夫や妻の非常な態度によって傷つく伴侶たちが急増している。著者の経験によるこれらの虐待は、全ての責任は自分にあると刷り込むようなもの。しかしそれは違った。幸せになれないのは自分のせいではないしあなたが受けているハラスメントはパートナーによるものなのだ。
優しい人が仮面を剥ぐ時
夫と私は、おたがいの過去をほとんど知らずに結婚した。
どんな環境で、どのように育てられたか、小さいころの楽しい思い出話、学校時代の友人の話など、彼は語ろうとせず、ただ「俺は絶対に親父のようにはならない。二人で助け合って生きていこう」と言うのだった。
その彼から、結婚後まもなく、「お前は俺と同等だと思うなよ」などという言葉を投げつけられるようになるとは、私は夢想だにしなかった──。
無事に結婚式も終わり、海外へ新婚旅行に出かけた。
夫は、海外旅行が初めてだった。短大生のころから独身のOL時代、私はよく外国を旅していたため、終始、私がリードするかたちになって四日目ごろ、夫の様子がおかしくなった。明らかに不機嫌なのである。女友だちと長い旅行に出かけると、旅の疲れから、ふだんならなんとも思わないことが気になって、けんかすることがあった。夫の不機嫌も、きっと慣れない旅の疲れのせいだろうと思っていた。
ともかく無事帰国し、二人の新婚生活が始まった。
結婚前、夫は、私が仕事を続けることに反対しなかった。共働きだから、家事は分担しようねと、話し合っていた。私が料理を作る日は、夫が後片づけをする、という約束もしていた。新婚生活第一日目、夫は約束どおり、お皿を洗ってくれた。翌日、食事が済んでも夫は立ち上がらず、テレビを見ていた。「お皿洗って」と言っても、不機嫌そうに聞こえないふりをしている。 (私がやればいいことだ。こんなこと、たいしたことじゃない)
以後、結婚生活のすべてに、私はこの言葉を使うことになる。
こうした例はありがちなのかも知れない。夫は自分が主導権を握っておきたいタイプでそれが損なわれたから、急に態度が変わることに。こういった事例が他にもたくさんありそうで、その逆の場合、夫が過度にコンプレックスを抱き次第に殻に篭るようになったり、他で自尊心を満たす浮気相手を探すなんてことも。これがシングルの時ならば良いが、夫婦って難しい。
私たちの苦しみには名前があった
夫やパートナー、恋人、婚約者など「親密な」関係にある(またはあった)男性からの暴力に苦しむドメスティック・バイオレンス(DV)の被害者は、加害者による一次被害に加え、さまざまな所で「二次被害」(セカンドアビューズ)にさらされる。「殴られるあなたが悪い」「多少の暴力はどこにでもある」「妻は夫に従うべき」などと、救済を求めた司法関係者(調停委員、裁判官、検察官、弁護士)や警察官、生活保護担当者等の言動によって、さらに深く傷つけられる被害者が後を絶たない。
身体的暴力による傷のように目で見てわかる証拠があれば、周囲もDVと気づくが、外から見えないモラル・ハラスメントの場合、第三者に理解を求めるのはいっそう困難である。
モラハラ被害者は、何とか他の人にわかってほしいと訴えるが、「話し合えば理解し合える」「話し合いの仕方に工夫が必要」「どこの家もみんな同じ」などの一言で片づけられてしまう。親兄弟が親身になってくれればよいが、親も夫にだまされている場合が多々ある。「あなたも悪いところがあるんじゃないの?」「そういう気の強いところがあの人の気にさわるのよ。自分を変えなさい」と見当はずれなことを言われ、さらに傷が深くなってしまう。これらは近親者による「二次被害」である。加害者は世間的には「いい人」で通っているので、「まさかあんないい人がそんなことをするはずがない」と知らない人は考える。
また、被害者の親に問題がある場合、親に相談することで、さらに傷を深めることになってしまう。
増え続けるモラハラ被害。一昔前ならば当然だった、そう泣き寝入りしかなかったこれらの虐げられた事例も今ではきちんとした呼び名がある。モラル・ハラスメントこの言葉が普及して行けば自覚症状がある夫や妻の問題を詳にすることで問題解決の筋道ができる。
あなたの今吐いた言動はモラル・ハラスメントになるかもと自戒するための教科書。まあそういった行動をとる人はこんな本を読まないだろうが(笑)少しでも多くの人にこういった言葉があることを理解、普及していけば、それが常識となり周りのサポートや相談相手も増えていくことだろう。
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