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マインド・リセット|上阪 徹|不安・不満・不可能をプラスに変える思考習慣

成功者は逆境をどのように乗り越えたか?成功を掴み取る秘訣をうまくいっている人から学びます。仕事や人間関係に躓き思い悩む日々が辛いと感じたら、このリセット術で1回クリーンにしてみては?

映画や舞台を見て一度頭を空っぽにする

脳を休ませたいのはわかるが、ついいろいろ考えてしまう、という人も少なくないと思います。一方、 第2章 で、アイデアや企画はデスクでは考えずに、仕事以外の時間で考える、と書きましたが、では四六時中考えておかないといけないのかというと、もちろんそんなことはありません。

先に触れたように、脳は指令を出しておけば無意識下で考えてくれるからです。

ただ難しいのは、それを引っ張り出すこと。だから、 脳を油断させて思わぬときに出す ことを考えたほうがいい。段ボールアートで有名になったアーティストは、スタッフとの会話をトリガーにしてアイデアを引っ張り出す、と語っていました。

ポイントは、とことん没入して観ること  

ですから、あえて意識して考えなくてもいいのです。むしろ、 脳をリフレッシュさせたり、新しい刺激を与えるほうがいい ということ。

そこで私が意識しているのが、映画を観ること。理想は映画館で観ることですが、タイミングが合わないことも多いので、自宅で仕事が終わったあとなどに観ています。

映画がいいのは、1本あたり2〜3時間という、人間の集中力が持続する範囲内で終わることです。つまり、集中して没頭することができるのです。

だから、映画を観るときには、とことん没入します。そうすることで、思い切り脳を映画の世界観に集中させ、映画以外のところを空っぽにすることができるのです。

時間を投資するに値するコンテンツ

さらに映画がいいのは、手軽に作られたものではない、ということです。莫大な製作費がかかっているのはもちろんのこと、大勢のスタッフが膨大な時間をかけて作っていることがほとんど。つまり、とてつもないパワーコンテンツなのです。

せっかく時間を投資するのであれば、クオリティの高いものを観たい。その点、映画なら、その可能性が高いコンテンツだと思います。今はサブスクリプションのサービスなども揃っていて、たくさんの作品が手軽な料金でいくらでも観られるので、多いときは週に何本も観ます。気に入ると、同じ作品を繰り返し観ることもしばしば。観るたびに新たな発見があるのも魅力です。

また、エンタメ作品を観賞するという点では、映画だけでなく、舞台やミュージカルもいい。その醍醐味は何と言っても、生のステージが観られること。独特の緊張感や、観客と一体になってつくり上げる総合芸術の世界を肌で感じることができます。

私は活字の世界で仕事をしていますが、映画や舞台でしか表現できない世界に触れることは、大きな学びにもなっています。脳をスッキリさせられて、おまけにその刺激を仕事にもつなげられる。まさに、一石二鳥のコンテンツです。

最近ではもっぱら映画はサブスクで見るようになったが、旬な作品が見たければやはり映画館に足を運ばなくてはならない。ライブ感を味わいたければちょっと値は張るが舞台も良いだろう。集中が続く2時間程度に凝縮されたエンタメなので没入感を味わい頭を空っぽにするにはちょうどいい。リセットに向いた趣味といえよう。家にオーディオセットを組み大画面のプロジェクターで映画館さながらの空間オーディオを楽しむのもあり。近所迷惑にならないように防音や反響にこだわると高くつきますがこれも趣味の一つかと。

五感が鈍ると騙されやすい

人類の歴史をひもとくと、大部分はジャングル暮らしでした。人間が忘れる生き物なのは、脳のスペースをしっかり空けておかないとジャングルでは危険を避けられないからです。そしてこのとき大事なのは、脳のスペースだけではありませんでした。

人は、いろんな感覚器から情報を得ています。もちろん見聞きするものもあるわけですが、直感的なものも大きい。ジャングルの中では、むしろそちらの感覚のほうが大事だったかもしれません。見えるもの、聞こえるものだけに反応していたら、危険な動物は避けきれないかもしれないからです。それ以外の本能的な感覚が危険を察知し、どうすればその危険から抜け出せるか、瞬時に脳が反応するのです。

五感が衰えまくっている日本人  

感覚とはすなわち、五感と言い換えてもいいかもしれません。視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚。ジャングルを離れてしまったことで、この五感が思いきり衰えてしまっている、と語っていたのは取材したフランス人の音楽家でした。

とりわけ日本は平和な国。治安もいい。人々は親切で温厚。多くの人が安定的な生活を手に入れている。逆に言えば、緊張感がまるでない、と彼は言いました。 完全に平和ボケで、感覚が緩くなってしまっている のです。

象徴的なのは都市部の電車の中で、うつらうつらと居眠りをする人の多さです。他の国ではまず見かけないのだそうです。海外では治安の問題もあって、緊張感があるため、感覚が研ぎ澄まされ、常に危険に対応できるようにしているのだ、と。

心地よく、平穏な社会はとてもありがたいことですが、一方で動物としての感覚はどんどん衰えている可能性がある ことを知りました。本来なら、捉えることができた、さまざまな情報がキャッチできなくなっている可能性があるというのです。

実は五感が衰えて鈍っているのは、危険察知能力だけではありません。  もしかすると、うれしいことや楽しいこと、喜びの感情もつかみ切れていない可能性があるそうです。

電車やバスで眠る行為、これは危険です。僕も夜行バスでスリにあった経験があるのでそれ以来電車の中でも眠るのを躊躇するようになりました。平和ボケの日本人も外国人が増えてきた現状を考えるとこれからは注意せねばなりません。もちろん外国人にも善良な人も多いですが、防犯も世界標準に切り替えていかないと被害に遭う確率が上がります。

不安、不安、不可能これらをプラスに変えるマインド・リセットの秘術をレクチャー。うまくいかない時、気分をリセットして次へ進む為のきっかけづくりをサポートします。

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