1. 生き方・働き方が衝撃的に変わる未来 2. 前近代的な身分制社会・日本 3. 会社や管理職はなくなるのか? 4. 「未来世界」で生き延びる方法 4つのパートで、組織や人間関係の煩わしさから離れ、自身の仕事力で生きていくための強化書。
「好きなことで生きていく」しかない残酷な世界
現代アメリカでもっとも著名で良心的なジャーナリストが世界最高の知性を取材して得た結論が、「生涯学習できない人間が落ちこぼれるのは自己責任」というのは衝撃的です。さらに、邦訳で上下巻合わせて800ページを超えるこの本の後半3分の1で、フリードマンは生まれ故郷のミネソタの話をえんえんと始めます。
ミネソタ州ミネアポリス郊外のセントルイスパークはユダヤ系にも寛容な土地で、そのゆたかなコミュニティこそが「アメリカ」の本質だとフリードマンはいいます。「白熱教室」で有名なコミュニタリアン(共同体主義者)の哲学者マイケル・サンデル(『これからの「正義」の話をしよう』)が同郷の友人で、その強い思想的影響もあって、「よきコミュニティこそがよき政治とよきひとびとを生み出す」と強く信じているのです。こうして、「加速する時代」に必要なのは自分が生まれ育った1950年代の「古きよきミネソタ」だというなんとも奇妙な話になっていきます。
日本でも「田舎」や「故郷」が無条件に素晴らしいというひとはたくさんいますから、アメリカに同じような知識人がいても驚くことはないのですが、それでもこの力作を読み終えて不思議に思ったのは、どのようにしたら「トランプの時代」に半世紀も前のミネソタが復活するのかまったく書かれていないことです。これでは、「強く願えば夢はかなう」と約束するあやしげな自己啓発本とたいして変わりません。
そう考えれば、(フリードマンの意に反して)『遅刻してくれて、ありがとう』というタイトルには別の含意があることがわかります。1953年生まれのフリードマンは、時代がとてつもない勢いで加速する現実を目の当たりにして驚愕し、「スーパーノバ(テクノロジー爆発)」に対して「遅刻してくれて、ありがとう」といっているのです。なぜなら、すでに功成り名を遂げ、じゅうぶんな資産を築き、高みから「スーパーノバ」が引き起こす阿鼻叫喚を眺めることができるのですから──というのは、やはり皮肉が過ぎるでしょうか。
そこでここでは、すこしちがった視点からこの問題をとらえ、より具体的なアドバイスを試みてみましょう。
「人生100年時代」にもっとも重要なのは、好きなこと、得意なことを仕事にすることです。嫌いな勉強を1世紀もつづけることなど誰にもできませんが、好きなことや得意なことならいくらでもできるからです。医師の日野原重明さんが105歳まで患者の診療をつづけたのは天職であり使命だと考えたからでしょうが、それに加えて医師の仕事が好きだったからにちがいありません。
「好きなことで生きていく」というと、「そんな甘いことが通用するはずがない」という批判がかならず出てきます。そのようにいうひとは、労働とは生活のための必要悪であり、「苦役」であると考えています。しかしそうなると、人生100年時代には、20歳から80歳までのすくなくとも60年間、労働という苦役をやりつづけなくてはならなくなります。私には、こんなことができる人間がいると考える方が荒唐無稽としか思えません。
人生100年時代には、原理的に、好きなこと、得意なことをマネタイズして生きていくほかありません。もちろん、すべてのひとがこのようなことができるわけではありません。だから私は、これを「残酷な世界」と呼んでいます。
僕自身も病気のこともあり職場でうまく立ち回れず生きづらさを感じ仕事を辞めた経験がある。自宅でできる仕事はないかともがき苦しみ、自分のやりたいことだけで生きていく選択をしたもののそれはなかなか難しい世の中。ブログもそこそこ稼げるようになった矢先にGoogleの仕様変更で一気に振り出しに戻ることに。結局、頼りになるのは働いていた時に貯めた貯金。仕事を辞めるのと同時に初めていた株式投資の知識でなんとか食い繋いでいます。人生100年時代では投資の知識は不可欠。とりあえず今働いている人は貯蓄、投資のバランスを取りながら蓄財してプチFIREを目指すのが良いかと。
