古い布をアートに変える、99歳の古ぎれコラージュ作家である三星静子さん。92歳でデビューし、今も精力的に作品を作り続けている著者が、ひとり暮らしの楽しみ方と寂しさの乗り越え方、食事やおしゃれ、家族とのエピソードなどを語る。「うちこめるものがあったから、体の痛み、家族の死を乗り越えられた」という言葉に、一生続けられる趣味を持つことの大切さと、静かな自信が伝わってくる。集めている古い布やきれ、昔から使い続けてきた道具、創作中の姿、ステキな作品の数々など、思わずほっこりする写真も掲載。101歳でまた個展を開くことが目標という著者から、笑顔とパワーがもらえるハートフルなエッセイ!
可愛い服を着せてあげたい
私は、自分がおしゃれ好きだから、女の子にはやっぱりかわいい服を着せてやりたかったのね。息子たちは毎日同じ服でもかまわないけれど、娘には毎日違う服を着せたいと思っていました。でも新しい服や生地は買えないでしょ。だから私の派手になった服をリフォームして作りました。最初のうちはミシンなんてないから、全部手縫い。早く仕上げて着せてあげたいから、もう寝る間を惜しんで作りました。無地だと寂しいから、私の服の裏地なんかを切り抜いてアップリケを作ったり、テーブルセンターのレースの部分を切り取って、きれいな色に染めてつけたこともありました。今から思うと、それが古ぎれコラージュの始まりでしょうか。家にあるもので、お金をかけずにおしゃれをしたかったんです。
僕の小さい頃、手編みのワシが描かれたセーターがお気に入りだった。母親が編んでくれたものだ。最近の母親の中には自分で洋服やカバンなどの手作りする時間が取れないからか、業者に手作りの洋服やカバンを依頼する人が結構いるのだそう。親が自分のために作っている姿を見せられないというデメリットはあるが、子供達はどう思っているのだろうか。裁縫が苦手な親にとっては救世主だろうが。
主人は子供が第一。本当に子煩悩な人でした
主人が「子どもたちは東京の大学に通わせたいから」と言って、東京に転属させてもらったんです。とにかく何をするにも、子どものことを第一に考える人でした。当時の男の人にしては、変わっていたかもしれません。だって、男は仕事が一番で、家族のことは二の次というのが当たり前でしたから。家族のために仕事を変えたり、転属届けを出したりする人は、珍しかったです。そういえば、ピアノを弾くのも好きでした。昔は男がピアノなんて、軟弱だって思われていたのよ。でも、主人はそんなこと全然気にしなくて、何でも自由主義でしたね。でも、いくら子どもと一緒にいたいからといって、 41 歳で慣れない会社勤めを始めるなんて、それは大変だったと思います。ずっと学校の先生をしていたから、人間関係も上手なほうではありませんでしたから。もちろん私にはそんな愚痴を言ったこと、一度もなかったです。主人は、子どもたちには「好きなことを仕事にしてほしい」と思っていたようです。自分が、あまり好きではない仕事をせざるを得なかったから、なおさら強くそう願ったのかもしれません。だから、子どもは絶対に東京の大学に行かせたかったようです。それもいい大学に行けば、仕事の選択肢が広がるでしょう。何でも好きなことができると思っていたようです。
僕は子供がいないので、子煩悩な父親というのが想像の域でしかないが、自分の父親を見ればなんとなくわかる。子供のために自己犠牲を払うのが親というものなのかと思ったりもする。愛情は上から下へ流れるだけで、親は子供に一方的に愛情を注ぐものなのだろうか。子供としては親に感謝こそすれ、それ以上の感情は発生しないように思う。
いくつになっても女は女。おしゃれは女の特権よ!
昔はウインドーショッピングをするのが好きでした。デパートの中をグルグル歩いて、すてきだなと思う服や小物があったらじっと見て、そのあと自分で生地を買って、マネして作ったものです。今は、そんなに長いこと歩けないから、もっぱらテレビ。今どんな服がはやってるのかも、テレビを見ていればわかります。NHKの「すてきにハンドメイド」というニットとか縫い物とか手作りを紹介する番組があるんです。あれを見るのが好き。それで、いいなあ、と思うものがあると、自分でも作っちゃうんです。今髪を留めているシュシュも、手作りです。伝染してはけなくなったストッキングで作りました。だから材料費はただみたいなもの。でも、そんなふうには見えません。知らない人が見たら、買ったのかと思います。夏にはいているソックスも、手作りです。最近は夏になると、みんなすごく短いソックスをはくでしょう。パンプスの中に隠れるぐらいの大きさの、あれ、フットカバーって言うでしょう。
おしゃれは女の特権だったのは過去の話。今では男性だっておしゃれしたいという人が増えている。僕を含めて。お気に入りの服を着ていると気分も上がるし、外出も楽しくなる。引きこもり気味の僕が外に出られるようになったのもおしゃれのおかげです。
いくつになっても夢中になれる何かを持っていたいもの。年老いた時それがあるのとないのでは充実した日々を送れるかどうかの分かれ道に。幸せな人生を送るための秘訣とは?
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