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リーダーに強さはいらない──フォロワーを育て、最高のチームをつくる|三城雄児

フォロワー(いわゆる2番手や3番手)に有能な人物が控えていれば、リーダーにはそこまでなんでもできる必要はない。強いチームには強いフォロワーが。カリスマである必要もありません。極論、弱いリーダーでも強いチームは作れます。

フォロワーのレベルがチームの強さを左右する

たとえば、チームのマネジャーに、自分の上司に対して、どう思っているのかを聞くと、主任は直属の上司である課長の、課長は直属の上司である部長の悪口を言うケースをよく見かけます。

しかし、これではたいてい事業もうまくいきません。

想像するとわかりますが、自分の上司が自らの上司の悪口を言って、気持ちがいいと感じる人はどれだけいるでしょうか。

おそらくほとんどのメンバーは、フォロワーにも、リーダーにも、チーム全体に対しても、残念な気持ちになっていることでしょう。ですが、このことを理解せずに、平気で上司の悪口を言っている中間管理職が、特に多いのです。

これは フォロワーとしての「当事者意識の欠如」と「他責思考」が原因です。

自分がチームに影響力のある存在だということをわかっていない のです。

このような冷めたフォロワーが2番手や3番手についてしまうと、リーダーは機能しなくなります。チームの成績が悪くとも「リーダーが悪い」と責任逃れの発言をして、フォロワーが自分のプライドや立場を守ろうとします。

リーダーは、 リーダーシップを一緒に取れるメンバーをフォロワーに選び、フォロワーと密にコミュニケーションを取ることが重要 です。フォロワーとのコミュニケーション不足が、チーム崩壊の大きな原因になるからです。

フォロワーがリーダーの悪口を言うようでは組織はまわりません。中間管理職と言う日本では当たり前の組織図の中ではこれが当たり前のように行われているような気がします。上司の悪口を言う文化はリーダーにとって得るものがありません。今の日本の組織はそこから考え直すべき。

衝突を恐れてはいけない

さきの例はすでに〝仲良しグループ〟ができてしまったあとの立て直しですが、こうした事態を避けるために、リーダーはいったいどうすればいいでしょうか。

ポイントは、適度な「緊張感」をつくることです。

たとえば、「自分たちはどこに向かうのか」「何のためにチームを結成しているのか」などとチーム全体の目的地を示したうえで、メンバーに「〇〇をお願いしたい」「〇〇のような役割を担ってほしい」と期待をかけるのです。

良いチームは目的地にたどり着くことを前提にしているからこそ、お互いを敬いながら、真正面から意見交換できます。

こうした意見の中から何がベストなのかを考え、ときにメンバーの間違いを指摘したり、嫌がられる決断を下す、それがリーダーです。

リーダーは嫌われることを恐れてはいけません。

煙たがられるくらいの覚悟が、リーダーには必要なのです。

みんなで楽しく仕事ができれば一見問題はなさそうに思えますが、問題がないことが大きな問題になる、それがチームの宿命です。

時には衝突も辞さない。そんな姿勢がチームを強くします。お友達感の強い職場だと問題がないことが大きな問題になる場合があります。一見楽しく仕事ができているので良さそうだがそこが問題。それがチームの宿命。

リーダーがやるべきこと

リーダーがやるべきことは、「目に見えないもの」を継承していくことです。

チーム内の雰囲気の良さ、社員の幸せ度、お互いのことをよく知っているか、価値観がシェアされているか、若手は育っているか、社員は健康か、夢はあるか……。

チームの魅力のほとんどは、データにない部分に隠れているのです。

リーダーにしか見えないものは、リーダーがつくっていくしかありません。

データでは測れないチームの状態をいかに良好に保つかがリーダーに求められることだと言うことです。

リーダーに求められる資質を論じた書籍は多いがフォロワーについて語られた書籍は意外と少ない。リーダーは必ずしも強くある必要はないという救いの言葉とその理由に納得。

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