正しい投資のやり方から、毎月の通信費など固定費の節約法、女性なら誰もが悩む服や美容などの支出の減らし方をミニマリストの著者が解説。
インデックス投資はチャートの値動きに一喜一憂しない
実際に、ネット証券でつみたてNISA口座も開設して、インデックス投資を始めて見ると、気になって日々のチャートに張りついて、値動きを見てしまいます。そして「毎日少しずつお金が減っている! どうしよう、騙された!」とパニックになる方がよくいます。
そこで「 狼狽 売り」をしてはいけません。狼狽売りとは、株価が急落する様子を見て、保有している株式を慌てて売却してしまうことを言います。狼狽売りをしてしまい、市場から退場してしまう方も多いのです。
前述したとおり、そもそもインデックス投資は、 20 年たって平均年利5%程度の利回りになる老後資金のための投資です。数日の値動きを気にして、チャートを見ることに意味はありません。
メンタルが追いつかない人は、このことが理屈ではわかっていてもパニックになります。それは、まだ知識がメンタルを抑えるほどに追いついていない、つまり知識不足が原因です。
そういう場合は、一度心を落ち着かせて、書店でインデックス投資の本を数冊読んだり、動画を観たりして知識を増やしてください。
私のYouTubeでは毎月の投資成績を公開しているので、上がったときの様子も下がったときの様子も見ることができます。狼狽売りしてしまった視聴者さんのコメントや相談、その1か月後に株価が上がっていく様子など、リアルな投資状況が見られますので、ぜひ参考にしてみてください。
初心者が陥りがちな投資の罠。狼狽売りは確かに気持ちはわかるのだがNGです。長期的に見て平均年利5%を目指すのがインデックス投資。長期の運用なので株価の暴落なども目にすることは多いかと思います。しかし暴落したらその反動で買い注文が入ります。狼狽せずじっくり株価の上昇を待つ余裕を身につけてください。過去の有名な暴落からも全て立ち直ってきていると言う事実を自身の知識としてインストールしましょう。
老後資金として2000万円を貯める
寿命が延びたことに伴い、老後に1世帯(夫婦2人)の生活費が月5万円足りなくなると言われているのが、老後資金2000万円問題です。
つまり、 65 歳時点で2000万円貯めることを一つの目標にするのがいいでしょう。そのためには、第 2 章でお伝えした「つみたてNISAを満額投資に加えて、iDeCo」を行う方法がおすすめです。
ただし、現在のみなさんの年齢によっては、この方法がおすすめできない場合もあります。たとえば、老後(※ここではわかりやすく 65 歳以降を老後とします)まで 20 年未満の方には強くはおすすめできません。
なぜなら、インデックス投資の項目でもお伝えしたとおり、インデックス投資は 15 年未満では利益が安定せずにマイナスになる場合もあるからです。安定して増えていくのは継続的に積み立てをして 20 年目以降ですので、現在 50 歳以上で新しく始めようと考えている方はご注意ください。
では、現在 50 歳以上の方で老後資金が足りない場合は、どうすればよいのでしょうか?
その場合は、年金の繰り下げ受給をする方法を検討してください。「日本年金機構」によると、年金の受給開始年齢を 65 歳から 70 歳に繰り下げすれば、年金がひと月で0・7%の増率となり、1年で8・4%が増額され、 70 歳時点では 42%も増額されます(本書執筆時点)(17)。毎年8・4%の利回りを出せる投資は存在しないため、繰下げ受給のほうが投資よりも確実です。
そのため老後2000万円問題は、意外と年金の繰り下げ受給だけで解決する人も多いのです。このように老後資金に不安がある方は、再雇用制度やその後もアルバイトなどを利用して、 70 歳まで働くことも選択肢の一つとして持っていてください。
老後資金2000万円を貯める計画が立ったら、それ以上のお金は自己投資や事業投資に使って自分の可能性を広げたり、健康に投資したり寄付したりしてもいいでしょう。
長期のインデックス投資の積み立てには時間が必要だと言うこと。若ければ若いほど複利の効果があなたを助けます。あなたが新社会人ならFIRE(Financial Independence,Retire Early)も夢ではありません。慎重派の人は投資に関する本を5冊くらい読むことかが始めても良いでしょう。ちなみに僕の場合、石橋を叩いても渡らないタイプの人間なのでさまざまなジャンルの投資本を30冊以上読んでから証券口座を作りました(笑)
物価の高騰や支出を抑えるのが難しさ、老後の不安、そんな悩みを丸っと解決するためのお金の本。節約術から投資のススメまでこの一冊で。
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