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地球46億年 気候大変動|横山祐典|炭素循環で読み解く、地球気候の過去・現在・未来

地球の46億年の中で起きた気候大変動の謎に迫る。温室効果ガスは現在の6倍。1,000年以上待機から二酸化炭素を隔離する驚異の熱塩循環とは?最短で数年で10℃以上の寒冷化が起きた「意外な理由」。「温暖化が進めば、海面が10~60m上0m上昇」東京水没を示唆する最新シミュレーションの中身。

恐竜絶滅後に起きた急激な寒冷化

恐竜の絶滅とともに、温暖だった中生代は終わりを告げ、約6600万年前から新生代が始まる。そして、新生代始新世に入った当初、およそ5500万年前ごろに約100万年間、温暖期(始新世前期温暖期 EECO) が続いた。気温の変化のみで地質時代の区分を考えるのであれば、この時代の後に中生代の終わりを持ってきてもいいようなものだが、慣例として生物相の変化が地質時代区分を行う際の前提条件となっているため、恐竜の絶滅の時期が中生代の終焉期となっている。

EECOに起こった温暖な気候もまた中生代と同様、火山起源の温室効果ガスが大気中に増加したことが原因と考えられる。しかし、その後、地球は徐々に寒冷化し、世界各地で氷河が発達し始め、3400万年前ごろには、南極に氷床が形成された。中生代から続いてきた、地球上のどこにも氷床がない「温室地球」から、少なくとも1ヵ所の地域には、いつでも必ず氷河や氷床が存在する「氷室地球」(アイスハウス) への大転換が起こったのである。中生代から新生代に入って急激に進んだ寒冷化はどのようなメカニズムでもたらされたのか。本章は、この謎に迫ってみたい。

第4章で取り上げた「大酸化イベント」、第5章の「白亜紀の急激な温暖化」など、これまで取り上げてきた100万年スケールの大気候変動の陰には、つねに地球内部のマントルやプレート運動が深く関わってきた。

これに倣えば、新生代の寒冷化にもプレートテクトニクスが深く関わっている可能性が高い。図6‐1をご覧いただきたい。これは約1億年前の中生代白亜紀の地球の大陸の離合集散を説明した地図だ。パンゲアの南半分を構成したゴンドワナ大陸がいくつかの陸塊に分かれていこうとする様子が見て取れる。

地球の歴史、兎角生命の歴史からすると人類の歴史などほんの一握り。その間に気候へ大幅に変動し絶滅する生物や隆盛する生物など色々だ。

南半球と北半球の気候を決める「見えざるシーソー」

巨大氷床の崩壊が引き金になって、北半球では最短で数年足らずで平均気温が 10 ℃近く低下する──ダンスガードやオシュガー、ハインリッヒたちが発見した「寒冷イベント」は、ミランコビッチサイクルに象徴される数万年の周期で駆動する気候モデルを信奉してきた科学者たちに衝撃を与えた。彼らはモデルの修正を余儀なくされた。

従来の気候モデルでは、大気中に含まれる二酸化炭素と熱塩循環に象徴される海流によって駆動する「地球のサーモスタット」の働きで、北半球と南半球の気候が平準化され、温暖化と寒冷化が南北とも同期して起こると考えられていた。

しかし、実際には、氷山崩壊のような局所的なイベントが起きると、盤石と思われた「サーモスタット」に変調が生じ、寒冷化や温暖化するタイミングにズレが生じるばかりか、北半球が寒冷化すると、南半球が温暖化するような逆位相の気候変動が起きることが、近年の研究でわかってきた。

北半球と南半球がまるでシーソーのように、バランスを取りながら、気温の変化を起こしていることに最初に気づいたのは、テキサスA&M大学のトーマス・クラウリーである。彼はクライマップのリーダーだったインブリーに古気候研究のおもしろさを教わり、気候変動の研究者になった人物だ。有孔虫などを使った堆積物の研究をメインに行ってきたが、大気物理学者であるジェラルド・ノースとの出会いにより、地球の気候をコントロールする要因をエネルギーのバランスで論じることに興味を深めていった。

彼は、モデルと観測データとを比べながら、北半球と南半球の気候が頻繁に「逆位相」になっていることに気がついた。

北半球と南半球がまるでシーソーのように、バランスを取りながら、気温の変化を起こしている。巨大氷床の崩壊が引き金になって、北半球では最短で数年足らずで平均気温が 10 ℃近く低下する。観測データから見る地球の気候変動。

炭素循環で読み解く地球の気候変動。地球の時間軸による変化は途方もない長期間で起こっているようで、ほんのわずかな時間で大幅な気候変動が起こったことも。それを考えると地球温暖化はそんな気候変動の一つと言えるかもしれない。地球の歴史と気候変動を仔細に見ていく書籍。

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