記者時代コツコツ独学で学んだこと、そして大学で一般教養を教える立場になって考えること。現在を生きる多くの人の学びとなる事柄について考えるエッセイ本。
検索能力があればそれでOKか?
あるITの専門家が、これからは、誰でも検索すればリアルタイムで最新の情報が手に入るのだから、検索のスキルこそが大事になってくる、と語っていました。確かに一理あります。そういう考え方をする人もいるでしょう。
ただ、そういう話を聞くと、「それだけではないのでは」と思ってしまいます。
検索能力は必要な能力ですが、あるキーワードで検索して引っ張ってきたものと、別のキーワードで引っ張ってきたものを重ねることによって新しい発想を生み出す。そこまでできないと、あまり意味がないと思うのです。 「組み合わせて引っ張り出す能力」と言っていいかもしれません。
頭の中から、そのときに合わせて適切な知識を引っ張り出す。あるいは知識と知識を組み合わせることによって自分なりに展開させる。そのような能力こそが、いま必要なのではないでしょうか。
そのためには、引っ張ってくるべき内容を大量に蓄積していなければなりません。これが、現代の教養のひとつなのでしょう。
それができることが「教養がある」ということではないか、とも思います。
今はAIの進化により検索能力すら必要なくなる段階。人間にそうしたスキルは必要なくなる時代。検索を知識と掛け合わせることで新しい未知の領域を見つけ出すのにはやはり教養が必要ということだ。検索した結果に対しアクションが取れるか否かはやはり教養のあるなしが関わってくる。知っていることは今や何のアドバンテージにもならないので知るだけでなく理解する次のステージの教養が求められる。
人生を変えた一冊の本
人間が自ら体験して知ることには限りがあります。でも本を読んでいくと、自分が知らない世界を、まるで目の前で見るように知っていくことができます。本によって〝体験〟できることも多いのです。本からどれだけ私はいろんなことを学んだだろうか、とよく思います。 それほど、本というものには力があります。この章では、本について考えてきたことをお話しします。
よく「人生を変えた一冊」という雑誌の特集などがありますが、私の場合は、ひとつは、『続 地方記者』(朝日新聞社・絶版) でした。小学校六年生のときに自宅近くの書店で小遣いで買った本です。新聞社の地方支局に配属された記者たちの仕事ぶり、その哀歓を描いたドキュメントです。私は、ここに登場する記者たちの活躍ぶりに魅了されました。他社との抜きつ抜かれつの特ダネ競争のワクワク感。警察より先に事件の容疑者に接触してしまう記者のスリル。
これぞ人生だ。子ども心に感激し、「将来は地方で働く新聞記者になろう」と決意したのです。
当時、記者といえば新聞記者。テレビのニュースはほとんどなく、テレビ局にも記者がいることを知らなかったからです。大学四年生になって就職活動の過程で、「これからはテレビの時代かもしれない」と思うようになり、NHKを受験しました。NHKの記者は全員が地方勤務から始まることを知って、小学生時代からの夢である地方記者になれると思ったからです。
地方記者は、警察から検察、裁判所、市役所、県庁、日銀、農協……と、あらゆる経験を積むことができます。記者としての基礎基本を学ぶことができました。これが、いまの私を形作っていると思うのです。きっかけは一冊の本との出合い。まことに本は人生を変えるのです。
人生を変えた一冊の本は何かと言われるとなかなか選出が難しい。どの書籍も少なからず僕という人間に影響を与えているので。逆に人生を書籍によって変えられる体験をした人はラッキーとも言える。書籍が与える影響は大きく人間形成に役立つことも多い。僕の場合アドラー関連の書籍がその一冊かもしれない。
すぐには役に立たないけど継続して末長く影響を与えるのが教養かと思います。池上さんを構築するもの全てが詰まったエッセイであなたの教養獲得の意欲を上げてくれることでしょう。
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