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国際紛争を読み解く五つの視座|篠田英朗|現代世界の「戦争の構造」を知る

国際秩序の中での紛争を捉え、東アジアの勢力均衡を分析。地政学上の欧州について語り、中東勢との文明の衝突まで明記。アフリカの立ち位置とアメリカの対外的な軍事行動の背景を仔細に語ります。

中国の経済規模は日本の二倍以上

中国は目覚ましい経済発展によって、二〇〇九年に日本を抜き去り、世界第二の経済大国としての地位に躍り出た。

このことがもつ歴史的な衝撃度は巨大である。アメリカに次ぐ経済大国という地位は、日本が約四十年にわたって維持していた地位であった。世界全体にとって、そして東アジア情勢にとって、中国の超大国としての台頭がもつ巨大な意味を過小評価することはけっしてできない。

IMF(国際通貨基金) による統計で、二〇一四年の中国のGDP(国内総生産) 推計は、十兆三千八百億ドルであり、日本のGDPの四兆六千百六十三億ドルと比して、じつに約二・二五倍の大きさである。二〇〇九年に経済規模で日本を抜き去った後も、日本の停滞をしり目に、中国は成長を続け、その四年後の二〇一三年には日本の二倍の経済規模を誇るところにまで到達していた。

高度成長期のようなモーレツ社員が減っていく中、日本の停滞は当然のことかと思います。ガツガツした働き手が減ったのも原因かと思います。ワークライフバランスが良くも悪くもその要因なのかなと。健全な働き方と少子化で昔のような成長が望めないのは当然かと思います。

世界大の政治経済システムのなかのもっとも脆弱な部分

もちろんこのことは、今日のアフリカが中東の影響だけによって紛争を起こしているということを意味しない。ただ根本的な問題を共有しており、連鎖しやすい。

中東における戦争の多くは欧米諸国が中心となっている「対テロ戦争」の文脈のなかで発生している。中東の政治体制の不安定が世界大の国際秩序の拡大のなかで生まれた現象と大きく関係していることは、すでに前章で見たとおりである。

アフリカにおいても同じように、世界大のシステムによって翻弄されざるをえない構造のなかで、武力紛争が増加したり減少したりしている。あえて言えば、世界システムからの影響をもっとも受けやすい脆弱な地域が、アフリカだと言うこともできる。  推計死者数で言えば、UCDPが見積もったアフリカにおける紛争による死者数七千百四十三人は、二〇一三年における世界中の武力紛争死者数の二割に満たず、シリアやアフガニスタンの死者数のほうが圧倒的に多いのは確かだ。しかしアフリカは一九九〇年代から二〇〇〇年代にかけて、ルワンダにおける虐殺やダルフール紛争などが、数十万単位というケタちがいの死者数をもたらしていた。

減少の背景には、二十一世紀になってから国連PKOが重点的にアフリカに展開し、紛争の拡大や予防のための活動を優先的にアフリカに振り向けているという事情もあると論じられている。

二〇一四年末時点で展開していた国連PKO十六件を例にとれば、九件がアフリカにおけるものであった。派遣者数では、全体の約十二万五千人の要員のうち八割以上を占める約十万人がアフリカへの展開。PKO総予算約七十億ドルのうち七割以上の約五十億ドルがアフリカに振り向けられた。

アフリカが中国に頭が上がらない状況下で中国が猛威を振るっています。中国から投資を受けているのでなかなか政治的に反対を言い辛い立ち位置なのかと思います。

国際紛争の原因を知り現代の戦争の構造を追いかけます。中国の台頭については特に詳しく書かれており現状の強行姿勢の理由が良くわかります。

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