令和なら確実に問題であったであろう剛腕鬼上司。しかし厳しさと優しさが同居する珠玉の言葉の数々は今でも語り種に。いつの時代も変わらぬ本物の仕事術を再考。
他人の力を借りる
英語のできない人が英語で交渉しなければならない、となったら荷が重い仕事と感じるに違いない。交渉が一ヵ月後だとして、それまで英会話の勉強に精を出しても成果はたかが知れている。どんなに頑張ったところで間に合うはずがない。ならば、通訳を雇えばいいのである。
こう言われると、「当たり前ではないか」と思われるかもしれない。しかし、「英語ができないのに通訳を雇わず、英語で交渉する」に近いことを普段の仕事でやっている場合がある。要するに、できないことをやろうとするのである。
たとえば、支店の営業担当者が取引先から資金運用について質問されたとしよう。知識がないから付け焼き刃で勉強して答えたら、「その程度のことはわかっている」と言われた……。これは極端な例で、現実にこんな職員が銀行にいるとは思わない。おそらく上司に相談し、資金運用部門の人から情報を仕入れるはずだ。それが適切な対応である。
だが、ともすると、人は他人の力を借りずに仕事をしようとするものだ。特に真面目な人ほどそういう傾向が強い。しかし、何でもかんでも自分だけで対応するのは無理と心得たほうがいい。現実問題として自分にできないことはできない。そこで、できないことは誰かにやってもらう。正確に言えば、「他人の力を借りる」のである。
仕事によっては自分一人でこなさなければならないものもあるが、ほとんどの仕事は多くの人の中で進められている。したがって、「他人を使う力」は仕事をする上で重要な能力の一つである。「どこの誰に頼めばいいか」を把握しておくことは、取引を増やす、あるいはピンチの会社を救うという重大事だけでなく、さまざまな局面で求められる。会社の中の人的ネットワークを自由自在に駆使できれば、その人は有能と言っていい。
僕も仕事でできないことも自分でやろうとするタイプでした。ワンオペの職場だったので必然的にトラブルが起きたら自分で解決しなけらばならない状況だった。今考えると他に代わりがいない、と言うのはブラックだなと思う。会社組織なのだから、そうしたバックアップする体制を築いていなければならない。得意な人に任せられるそんな人材をきちんと雇用しているか否かがブラックかどうかに関わる。
感情的にならない
私はあまり言葉に出さないほうなので部下が顔つきで察したようだったが、部下の失敗があまりにひどいとき、厳しい言葉で叱ることもある。上司も人間だから、いくらかなりとも感情的になるのは仕方がない。それでも感情的にならないよう努めることが大切だ。現実にはそうそう理想的にいくものではないことは承知の上で言うのだが、上に立つ者は感情的になるのを我慢し、極力抑えていかなければいけない。
なぜかというと、第一に、人間は冷静でなければ話が通じないからである。こちらが感情的になると相手も感情的になり、そこに拒絶反応が出てくる。感情的な拒絶は理性や理屈では制御できない。いくら相手のためを思って叱っても、それが受け入れられることはなく、反発か無視が生じるだけだ。
人間は一人ひとりにいろいろな感情があり、それが人間と人間の間を行き来する。そこのところを上に立つ者はよく理解して、あまり感情的にならないように持っていくことが大事である。
自分が失敗したことをたいがいの人は自覚している。営業担当者なら「今月、目標に達しなかった」ということを本人が一番よくわかっているものだ。同時に「自分が至らなかった」「自分が努力不足だった」「もう少しよく考えればよかった」といった原因も、大なり小なり、それぞれに考えている。そこのところばかりつつくと傷口に塩を塗るようなもので、本人のモチベーションを下げてしまう恐れが大きい。
失敗したら失敗したで、「どうすれば同じような失敗を回避できるか」を上司は部下に対してアドバイスする。そういうアドバイスは非常に効果的である。失敗をうるさく追及するよりも、「そこはこうしたらどうだ」「ああしたらどうだ」とプラスに転じるよう導くことは部下指導において重要である。
イライラしているのがわかると言うのは部下にとってもプレシャーだ。最近ではアンガーマネジメントという言葉があるように、イライラや怒りをコントロールしてこそきちんとした大人というのが一般的。ちゃんとした人は怒りに任せて仕事をしない。部下が失敗したら怒りをぶつけるのではなく的確なアドバイスで次回からミスのないように導くのが上司の役目。それができない人はやめてもろて(笑)
いつの時代も変わらぬ仕事術。昭和の剛腕鬼上司から学ぶ厳しくも優しい言葉の数々。今の若者にも読んでほしい一冊。
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