「ぬるい日本」でさっさと億万長者になる
東京大学のある文京区本郷の周辺にはベンチャー企業がたくさん集まっていて、いまでは「本郷バレー」と呼ばれています。そこで起業を目指す若者に「なぜシリコンバレーに行かないのか」訊いてみたことがありますが、その答えは「コスパが悪い」でした。
グーグルやフェイスブックに匹敵する成功を手中にすれば何兆円という莫大なお金と世界的な名声が手に入るでしょうが、人生を楽しく暮らすのにそんな大金は必要ありません。シリコンバレーには世界じゅうから「神童」「ギフテッド」と呼ばれる天才が集まっていますが、そんななかでも成功できるのは何千人に1人で、確率的には0・1%以下です。それに対して日本なら、ゲームやアプリを開発したり、シリコンバレーのイノベーションを日本風にカスタマイズして大手企業に売却するだけで数億円になるのだといいます。
日本は「失われた 20 年」を経ても世界第3位の経済大国だし、日本語という「非関税障壁」で外国企業の参入を困難にしています。だったら世界じゅうの天才が集まるシリコンバレーではなく、「ぬるい日本」で億万長者になった方がいいと、本郷バレーの若者たちは考えているのです。
彼らの成功物語はだいたい同じで、VC(ベンチャー・キャピタル)に「こんなベンチャーを始めました」という案内を送ると「話を聞かせてください」という連絡が来て、自分たちの事業プランを担当者に説明します。次にまた別のVCが来るので、すでに最初のVCと話をしているというと、担当者の顔色が変わって「出資を検討させていただきます」となります。3社目のVCが来たとき、「2社のVCから提案をもらっています」と話すと、さらに真剣になって、最初は100万円単位だった出資額があっというまに1000万円単位になります。
そうこうしているうちに、メーカーの研究開発部門が接触してきます。ここでVCから出資を受けて上場を目指すか、メーカーに会社ごと売却してさっさとお金持ちになるか悩むのですが、最近は上場のステイタスが落ちてきたので、会社を売却してとりあえず一生困らないくらいのお金を手に入れ、それから別のベンチャーを立ち上げるか、VCになってベンチャーに投資する側に回るのが流行っているようです。
これは外国人も同じで、日本で起業して成功した中国の若者のインタビューを読んだら、「シリコンバレーなら自分はぜったいつぶされていた。日本を選んだからこそ成功できた」と答えていました。考えることはみんないっしょなのです。
日本にも賢い若者はたくさんいるでしょうが、それでも競争率が低いのは、そうしたライバルの大半が会社(役所)というタコツボに閉じ込められているからです。こうしてライバルが勝手に消えていくから、ベンチャーでちょっとした成功をすると大金が転がり込んできます。銀座の高級レストランや六本木のクラブに行けば、若くして成功したそんな若者たちを見ることができるでしょう。
神童、ギフテッドと呼ばれるような能力はなくても社会人一年目から将来を見据えて積み立て投資などを行なっていれば仕事を早期リタイヤするのに十分なお金を手にすることができる。最初の何年かは投資に回すお金も少なく、思うように資産が増えないが気にせずコツコツ積み立てる。セオリーに沿った方法で投資を行えば意外と投資はリスクの少ないものだとわかる。ドルコスト平均法を使いインデックス(僕の場合S&P500)に積み立て投資する、ただそれだけを愚直に。
働き方を選べる時代と言っても可能性を享受できるのは一定のスキルのある人だけ。そこから振り落とされた僕みたいな人間は大海で溺れもがきながら必死に生きるしかない。「好きなことで生きていく」と言うと聞こえがいいが、そこには数々の解決しなければならない課題が。働き方の多様性を知り自身に合った道を選び取るための書籍。
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