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悩み・不安・怒りを小さくするレッスン|中島 美鈴|「認知行動療法」入門

SNSやメールで返答がない、ミスの指摘などを気にするそんなことでいちいちクヨクヨしていては心身ともに疲弊します。やめるべきことをやめ自分を変えることはなぜ難しいのか?「認知の歪み」と「無意識的な学習メカニズム」の基礎から応用実践まで臨床心理士が解説。

論より証拠――実際に行動してみて確かめる

行動実験とは、ごく簡単に言えば、自分の認知(考えや思い込み)が本当に正しいのかどうか、実際の場面で行動してみて確かめることです。

たとえば、「人に好かれるためには、迷惑をかけてはならない」という思い込みを持っているために、いつも不都合を感じていたり、他人に遠慮しすぎていたりする人がいるとしましょう(仮にAさんとして、物語風に説明していきます)。

しかし、普通に生きていれば、その思い込みが必ずしも正しくないことは何となく分かってきます。もちろん、人に迷惑ばかりかけていたり、迷惑をかけておいてまったく悪びれるところがなかったりすれば、嫌われる原因になりますが、世の中には、時々周囲に迷惑をかけながらも、みんなから愛されている人がいるものです。

Aさんも、そういう人を見ているうちに、自分の認知に疑問を持つようになりました。「私は『人に好かれるためには、迷惑をかけてはならない』という考えにとらわれているけれど、それは正しいのだろうか」と。

そして、いつもとは少し行動パターンを変えてみることで、その疑問を確かめてみることにしました。

相手として選んだのは、学生時代からの友人であるBさんです。彼女(彼)とは、近々、買い物に行く約束をしていたのですが、目的地であるデパートはBさんにとっては自宅から行きやすい場所、しかし、Aさんにとっては電車を二回乗り換えなければならない、行きにくい場所でした。しかも、約束の当日、Aさんは入院中の家族を見舞ってから現地へ向かわなければならないため、さらに遠回りになってしまいます。

それでも、普段のAさんであれば、こう考えていました。 「私にとって都合の良い場所に変更したら、今度はBさんにとって都合の悪い場所になってしまう。それなら私が我慢しよう。人に迷惑をかけてはならない」

しかし、そうした自分の思い込みに疑問を持つようになっていたAさんは、思い切って、Bさんにこんな提案をしてみることにしました。 「今度の買い物なんだけど、もしよかったら、場所を○○駅の近くに変更させてもらってもいい? 午前中に入院中の家族のお見舞いに行きたいから、そっちの方が好都合なんだよね」

よほど自己中心的な人でない限り、こうしたお願いで不機嫌になったりはしないでしょう。Bさんも、今までになかったAさんの都合による申し出を珍しいとは思ったものの、笑顔でOKしてくれました。 「もちろん良いよ。そんな事情があるなら、もっと早く言ってくれれば良かったのに」

この経験によって自信をつけたAさんは、その後も時々、相手と内容を慎重に選びながらも「これは少し迷惑になるかな」と思うお願い事を他人にしてみるようになりました。

たまには断られることもありましたが、それによってAさんが嫌われることはほとんどありません。むしろ、自分の都合や気持ちを率直に打ち明けたことで、相手との関係がより深まったようにAさんは感じました。

人間関係が良好ならば、人に頼み事をしても多少は許される。僕はあまりにも要求ばかりしてくる相手とは距離を取るようにしている。自分に不利なばかりでメリットのない相手とはね。特に精神面で負担がかかるなと思った場合その相手や状況から抜け出すことを考えます。逃げても良いんだということ。

怒りは二次感情である

まず、大前提として知っておいていただきたい考え方があります。

「怒りは二次感情である」と言われているのをご存じでしょうか?

この説を唱えたのは、オーストリア出身の精神科医アルフレッド・アドラー(Alfred Adler 1870–1937)です。アドラーは認知行動療法と直接関係のある人物ではありませんが、フロイトやユングと並んで心理療法というジャンルそのものを創始したとされる人物で、認知行動療法もアドラー心理学の影響を受けている面が多分にあります。

ごく簡単に言えば、人は不安や恐怖、嫉妬、寂しさ、無力感、自己嫌悪など、自分の中に受け入れがたい「一次感情」があるときに、それを隠すように怒る、というのがアドラーの考え方です。

たとえば、幼い子どもが危険な行動を取り、ヒヤッとさせられた(恐怖を感じた)親が「危ないじゃないの!」と言って怒る、というのが分かりやすい例ですが、ここではもう少し日常的で微妙なケースを考えてみましょう。

異性のパートナーと部屋で過ごしているときに、彼女(彼)がスマホに夢中になっている状況を想像してみてください。ちょっとイライラさせられるかも知れませんね。

このときに、本当は「こっちを向いてほしいのに」といった寂しさや「スマホで誰とやりとりしているんだろう?」といった嫉妬の感情が湧いてしまったとします。

こうした感情を素直に認めるのは、なかなか難しい場合があるかも知れません(特に男性はそうではないでしょうか)。そういう認めがたい一次感情があるときに、 「俺といるときにスマホばかり見るな!」  などと怒鳴ってしまう、というのが二次感情としての怒りです。

激高しやすい方であれば、彼女からスマホを取り上げて床に叩きつける、といった行動に出てしまう場合もあるかも知れません(パワハラやDVと見なされかねない行為です)。

一次感情としてある寂しさや嫉妬が強いほど、怒りは激しいものになると考えられます。

このように「怒りという感情よりも前にあった感情に目を向ける」というのが、アンガーマネジメントの大前提となる考え方です。そして、二次感情である怒りにとらわれることなく、一次感情を解消することを目指していきます。

怒りは二次感情、確かに何かに付随する形で出てくるのは明白。自分にとって思うようにならないことが多いとこれが出やすいのかなと思います。人は不安や恐怖、嫉妬、寂しさ、無力感、自己嫌悪など自分に不都合な感情共に起こる怒りの感情。これをコントロールするには少し時間を置いてみること。冷静になって考えれば怒るところではないといったことは多々あります。なので怒りを感じたら数秒その考えから離れてみる。

悩み、不安、怒りを和らげる処方箋。これら負の感情をコントロールできれば毎日がちょっと快適になります。無駄に心を揺さぶられないために。

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