ネットの普及などにより急増する引きこもりや新型うつ病。なんでも人のせいにするクレーマーや薬物依存症。精神科臨床で感じるこの3つの特徴的な傾向の背景にあるのは同じ病理。精神分析でいう「対象喪失」が機能しなくなっている現状を分析、喪失を受け入れ真の再生を果たす処方箋とは?
引きこもりの長期化
不登校とともに増え続けているのが「ひきこもり」だが、これは、当然と言えば当然である。最近の実態調査によれば、ひきこもりの実に六割以上に、小学校から大学までのいずれかの時期に不登校経験があったというのだから。もちろん、ひきこもり状態に入っていくきっかけとして最も多いのが、不登校である。
誤解しないでいただきたいのだが、不登校は皆が皆ひきこもりに移行するわけではない。さまざまな不登校の予後調査から、不登校が長期化し、そのまま慢性のひきこもり状態に至る割合は、不登校全体のだいたい一割程度ということがわかっている。したがって、「学校に行かないこと」をすぐにひきこもりと結びつけて考える必要はないのである。
子どもが学校に行かなくなると、すぐに、「うちの子はこのままひきこもりになってしまうのではないか」と不安になって、我々精神科医のところに相談に来られるお母さんがいらっしゃるが、これに対しては、「しばらく待ってあげて」と申し上げたい。不登校から立ち直るのに相当の時間を要するにせよ、大部分は長期化を免れうるのである。
ただ、不登校の一部の事例がそのままひきこもりに移行し、ひきこもりの期間が長くなるほど社会復帰が困難になっている、という事実はきちんと認識すべきだろう。たとえば、二〇〇三年に厚生労働省が行ったひきこもりの実態調査では、二〇〇二年に全国の保健所や精神保健福祉センターに相談のあったケースの、三人に一人は三〇歳以上だったことがわかっている。しかも、一〇年以上ひきこもっている人も約四分の一を占めており、長期化の実態が明らかになった(図1‐2参照)。
深刻なのは、ひきこもり状態に入っていく人は毎年数万人もいるのに、そこから「脱出」できる人はきわめて少ないという現状である。
ひきこもりというべきかどうか迷うが、僕もその傾向にあるという自覚がある。買い物はAmazonだし趣味は読書やゲーム、配信アプリ。そうなってくると当然外出機会は減り、週に2回は外出するという縛りを自分で設けなければ、ほぼ自室で過ごす生活。仕事を辞めてからはそんな生活が続いている。貯蓄があったため金銭的に困ることがないのでなかなかこの生活から抜け出せない、というよりこの方が生きやすいという現実。
なぜ他責的な人々が増えたのか?
戦後の民主主義社会の理念を一言で表すとすれば、「規範からの解放」だろう。特に、一九六〇年代には、「解放」こそ、まさに若者を統合するスローガンだった。個人が強制的に組み込まれてきた家族、学校、会社、あるいは社会の掟といったものから解放されるべきだと、誰もが熱狂した。当時のキーワードは「反体制」であり、「禁止することが禁じられた」時代だったとも言える。
物質的な豊かさと科学の進歩とがあいまって、皆、人生の新たな可能性が開かれていくと信じていた──幻想にすぎなかったにせよ。個人の行動を枠にはめるような伝統的な規範は、もはや受け入れられなくなり、自分自身が送りたいと思う人生を選択する権利が声高に叫ばれるようになったのである。
一九七〇年代になると、自らの人生を切り開くのは自分自身だという意識がさらに高まり、規範の 凋落 がますます社会に浸透していった。先に述べたように、学校の権威が低下し始めたのも、同じ時期である。その結果、「自己の開花」がバイブルのようになり、「自己実現」がしきりに強調されるようになった。「自分らしさ」を求めて「自分探し」の旅に出る若者が急増したのも、ちょうどこの頃からである。
こういう生き方の是非はさておき、このように生きることを選択した個人が、必然的に不安定になることについては異論の余地はないだろう。というのも、もはや外部には、自らの行動を規定するものは何もなく、いや、むしろ外部からの規律を拒否して、自分自身の規範を自ら作り出さなければならないからである。このような内的規範は、やっつけ仕事ですぐにできるわけではない。それゆえ、一方では、自ら規範を作って「自分らしく」生きることを目指しながらも、他方では、他者に認められることを永遠に求め続けるということになりがちである。
自身で選び取った人生なのにその責任を社会や他人のせいにする人がいる。自己愛が強く自分らしくをはき違えた人たち。他人に自分を認めてもらいたいという欲求は誰にでもあるだろうが、自己肯定感を高める方法論がずれている。そんな自己分析をしながら僕は生きている。要するにガキのまま大人になったということだ。
世の中に溢れるガキたちにおくる厳しめな言葉が心に刺さる劇薬的書籍。自身を振り返ると思い当たる節がありすぎてアイタタタッと(笑)なる書籍。
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