プロ投資家の先の先を読む思考法｜藤野英人｜51Blog｜明るい未来を感じながら令和時代を生きる

プロ投資家の先の先を読む思考法｜藤野英人｜明るい未来を感じながら令和時代を生きる

2024年5月15日

未来を明るいものにするための一人一人のポジショニングを考える。先の先を読む考え方により今起こすべきアクションを精査、明るい未来を感じながら令和を生きるためのガイドブック。

おじさんには見えていない変化が若い人たちには見えている

私は１９６６年生まれで、 50 代も半ばを過ぎた「おじさん」です。放っておけば頭の中はどんどん古臭くなっていってしまうでしょう。

今は令和４年ですが、同世代の「おじさん」や私より上の「おじいさん」たちの中には、「昭和 97 年」の世界を生きている人も少なくありません。

その世界に引き戻されることなく、令和時代にとどまるために私が意識的に数を増やしているのが、 20 代前半の若い経営者たちとの面談です。

感性や価値観が古いままでは、今起きている変化に気づけず、先を見通すこともできないでしょう。

この点、若い人たちには、おじさんやおじいさんには見えていない変化が見えているはずだからです。

例えば、私が個人で投資もしているタイミーという会社があります。「働きたい時間」と「働いてほしい時間」をマッチングするアプリ「Ｔｉｍｅｅ」を展開する会社で、「テレビＣＭなどで見たことがある」という人も多いでしょう。

Ｔｉｍｅｅが紹介するのは、応募も面接も履歴書も必要なく働ける「スキマバイト」です。「いますぐ人手が必要」という場面で、かつては身内で手伝ってくれる人をかき集めたり、「フロアスタッフ急募！」などの張り紙をしたりするしか方法がなかったわけですが、Ｔｉｍｅｅはそのようなときに「今すぐ働きたい人が働ける」「今すぐ働いてほしいときに働いてもらえる」仕組みをつくったのです。

ワーカー（働き手）として、Ｔｉｍｅｅを利用する人は２００万人を超えるまでに成長しています。

時代を動かすのはやはり若い世代。おじさんたちはとりあえず金は出すけど口は挟まないでおくのが良い。若者の感性で世の中は動いているので、そこをおじさんたちがどうこうしようとしても何も変わらない。老兵は去るのみ。第一線は若者たちに任せるべきでジジイはしゃしゃり出ない方が上手くいく。

中高年になったら若い人の力を借りる

年を取ることに対するネガティブなイメージは根強く、中高年と呼ばれる年齢になるとそれに反発を覚えて、「自分は年を取っても若い感性を持ち続けている」「若者に負けることなどない」とムキになってしまうこともあるものです。

しかし、年を取ることによって失われるものは確実に存在します。

例えば、聴覚は年齢を重ねれば確実に衰え、「モスキート音」と呼ばれる高い周波数の音は 20 代の耳にははっきり聞こえますが、 30 代、 40 代になると聞こえなくなることはよく知られています。

非常に残念なことではあるのですが、どれだけ健康に気を配っても、どんなに肉体を鍛えても、防ぎようがない衰えというものがあるのです。

聴覚のようにわかりやすく判別できないものもありますが、人間が持つさまざまな機能の中には、年齢を重ねることで少しずつ失われていくものが少なくないのではないかと思います。

ですから、中高年になったら若い人の力を借りる必要があるのです。彼らは中高年には聞こえない音を聞き、中高年には見えないものを見て、中高年には感じられないことを感じているはずだからです。

まずは、年を取って失われるものがあるということを認めること。それを認めてこそ、自分が失ったものを持つ若い人たちを頼ったり、大事なものを託したりしていくことができるのだと思います。

いくらおじさんが若者たちについて行こうとしてもそこには越えられない壁が存在します。若者の文化を体感しながら彼らを認めてあげることが大事。その上で中高年ができることをやる。素直に自分にはない若さを取り込み、認めて自分が失った若さを持つ彼らを頼るのが良いかと思います。

投資もビジネスも先を読むことに成功した人が勝つ世の中。それには若者の感性が必要。昭和や平成の考え方では令和を生き抜くことはもう叶いません。頭の中をアップデートして時代に追いつかないとどんどん置いてけぼりに。そうならないためのガイドブック。

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