138億年前ビッグバンにより生まれた宇宙。その時の流れは宇宙にとってほんの一瞬。人類や生物の誕生はさらにその後。それこそ微々たる歴史しかない。そんな始まりから、宇宙はいつ終わりを迎えるのかという疑問に答える書籍。
元素はいかにして合成されたか?
ある原子がどのような化学反応を起こすかは、原子核が持つ電荷によってほぼ決定される。このため、化学反応の仕方で区別される元素は、原子核に含まれる陽子の個数(原子番号と呼ばれる) をもとに分類することができる。原子番号が同じで中性子数が異なるものは、同じ元素の 同位体 と見なされる。
宇宙には、 90 種類ほどの元素が天然に存在している。最も多いのが水素(原子番号1) で、重量比で全体の 73%を占める。次いで、ヘリウム(原子番号2) が 25%となり、残り2%が他の元素の割合となる。原子番号が3~5のリチウム、ベリリウム、ホウ素の割合は極端に小さく、ヘリウムの次に多いのは、酸素(原子番号8) である。これ以降は、原子番号が大きいほど比率が小さくなる傾向があるが、一般に、原子番号が偶数の元素は隣り合う奇数のものよりも多く、また、鉄のように、原子番号の近い他の元素に比べて、突出して多いものもある。
これらの元素は、宇宙史のある段階で合成されたはずだが、いつどのようにして合成されたかは、長らく謎だった。問題は、陽子がプラスの電荷を持つため、電気的な反発力を乗り越えて多数の陽子と中性子を融合させるには極端な高温・高密度状態が必要なことで、そうした環境が実現されるケースを扱う理論が未熟だったのである。
この問題に最初に挑戦したのが、ガモフである。彼は、宇宙初期に元素合成が可能な環境が実現される可能性に思い当たり、1948年、学生のラルフ・アルファと協力して、始まりの瞬間に存在するのは(当時は内部構造のない素粒子と見なされていた) 中性子だけだとする仮定の下に、どのような核反応が起きるかを考察した。
宇宙には90種類ほどの元素が存在する。構成する物質として確認されているのは現在のところそんなもんだがそのほかにも物質を構成する謎に満ちたものが存在してもおかしくないところがまた宇宙の可能性を見ることができる。
銀河とブラックホールの共進化
かつては、物質を飲み込むばかりで何も放出しない〝死んだ天体〟と見なされていたブラックホールだが、現在では、銀河の進化に大きく関与するという見方が主流になっている。確かに、地平面の内側に飲み込まれた物質は二度と外に出てこない。だが、地平面のすぐ外側に形成されるガス流の作用により、ブラックホールは銀河内部のガスを引き寄せては吹き出す送風機のような役割を果たすことができる。鍵になるのは、ブラックホールが、質量に比べてきわめてコンパクトなことである。
重力によってブラックホールのすぐそばまで引き寄せられた物質は、光速に近いスピードに達する。このことは、脱出速度という概念を使うとわかりやすい。地表から真上に物体を投げ上げると、初速に応じた高さまで到達した後、上昇速度がゼロになって落下に転じる(大気の抵抗は無視できるものとする)。上向きの初速を増していくと到達する高度はだんだんと高くなり、ある速度以上になると、地球の重力圏を脱して無重力の宇宙空間に飛び出していく。この速度を、脱出速度という。
脱出速度ちょうどで物体を投げ上げた場合、宇宙空間に到達したときの速度はゼロになるので、逆に、宇宙空間でほとんど動いていなかった物体が地球の重力に引き寄せられると、地表では脱出速度に達するはずである。ブラックホールの場合、地平面の内側からは光ですら脱出できないので、地平面における脱出速度は光速だと考えてかまわない。したがって、遠方から地平面のそばまで引き寄せられる物質(主にガス) は、光速近くまで加速される。
こうしたガスが、遠方からまっすぐにブラックホールに向かい、そのまま地平面の内側に飲み込まれるのならば、ブラックホールは単に物質の墓場でしかない。
ブラックホールのイメージというと物質を吸い込み闇の中へといったイメージだが、実際はダイソンの扇風機のように空気を取り込み排出するようなものらしい。
宇宙と聞くとロマンがあるのでついついこのような書籍は手にとってしまうが、その度自身の知識の浅さを知ることとなる。新たな発見と知ってても特に役に立つことがないところが逆に興味をそそる(笑)そんな宇宙論。
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