全世代別の付き合い方から自分の株が上がるお礼の方法やコミュニケーションを楽しくする毒のいれからなどの成熟テクニックを一冊に凝縮。
成功すると孤独がついてくる
「芸能界の方とはまったくおつき合いがありません。今も地元の友だちとばかり一緒に遊んでいますね」
人気のある芸能人が時折こんなことを言います。私はそのたびに「本当かなー」と眉に唾をつけています。「有名人になっても地元の友人を忘れない謙虚な自分」という演出ではないのかと。ステータスを得ると、同じ土俵でしかわからない悩みを打ち明ける友人もまた必要になってくるのではないでしょうか。
たまに地元に帰って高校時代の友だちと会ったら、色紙を持ってぞろぞろと知り合いを連れてきたり……そんなことがしょっちゅう繰り返されれば、それが本当の友だちづき合いであるかどうかは疑わしくなってきます。
大人になってからの友人関係というのは難しいものです。学生時代の友人とは違い、利害関係がからんでくる場合もある。子どもの有無などの環境や、経済的な面などでかけ離れていた場合、友情が成立するのが難しくなることもあります。
四十代の知人女性から聞いた話です。彼女は高校時代から仲のよい友人と四人グループで時折、国内旅行に出かけるなどしていました。しかし年を経るごとに、高給取りの彼女と、他のメンバーとのあいだに経済的格差が生じてきた。その格差はやがてお互いが泊まりたい宿や行きたいレストランの格差となり、ついに仲よしグループは瓦解してしまったというのです。
この他にも、テレビに出て顔も知られている女性が、やはり友人たちと旅行する際に、
「みんなの差額分は自分が払うから、グリーン車で行こうよ」
と提案したところ拒絶され、次第に疎遠になっていったという話も聞いたことがあります。
映像業界のとある成功した女性から、
「私って本当に友だちがいないんですよ……」
と相談を受けたとき、私はこうアドバイスしました。
「若くして有名になると、一時的に友人が減るのは仕方ない。あと数年したら、同じぐらいの年齢で活躍している人たちと友だちになっていくから。そうすると本当に楽しく遊べるよ」 「ハヤシさんが言うと、説得力あるわー」
と感心されたものです。自分でいうのもいやらしいですが、実際に、二十代で知名度と相応のお金を手にした私は孤独を感じていた時期もありました。気がつけば飲んだり遊んだりで一緒にいてくれるのは編集者だけになっていたのです。
かつての私だけでなく、とりまきの編集者をはべらせている作家はたくさんいます。業界内の噂話をしながら飲み食いは会社の経費で落としてくれるし、あれやこれやと気をつかってくれたりもする。作家は編集者とつき合うのがいちばんラクチンなのです。しかしここに落とし穴が潜んでいます。
収入の格差や家族の有無ななどによって疎遠になるのはあるあるですね。僕は仕事を辞めてからみんなと連絡を取らなくなり、実質上友達ゼロ生活が始まりました。学生時代の友達も、僕が大学を中退して仕事に就いたためいないので本気の友達ゼロ。それでも世の中にはそれを補うツールやサービス、エンタメがたくさんあるので寂しいと感じたことはありません。
人を積極的にしてくれる
お金をジャブジャブ遣うくせに、私はお金はとても大事なものだと考えています。
王道を行く生き方をしたいのは、その方がお金が多く入ってくるからでもあります。お金があると好きなことが出来る。旅行をしたり、おいしいお店で食事をしたり、好きな洋服を買える。「自分に投資」という言い方はいやらしくて好きではありませんが、自分がやりたいことが出来て、欲しいものが手に入るというのは、人間の大きな快楽の一つ。面白がって生きていくためにも、そうした欲望を満たすお金はとても意味のあるお金だと思っています。 お金の大切さが身にしみているのは、商売をやっていた家の娘だからでしょう。中学高校時代の私が、 「お母さん、ケチ……」
と不満を漏らすたびに、母は、 「私だってケチなことをしたくないけれど、
お金がないんだから仕方ないじゃないの」
と言っていました。母からはよくこんなことも聞いたものです。 「お金を軽んじてはいけない。お金は、人を積極的にしてくれるし、可能性を広げてくれるの」
弟が医者になりたいと言い出しても、うちには医者にしてやれるお金がないのが悔しい、とも母はよくこぼしていました。
お金にまつわる、ほろ苦い思い出があります。
もう四十年以上前、売れないコピーライターから雑誌ライターへの転身を図っていた頃、当時はまだ珍しかった中国ツアーに参加する機会を得たことがありました。
費用は二十六万円だったのですがお金が足りず、高校時代の親友から十万円を借りました。しかし、私はそれをなかなか返さなかったのです。そうしたら半年ぐらいたって、連絡がありました。
「私、結婚することになったから十万円返して」
彼女は小学校の先生になっていて、勤務先の神奈川の小学校にお金を持ってお詫びに行きました。
クレジットカードや消費者金融の宣伝がCMで流れすぎる問題。最近の若者はお金に対するシビアな価値観を持っているので引っかかるのは中高年かなと思います。僕は分割払いはせずいつも一括。一度だけスマホ代を分割にしたのですが何だかLIFEを削られているようで不快な思いをしたのでそれ以来一括に。
老いをポジティブに「成熟」と捉え、昨日とは違う自分に気持ちをアップデートする書籍。老いとの付き合い方についての書籍は最近多いがこれは比較的成功している人にぴったりの内容かなと思います。社会的に弱い立場の人が読むと不快になる可能性もあるので要注意(笑)
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