です。嘘偽りのないデータを活用して早期に問題解決をしていきましょう。

囲い込みのうまいスタバ

たとえばスターバックスでは、新規出店や既存店のリニューアルの際、店舗調査で顧客の行動を観察することで、顧客の行動変化を示すデータを蓄積し、店舗の「実際の使われ方」を分析した上で、レイアウトを考えたり変えたりしてきました。

そして最近では、顧客の体験価値を向上させるために、ロイヤルティープログラム「Starbucks Rewards」を2017年9月から開始しています。会員プログラムによるOne to Oneマーケティングで、上質な顧客体験を提供するためのロイヤルカスタマー向けの施策になります。このプログラムにおいても「アクティブ会員率」をはじめとした指標をKPI(重要業績評価指標)に設定して、常にデータ分析をしながら顧客との関係性を高め、ブランドを強固にしていく取り組みをしているのです。

また、アマゾンは、顧客が過去に閲覧・購入した商品の履歴から嗜好を類推し、別の商品をすすめるレコメンデーション機能を高い精度で実装しています。膨大なデータを多角的に検証することで、「押しつけ」ではなく「提案」という歓迎されるやり方で提供しています。なんと、一人ひとりの顧客について、500項目の個人的属性を明らかにしていくほどのデータ分析をしているとのことです。

僕は近所にスタバがあるのでよく利用します「Starbucks Rewards」もリリース直後から利用しています。年間24万円程度スタバに貢いでいるのでこうしたプログラムはありがたい。おかげでコーヒー豆はいつも半額程度で買えています。

事業に不可欠なウェブサイトの最適化

企業・事業活動をしていくにあたって、今や自社のウェブサイトの運用は欠かすことのできない業務です。「いかにして自社サイトへの集客を増やし、そこからの問い合わせや資料請求、あるいは購買へとつなげるか」が、売上・利益を底上げしていくために必要不可欠な要素となっています。

このパートでは、集客から購買までのプロセスが比較的わかりやすいEC(電子商取引)サイトの事例を使って、ウェブサイトを運営していく場合のデータ分析方法をお話しします。

ECサイトも実店舗と同様、お客様が来店して、お店の中を回遊し、商品を手に取り購買する、というフローになります。

実店舗では、何人のお客様が来店して、どの程度回遊して、実際に購入に至ったのは何人いたのかというデータを取るためには、かなりの労力、コストをかける必要があります。しかしECサイトでは、それがコストをかけず、比較的簡単に、正確性も高く把握することができるのです。

そのためには最低限、自社のECサイトを、Googleが提供するウェブページのアクセス解析サービス「Googleアナリティクス」に登録する必要があります。おそらくECサイトを運営している方がGoogleアナリティクスを知らないということは少ないと思いますが、この設定だけは必ず行いましょう。

ウェブサイトが使いずらいUIだったりすると使うのが面倒だったりします。王手のECサイトでもそれが改善されていないサイトは意外と多くて、いつも使いやすいAmazonに落ち着いています。

データを示して意見に説得力を持たせることはビジネスマンには必須のスキル。データに触れる機会を増やして苦手意識を克服していきましょう。

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