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劣化するオッサン社会の処方箋|山口 周|なぜ一流は三流に牛耳られるのか

そこそこの地位にあるいい大人による悪事の数々。日大アメフト部監督による暴行指示と事件発覚後の雲隠れ/神戸市や横浜市の教育委員会等によるいじめ調査結果の隠蔽/財務省による森友・加計問題に関する情報の改竄・隠蔽etc。これは必然的に起きたこと。そんな閉塞感を打ち破るための画期的論考。

なぜオッサンは劣化したのか

そもそも、なぜここまで「オッサン」は劣化してしまったのでしょうか。

こういう世代論は実証的な検証が難しく、最後には不毛な「そう思う」「そう思わない」という水掛け論になることが多いので個人的にはあまりそそられないのですが、筆者が一点だけ、以前からどこかでちゃんと考えなければいけないと感じているのが、 現在の五十代・六十代の「オッサン」たちは、「大きなモノガタリ」の喪失以前に社会適応してしまった「最後の世代」 だという点です。

次の図1を見てください。これは横軸に戦後から現在までの「年代」を、縦軸に二十代から六十代までの「世代」をとり、各世代の人々が、各年代において、どのような社会的立場で過ごしてきたかをまとめたものです。

もちろん、個別企業・個人の状況は千差万別なので、あくまでも全体的な傾向ということで大きなストーリーをつかみ取ってもらえればと思います。

同図を見てまずわかるのは、図中においてグレーで強調されている世代、つまり戦後の復興と高度経済成長を支えたリーダーたちは、まさに「大きなモノガタリ」つまり「いい学校を卒業して大企業に就職すれば、一生豊かで幸福に暮らせる」という昭和後期の幻想 の形成とともにキャリアの階段を上り、「大きなモノガタリ」の終焉とともに、社会の表舞台から退いていった、ということです。

現在でも多くの関連書籍が出版され続ける田中角栄、盛田昭夫、本田宗一郎といった昭和期のリーダーのほとんどすべてが、このセルに含まれているという点は、重大ななにかを示唆していると思います。

モーレツ社員みたいな昭和の御仁が跋扈する時代はもう終わり。今ならパワハラで訴えられるような人が幅を利かせていたのが昔のリーダー。オッサン化がもたらす社会の弊害が昭和という時代にはあった。今ではそれも見直されよりこのリーダー論が霞むように。

若い人に権力を渡せばいい

そもそもの問題として、 発言権を与えられていない「年齢が若い人」あるいは「その分野に入って日が浅い人」こそが、重要なイノベーションにつながるアイデアの発案者になるのだとすれば、その人たちに大きな発言権を与える組織を新たに作ればいいではないか、 という考え方があります。

これはつまり、そもそも年長者に資源動員をするための権力を与えていること自体が、組織のモデルとして不合理的だという考え方です。

ここでもまた、「年長者が大きな意思決定の権限を持つシステム構造」が、いったいどんな合理性を持つのかという問題が浮かび上がってきます。

私たち日本人は、組織のなかで権力を持つ人は長らくその企業で働いてきた年長者だ、ということをあまりにも当たり前の前提としているため、イノベーションの萌芽につながるアイデアを生み出すのは「とても若い人」か「その分野に入って日の浅い人」だと聞けば、では、それらのアイデアマンと年長者をどうつなぐか、という論点設定をしてしまいがちです。しかし考えてみれば、これは 迂遠 なやり方です。

画期的なアイデア、つまり巨大な富につながるアイデアを生み出す人が「若い人」であり「新参者」であることがわかっているのであれば、その人たちに直接に発言権や資源動員の権力を渡せばいいではないか?  という考えが出てくることになります。

これを社会的に推し進めようとするのであれば、特に高い創造性と知性を持っている人材であればあるほど、大きな組織は避け、資源動員の権力を持った人物と直接に接せられるような小さな組織に行くべきだということになります。

老害といったことが起きる前に若い人に権力移譲すれば良いのだがそういったシステムのない社会では老害が権力の座に居座ったりしている。組織が大きくなるほどその弊害は顕著で老害は排除するべき存在。システム的にそういった輩が出ないように若者に権力を!

なぜ一流は三流に牛耳られるのか?といったオッサン化のもたらす弊害をなくすための方策を提案。いい大人による下劣な悪事の数々は必然的に起きているとしその原因を探ります。

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