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ペルソナ 脳に潜む闇|中野信子|他社に対峙するときに現れる自己の外的側面

私たちはペルソナ(他社に対峙するときに現れる自己の外的側面)を複数内包しながらこれらを使い分けて生きている。世代を問わずそんな世の中であることが顕著になってきたと最近感じる。SNSの普及がそれを後押し。そう演じている役、一時的にそういう側面を見てとってもらう、ただそれだけのこと。

世の中を良くしよう、にある胡散臭さ

私だって平日の昼間に優雅に遠出をして、「健全な社会生活を送っている者にはこんな真似はできないだろう」などと自分をなだめていたわけだから、あまり人のことも言えないのだ。日陰の隠花植物や、身動きの取れないさなぎのようだと、自分のことを感じている私の 眷属 たち。あなたと私は、同じ種類の生き物なのではないか。

自分は、幹線道路の中央を力強く疾走するような者ではあり得ない。かといって、逸脱者らしく道なき道を切り開くという情熱があるわけでもなかった。世の中を良くしようだとか、歴史をつくろうだとか、そんなことのために自分を使おうとは思えなかった。今でも、そんな風にはなかなか思い切ることができない。どう生きていいかわからない人生の目的を、何でもいいから与えてほしいなどと言っている割には、自分の人生を出し惜しみしたくなる拘泥があった。

もちろん、世の中を良くしよう、という言葉の裏にある 欺瞞、胡散臭さを、なぜか私は過敏に感じとってしまいがちだということもあった。それゆえに、そのマインドセットへ自分を持っていくことがとても難しい。世の中を良くしましょう! と語り掛けられると、こう毒づきたくなる。

より良い世界っていうのは、いったい「誰にとって」より良い世界なんですかね?

読書記録をSNSにアップしてたまにスタバ関連のポストをしていると、Bookカフェで優雅に読書しているといったイメージがつくらしい(笑)まあ外れてはいないが、ちょっとニュアンスが違う。店員さんと小粋なトークをするわけでもなく陰キャ丸出しで外から見られやすい席は避け、落ち着く席に座っていたりと若干イメージと異なるのだ。まあそんなことはどうでも良いとして、世の中を良くしようと息巻く若者が苦手だ。そう言う輩に限って自身の利益優先だったりして「え!誰のため?」と言いたくなることが多い。胡散臭い人には近寄らないのが吉。

各人の生きる時間は別のもの

砂時計の砂は、長く使っていれば磨耗して、初めの頃よりも速く流れ落ちるようになる。時間とは一定の速さで進むのではなく、その流れ方にはムラがある。歳を取ればとるほど時間は速く過ぎるような気がする。子どもの頃は、1年が永遠のようにも感じられたものだ。

砂時計の刻む時間は私たちの時間意識にとても近い。中に入っている砂は同じでも、一回一回終わりを迎える。反転してまた時を刻み、終わっていくのを繰り返すそのさまは東洋思想における輪廻のようでもあって、砂時計の落ち続けるさまを眺めていると、その有限の時間の中で何ができるのかをしみじみと考えてしまったりもする。水晶振動子の時計では、この感覚の不思議な同期をみることはできないだろう。

この世界のどこにあっても、時間は一律に一様に流れてそれが揺らぐことはない、とたくさんの人が信じていると思うけれど、実はそうではない。相対性理論によってもう100年も前に同時性が成立しないことはわかっているし、何なら重力の異なる低地と高山の上程度でも時間の流れる速さは違う。ましてそこに生理学的な要素が入ってきたら、各人の生きる時間はそれぞれに別のものであって、一致することの方が珍しいということにもなる。

子どもの頃の話を思い出すときには、その思い出は大人になってから都合よく書き換えられたものかもしれず、あまり克明な話を描写する人のエピソードはある程度割り引いて聞かなければならない。私自身の記憶も、出来事として参照するにはやや断片化が進みすぎ、どちらかといえば感情の動きや、のちの人格形成に与えたと思われる認知の変容を中心に描出した方が良いように思われる。

本当に10代の時から20代、30代と歳を重ねるごとに一年が短く感じるようになった。よく若い子達が20歳になっと時「嫌ッ!」と大台に乗ったことをマイナスのイメージで言葉を発するが、そのあとはあれよあれよと言う間に、年月は過ぎていきます。僕も気付いたら今年で50歳の大台に。何も成し遂げないままにこの年まで来てしまったなと振り返っても帰ってくるものではないので未来を見ることに。

SNSのように人格そのものが見えにくい社会でペルソナ(他社に対峙するときに現れる自己の外的側面)を使い分けていく、そんな生き方を詳細とともにお届け。心の闇を照らし出す、自分発見本。

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