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夜は短し歩けよ乙女|森見 登美彦

黒髪の似合う彼女に密かに想いを寄せる先輩。偶然を装い夜の先斗町、下鴨神社の古本市、大学の学園祭と彼女を軽いストーカー気味に追いかける先輩。そんな彼の思いに一切気付かず度重なる偶然に「奇遇ですねえ!」の一言。そんな二人の周りに起こる珍事件。ちょっと癖のある周りの人たちと共に事件に巻き込まれていく。

 

ロマンチックエンジン始動!!

よくある本屋さんで一緒の本を同時に手に取ろうとして男女の手が触れ合い「あっ!」とかいうやつ。それを超えてくるロマンチックなシュチュエーションが描かれています。

作者の妄想がすぎるぐらいちょっと異端なその出会い方こそリアルなのかもしれません。古本市での黒髪の少女との接点は作為的であれ実際には起こり得ないようなシーンに逆に共感を覚えます。

こんな先輩の妄想学園生活がちょっと笑えてしまうのですが、本人は至って本気なのが好印象。片思いってそんな妄想であるがゆえ、人の心に大きなウェイトを占めるものなのだと思います。

 

学園祭で

なんだか内容が掴めない演出の演劇が学園祭で披露されます。終幕を迎えてやっとキャストが出てきてちょっとだけ内容がわかる。

わけのわからぬ世界観の演劇だが、こうゆうのがスタンダードなのだろうか?演劇って?と思っていしまう内容。

僕は観劇の経験が数えるほどしかないので玄人はもちろん素人の演劇の内容構成を理解するのに時間がかかる。小学生の頃に転校をしたことによって前の学校と転校先の学校で同じ演目の演劇を見たときも2回目にしてやっと内容が理解できたという経験がある。何度もこのシーンを読めばジワるのだろうか?

 

恋愛の外堀を埋める

古本市、学園祭、と恋愛における外堀を埋めていき距離を縮めようとする先輩。これ実際にやったらただのストーカーだなと思うのだが、本人は至って真面目。まあ恋愛なんてそんなもんかと思いながら読み進める。

一人の女性に全てを捧げ石橋が壊れるほど叩いて進む先輩にはちょっと共感を覚えた。僕自身も過去の恋愛で、相手の気持ちがこちらを向くまで基本ノープッシュだったので、偶然を装いターゲットとなる女性との接触回数を稼ごうとするのはわかる。

数多ある恋愛テクニックでも接触時間より回数を増やせ的な講釈を垂れる人が多いのも心理学的に理にかなっているからであろう。

 

世界観が独特ですが読む人を選ばないという点ではなかなか良いのではと思います。スクールカーストで低めの位置にいた人なら共感できるかもしれません。好きな子ができてもなかなか告白できなくて友人に背中を押されなければ恋愛さえできなかったと言った経験を持つ人なら先輩の様子がじわじわくると思います。

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