締め切りまでの1ヶ月間、ばっちり計画を立てたのに全然思い通りに仕事が進まない、そんな経験はありませんか?いざ、やろうとするとモチベーションが上がらない。きっと多くの人が直面する問題。50冊以上の本を出版し、それら全て締め切り通りきちんと出版してきた著者(佐々木正悟)に締め切りに遅れない秘訣を聞く。
優先順位をつけず、一番新しい仕事から手をつける
優先順位をつけず、いちばん新しい仕事から手をつける
ごりゅご 締め切りに遅れない仕事術としていちばん重要なことをあげるとしたら何ですか。
佐々木 「締め切りがいちばん遠い仕事を一日の中で最初にやる」というのが秘訣といえば秘訣だと思います。
ごりゅご いちばん古くから続いている仕事をいちばん最初にやるということ?
佐々木 いや、逆です。いちばん新しい仕事に最初に手をつける。
ごりゅご たとえば3冊の本を1ヶ月おきに書き始めたとして、その場合はいちばん最近書き始めたやつを最初にやるということですか。
佐々木 そうです。その通りです。
ごりゅご それが終わったら2番目に新しいやつ、最後にいちばん昔から続いているやつ?
佐々木 原則をどこまでも追えばそうですが、いちばん最近もらった仕事を最初にやれば後はどうでもいいかなと思います。
ごりゅご どうでもいいというのは、それ以外は簡単にこなせるということですか。
佐々木 締め切りには間に合うであろうからということです。
ごりゅご 新しいものは日常生活に組み込める場所が少ないから最初にその場所を確保するということですか。
佐々木 新しいものは期待も不安も膨らみがちなので、まずそこから手をつけるということです。そもそもぼくは仕事の優先順位というのはつけないんです。
ごりゅご 仕事の優先順位をつけない?
佐々木 行動の優先順位も一切つけません。重要度も考えない。だいたい行動というのはぜんぶ順番が決まっていると思ってるんです。やらなきゃいけないことってだいたい常に切迫しているので、切迫している順番にやっていく。今日もここに来る途中でトイレに寄ったんですけど、トイレって我慢ができなくなりそうになったタイミングで行くじゃないですか。「トイレが重要」とかではなく、そのタイミングで行くしかないから無理やり行くんです。この「無理やり」やらなきゃならないものから手をつけて、それがなくなったら今度は締め切りに不安を覚える順に手をつける。そんな感じです。
ごりゅご 安全に仕事ができる環境を整えるためにトイレが済んでいるようにするということですか。
佐々木 「絶対にやること」が先にきてしまうので、まずそこからやっていくということです。
ごりゅご そしてそれが終わったら、今度はいちばん不安があるものから手をつける。
佐々木 より正確にいうと「いちばん締め切りに間に合うという確信が得られないものから手をつける」ですかね。
ごりゅご それは用語としては「重要度」に含められそうな感じがするんですが違うんでしょうか。
佐々木 それは重要度なんでしょうか。自分の主観として締め切りに間に合うかどうかがあいまいな順であって、重要な順ではないですよね。途中で間に合う確信が強くなってきたら、それはもう少し後ろに回します。つまり重要か重要じゃないかという話ではない。
ごりゅご それは重要度の基準が「締め切りに間に合いそうかどうか」ということでは。重要度は常に変化するという前提ですが。
佐々木 うーん、ぼくは仕事が重要かどうかは正直考えてないんですよ。考えているのはあくまでも締め切りに間に合うかどうか。その確信が低いところから手をつけるんです。重要かどうかという価値観の問題ではなく、単純に間に合うかどうかです。ぼくの考えでは、人は重要でないことをそもそもやろうとしない。だから重要な行動しか取ることはないんです。
ごりゅご ぼくは間に合わなそうに感じるというのは切迫していると言えるので、それは緊急なことかつ重要に感じるんですよね。緊急を重要と感じるかどうかは価値観ともいえるけど、緊急度が高いものから手をつける、という考え方ならば理解しやすくなる気がします。
仕事やタスクに優先順位をつけると優先順位が低いものが延々と残りがち、そうするといつまで経ってもそのタスクが消化されません。次々と現れるタスクを出てきた順で片っ端から片付けるようにしておけばそんなミスをしないで済む。
タスクシュートのツール
タスクシュートのツール
ごりゅご そして記録についてもタスクシュートの影響が大きいわけですね。佐々木さんが使っている手法はタスクシュートなんですが、具体的なツールとしてはiPhoneアプリの たすくま が中心ですね。
佐々木 そうです。もともとのタスクシュートは、大橋悦夫さんがExcelベースで開発したものです。そのタスクシュートの機能をiPhoneアプリとして実現したものがたすくまです。タスクシュートでは「何をしたか」、「それは何時に開始して何時に終わったか」を間を空けずに記録していきます。たすくまを使うと、その記録が非常に簡単にできるんです。該当タスクの中にメモを取れる。だから「今○○について考えているからその内容のメモを取る」と考えた方が自然だと思ったんです。散歩中に写真を撮れば散歩中の風景の写真が残る。それと同じで、考えごと中のメモは考え事のスナップショットじゃないと本当じゃないなと。だから考えごとのときも、本当はぜんぶその内容に合わせた記録にしたい。無理だからそうはしていませんが。
ごりゅご タスクシュートとはどういうものか、あらためてうかがえますか。
佐々木 まず定義からいくと、タスクシュートというのは大橋さんが会社員時代にご自身の仕事を着実に進めるために考え出したツールの名前でした。英語のタスク(task)にシュート(chute)なんですが、シュートはダストシュートのシュートですね。もともとはExcelベースで、すべてのタスクの実行記録を足していって一日分に収まるようにするというものでした。そこから膨らませていって、リピートタスクや1回だけのタスクも扱えるようにしていったという経緯があります。
最近の僕のタスク管理法といえば「Notion」一択。Googleカレンダーやガントチャート、タスク管理から簡単なメモまであらゆる仕事周りのことがこのアプリ一つで完結します。IT系の仕事の人から広まってちょっとしたブームになったこのアプリ。使いやすいのでEvernoteの有料プランを解約してこちらに乗り換えました。
タスク消化を助けるために他人がどのようなアクションをとっているかを覗き見できる書籍。ちょっと古い内容ですが今のツールに置き換えて試してみると意外なほど使えます。もちろん性格が人それぞれあったりするので万人に当てはまる方法かといえばそうではありませんが参考にはなります。
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