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コンタクトレス・アプローチ テレワーク時代の営業の強化書|長尾 一洋|IT×営業のプロが贈る逆転の経営戦略

アポどりからの訪問、商談、仕事の受注までを会わずに行うテレワーク時代の全手法を伝授。IT×営業を実践するプロフェッショナルが提案する逆転の経営戦略とは?

コンタクトレス・アプローチとは?

コンタクトレス・アプローチ(Contactless Approach) とは、 顧客へのリアル訪問(コンタクト) を減らし、WEB等を駆使してアプローチ数を増やすことで、より大きな成果を挙げる一連の営業行為 のことを指します。 「会う」という行為を減らすことで生じた時間や労力を、アプローチ数を増やすことに使い、全体のパフォーマンスを上げていきます。

とはいえ、いきなりそんな定義を語られても、「???」となるでしょう。これまで足を使って歩き回って訪問して営業してきたのに、今「会えない」ことで困っているのに、「会わない」ままで成果を挙げるとは、どういうことなんだ?──そう思われても無理はありません。

そこで、簡単な数式を使って表してみたいと思います。

リアル訪問でのパフォーマンスを「1」とします。一方、コンタクトレスのWEB商談では、双方が慣れない間は多少勝手が違うため、リアルにくらべると若干パフォーマンスが下がると仮定して、「0・8」とします。  訪問(アプローチ) 数は、リアルの場合は移動時間などを考慮すると1日に3件程度でしょうか。それに対してWEB商談の場合は、移動の必要がない分、それよりも多くこなせるとして、ここでは5件と考えましょう。数式で表すと次のようになります。

1×3=3<0・8×5=4  つまり、リアルにくらべてWEB上でのパフォーマンスが(1 → 0・8) に落ちたとしても、その分アプローチ件数が増やせる(3 → 5) ので、結果としては大きな成果(3<4) となる、ということです。

この数式の数値はあくまでも仮定ですが、たとえ会えなくても、アプローチ数を増やすことさえできれば全体のパフォーマンス量を上げることができるという点は、ご理解いただけると思います。

となると、次に「アプローチ数を実際に増やすことはできるのか?」という疑問が生まれるかもしれません。それについては営業担当者の移動時間を考える必要が出てきます。

最近ではフリーランス化が進み各分野で仕事をWeb上で発注する機会も増えている。そんな中、コンタクトレス・アプローチを自然と行なっている人も多いだろう。会って話す手間を考えると格段に効率はいいのだが、Zoomなどの環境を整えなくてはならず、最初のうちは抵抗感があるかもしれない。しかし、慣れてしまえば、生産性の上がる仕事につながることでしょう。

一気にペーパーレス化を進めよう

多くの企業が突然テレワークを始めたことで、浮き彫りになった課題がいくつかありました。

その1つとして注目されたのが「ハンコ問題」です。自宅で仕事をすることが推奨されているのに、上司のハンコをもらうためだけに出社しなければならない。上司の方も、決裁のハンコを押すためだけに出社を強いられる。新聞や雑誌の特集記事には「テレワークを阻害する日本のハンコ文化」「ハンコは命より大切か」などという見出しが並びました。「ハンコのためだけに出社するなんて馬鹿らしい」と思われた読者の方も多かったことでしょう。

企業という組織の中で営業担当者として働いている人ならよくご存じのように、ハンコが必要な状況は案外多いものです。たとえば、商談を進めている途中で先方に提出する見積書には、担当者以外にも部署の上長や、関係部署のハンコを押す欄などがあります。

テレワークでWEB商談を行っていても、「じゃあ見積書の作成をお願いします」と言われたとたんに、「見積書をつくって、ハンコをもらう」という作業が発生してしまいます。

以前から電子押印を取り入れた企業もありましたが、日本の企業文化においては、リアルなモノとしてのハンコに重きを置く風潮が根強かったこともあり、思ったよりも普及しませんでした。そのせいもあって、今回、テレワークを急ぎ導入した会社にとっては「ハンコ問題」が大きな壁となったところが多かったようです。

もう1つの壁が「紙問題」。見積書だけでなく、会社間の契約にはさまざまな「紙」のやり取りが発生します。具体的には、契約書、発注書、納品書、請求書などです。 「紙」と「ハンコ」は常にセットで、営業の現場では、必要が生じるたびに営業担当者が書面を作成し、それを紙に印刷して、押印欄に印鑑をもらって……という作業をこれまで繰り返してきました。  コンタクトレス・アプローチを進めるにあたって、真っ先に取り組みたいのがこの「ハンコ」と「紙」問題の解消、ペーパーレス化です。

ハンコ文化はこれからどんどん廃れていくことでしょう。僕個人としてはプリンターで印刷するのすら一年に一回あるかないかで、プリントアウトが必要なことがあると埃の被ったプリンターを引きずり出して「プリントアウトめんどくさ!」と思いながら作業している訳です。紙もったいないし、インクジェットプリンタのカートリッジ代もかかるしプリンターはほんと害悪でしかない。これを機に周りを巻き込んでペーパーレス化を進めてみては?

テレワーク時代の仕事術。会わずに売れるは当たり前の世界で未だに商談は相手と向き合わなくてはなんて時代錯誤なことを言っていると置いていかれます。もちろん会うことによるメリットもありますが差引で考えてもコンタクトレス・アプローチの方が断然効率的。

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