人生は苦しいことの方が多い。そう思って悲観するよりも楽しいことを探してそれを喜ぶ方がいくらかましだ。仏教や聖書でも死んでしまうのではなく苦しさを享受して生きていくことを説いている。死んでしまうより生きた方がいい。
世界をありのままに受け入れる
老い、病、死。人生は苦しみに満ちている。この世界に起こることにはすべて意味があり、人間の目にはどれほど理不尽に見えようと、悲惨な出来事にもすべて意味があるのだという摂理を信じられる人であれば、どのようなことがあっても受け入れることができ、その後の人生を積極的、前向きに生きていく契機にすることができるだろう。しかし、実際に自分や家族、親しい友人に災難が降りかかれば、やはりとうてい受け入れることはできないのではないだろうか。
アドラーは、途方もない重荷を担って人生を歩む人にとって、この世界は「嘆きの谷」だといっている。「嘆きの谷」とは旧約聖書の『 詩篇』に出てくる言葉である。エルサレムへ巡礼に出る人は、乾燥のために枯れて荒れ果てた谷底の道を歩んで行かなければならなかったのだ。
しかし、その同じ『詩篇』で、神のおかげで勇気を出し、心に広い道を見ている人は「嘆きの谷を通る時にも、そこを泉とするだろう」ともいわれている。勇気のある人は嘆きの谷さえも泉と見るというのである。 嘆きの谷がないわけではない。また荒れ果てた谷底の道が泉になるというわけでもない。そうではなく、荒涼たる嘆きの谷自体を、そのまま泉と見るのである。
つまり、人生は、そもそもただ苦なのだ。苦しいこともあれば、楽しいこともあるというのではない。苦なのだ。だが、それでも、また人生は「泉」でもあるのだ。 人生は苦しい。だからといって、どうすることもできないと絶望することも、また怒りをぶつけることも、あきらめることも必要ではない。
僕は神の存在を信じない信仰のない人間だが、信仰を持つ人は生きようとする力が強いような気がする。何が起こっても神の思し召しなわけだから乗り越えられるのだろう。辛いことがあった時の救世主が神なのだろう。世界をありのままに受け入れ生きていくことができれば怖いものはない。
ありのままの自分に価値がある
アドラーが次のようにいっている。 「自分に価値があると思える時にだけ勇気を持てる」( Adler Speaks)
あらかじめいっておくならば、先に(第四章) アドラーがこの「価値がある」ということを生産性に置いていることの問題を見た。この点については「価値がある」というのがどういう意味なのかを明らかにした上で後に考えたい。
自分などたいした人間ではないとか、自分は誰にも必要とされていないし、自分のことを好きだといってくれる人などいない。そんなふうに自分を否定的に見る人は、自分に価値があるとは思っていない。
なぜ自分に価値があると思えないのか、どうすれば自分に価値があると思えるようになるのか、そのことを絶望したあなたにこそぜひ考えてほしい。
自分のことを好きかとたずねられることは普段はないだろうが、カウンセリングでは相談にきた人にそうたずねることがある。
多くの人は自分が好きではないという。それどころか、大嫌いだという人もいる。自分のことを大好きといえる人であれば、そもそもカウンセリングを受けようとは思わないだろう。自分が好きであるといういい方に抵抗があるのであれば、自分を受け入れるでもいい。
自分に価値があると思えるというのは、ありのままの自分、生きている自分に価値があると思え、ありのままの自分を受け入れることができるということである。
アドラーは、先に見たように、自分の行動が共同体に有益である時にだけ自分に価値があると思えるといっている。だがこれが間違いであることは後ではっきりと指摘したい。
自分のことが好きではないという人は、ありのままの自分が好きではないのである。しかしどれほど自分に癖があっても、死ぬまでこの自分とは付き合っていかなければならない。
自分に価値があると思える時にだけ勇気を持てるというのは本当にそうだと思う。自分の存在価値を感じられるところに自分を多くことが大事。あなたの存在を否定するようなところに長時間いると自己否定したくなることもあるので、そこからすぐに逃げるべき。自分のことが好きであるという人のメンタルは壊れにくい。自身を好きになれるような、ありのままの自分を受け入れられるような自分を想像してみて欲しい。
人生は苦しいことが多いけれども生きていれば良いこともある。そんな生きていれば得られる体験を大事に楽しいことを見つける旅が人生かと思います。
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