中間管理職が陥りがちな「上しか見ない病」、生産性の悪い「居残り症候群」、よく見られたいという願望が歪な形に変質する「誇大報告病」、エースと呼ばれて舞い上がる「お山の大将症候群」。仕事の障壁となる病気の数々を疑う書籍。
上しかみない病
もしあなたがチームリーダーであるとしたら、あなたはメンバーからどのように見られているでしょうか。 このタイプのリーダーは、チームで決定したことや方針よりも上司の都合を優先します。言うまでもありませんが、このように上ばかり見て行動していると、メンバーも知らず知らずのうちにチームリーダーばかりを見て仕事をするようになります。 チーム全体に「上しか見ない病」が伝染病のごとく蔓延してしまうのです。 上司だけを見て仕事をすることが組織全体に蔓延すると、顧客や他部署からの要望よりも、上司の意向を優先することが習慣化してしまいます。「上しか見ない病」を治療せずに放置しておくと、サービスや商品はお客様のニーズとはかけ離れたものになり、やがて会社の業績は傾きます。会社が沈没する前に、一刻も早い治療が必要です。 このことはアップル社の共同設立者であるスティーブ・ジョブズが明確に語っています。 「僕らはユーザーのために素晴らしい製品を創るべく努力しているし、ユーザーは、僕らの努力にお金を払っているのだ」 私たちが満足させるべきは上司ではなく、顧客であるということです。
満足させるべき相手が顧客であるという一貫したビジョンがないと上司の顔色を伺って、そして忖度して病気が悪化するかの如く社内で問題が噴出する。それは時にコンプライアンスをブチ破るものとなり会社に牙を剥く。そうならないためにも会社が利益を上げるためには良い製品やサービスを創出することを目的とするという基本に立ち返らなければならない。もしこの病気が蔓延しているような会社ならそこはあなたのいるべき会社ではないのかも。
アピール病
人が人を評価し、それぞれの思惑がぶつかる人事評価は、評価する側にとっても評価される側にとっても、多大なストレスが生じる作業です。面談などお互いの意見を交換する場でトラブルが起こることもあります。 話し合いの場では、次のような二通りのシーンが起こり得ます。議論を戦わせることで相手からの合意を得るか、相互理解に基づいて相手から合意を得るか。前者と後者では、最終的に合意するという点は同じですが、相手に残る印象は大きく異なります。 人事評価の場面でも、前者のタイプ、つまり自分の成果を誇張して強引にアピールする人がいます。せっかく成果を上げても、アピールの仕方によっては、相手に悪い印象が残り、結果的に評価を下げてしまうこともあります。 強すぎる交渉は、相手の心に疑念と敵意を生みます。
若い人にありがちなアピール病。結果が出たとしてもそれが会社のネームバリューによるものである場合こうした勘違いが起こりやすい。すごいのはお前じゃないと言わんばかりに同僚や上司から疎まれるように。
スタンドプレー病
常にメンバーを立てることを意識して行動する。これも一つの処世術と言えますが、人事評価という面から見ると、どうしても一歩後れをとってしまいます。肝心なのはバランスです。 対人行動を、「アグレッシブな行動」「ノン・アサーティブな行動」「アサーティブな行動」の三種類に分ける方法があります。 「アグレッシブな行動」とは、自分のことばかり考えて、他者のことはまったく考慮に入れない行動を指します。スタンドプレー病患者は、この要素が色濃くあらわれています。主に攻撃的な行動です。 「ノン・アサーティブな行動」は、自分の気持ちを制限して、他者を立てることを主眼に置く行動です。「いい人」という評価は得られるかもしれませんが、出世は難しいかもしれません。このとき、人は受け身的な状態となっています。 最もバランス的に優れているのは、「アサーティブな行動」です。これは自分のことを第一に考えつつも、他者のこともしっかり考慮に入れた行動を指します。自分の考えはしっかり主張しつつ、相手の立場も尊重し、折り合える点を探るのです。 実際は、部下が望む目標や、なりたい姿へ近づけるように、上司がその環境に配慮することも大切になります。 こういった「アサーティブな行動」を心がけておくと、日常の業務が円滑に進むことはもちろん、人事評価でも適切な評価を得られる可能性が高まるでしょう。
周りの同僚や部下、上司に配慮しながら自分の実績もきちんとアピールする。なんでも成果や功績を独り占めしようとすると周りから不満が噴出します。決して仕事は一人で行っているわけではないことを頭の片隅に。
特効薬より体質改善
会社でも決算時期に社員が身を粉にして働き、ギリギリの追い込みで、なんとか黒字で一年を終える……といったことが行われています。もちろん、決算書のどこにも悪いところは見られません。健康診断の直前だけ体調管理に気を配り、栄養剤で急場をしのぐ人と似ています。 一時的に業績を回復したり、さしあたっての問題を解決したりするために、企業はしばしば劇薬を使います。固定費削減のために行われる転職支援や、無理な職場改善活動。どれも、特効薬のごとく投与されてきたのではないでしょうか。しかし、効き目の強い薬は、使用量を誤ると深刻な害を引き起こします。 徹夜をするために、カフェインを多く含んだドリンク剤を飲めば、とりあえず朝までは起きていられます。しかし、その効果が切れる頃には体の中にエネルギーが残っておらず、日中は使い物にならないでしょう。なんとかその日を乗り切っても、疲れが尾を引いて体調を崩すなど、結局は非効率になるのです。 会社習慣病も、急場しのぎの対応をすると、改善どころか害を及ぼします。仕事の習慣を改めなければ、本質的な解決には至りません。
決算期にありがちな会社の光景。持続可能な範囲で頑張りましょう。
会社にはこれはうちの会社まずいのではと思える会社習慣病があります。長く働いていると当たり前に思えるこれらの病気は放っておくと手遅れになる時代。きちんと原因が判明したらきちんと対処すること。
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